蝙蝠ですがかなりの厚待遇のようです!
豪商と告げられて悠は戸惑っていた。
「豪商って・・・俺は今転生したばかりだぞ?」
どう考えてもおかしい!元の世界では学生でアルバイトはおろか商売なんてしたこともなかった!
それがいきなり豪商なんて・・・
そう考えていると
「ですからこれは転生ギフトです。」
そう言うとラヴィがギフトについて説明を始めた。
「従来の悪魔に魂を奪われて転生した者には与えられないのですが今回のように選ばれて転生した者にはギフトとしてある程度の地位と力が与えられます。」
ギフトとして地位と力が与えられる・・か・・都合が良すぎはしないか?・・
悠はラヴィが語るギフトの内容に疑いを持ちながら続きを聞いた。
「次にギフトの内容について詳しい説明をさせて頂きます。まず黒井様はデルフォール商会の跡を継いで頂きます。」
「デルフォール商会はこのアヴァリディア商国の五賢老家の序列4位です。階級でいうと貴族階級です。」
「次に力の方ですが・・・・」
「ちょっとまて!五賢老家の序列4位?しかも貴族?そこまで行くと怪しいを通り越して何かの罠にしか聞こえないぞ・・」
あまりにも厚待遇すぎる話に悠は堪らず話を遮る。
するとラヴィも
「確かに厚待遇すぎると私もびっくりしましたが他ならぬデルフォール様直々のご指名なのです。」
直々の指名だと・・・益々怪しさしか残らん・・・
そう色々と思考を巡らせていると
「よろしいですか?力についての説明に移ります。」
ラヴィが早く済ませたいかのように急かしてきた。
「ああ・・すまない・・続けてくれ。」
「では・・力についてですが黒井様 まずはご自分のステータスをご覧ください。思い浮かべますとご覧頂けるはずです。」
そう言うとラヴィは顔の右斜め前を指さす。
それを見ながらRPG風のステータス画面を思い浮かべてみる。
種族 強欲蝙蝠Lv13
ジョブ 貴族
豪商
スキル 吸血搾取Lv15
交渉術Lv20
擬態
強欲腕の搾取
特技融合
七大欲 強欲
能力総評価 A+
目の前にこんな感じのステータス画面が表示された。
おいおい・・転生したてのわりにはスキル数は多いし評価が高すぎる・・・これがキフトか・・・
ラヴィはどうも俺のステータスが気になるようであの手この手で覗こうとしてくるが本人が秘匿モードを解除しないと見れないようになっているらしくしばらくしてあきらめた様だ。
「それでは黒井様 あとは名前を決めて頂いて説明を終わらせて頂きたいのですが。」
「ん?今のままではだめなのか?」
「はい!そのお名前は人間の時のお名前です。悪魔になられたことで新たに付け直さなければ能力は確定されません。最悪転生失敗により消滅までございます。」
「消滅だと!・・・つけ方はどうすればいいんだ?ファミリーネームとかいれるのか?」
消滅という言葉を聞いてかなり焦りながら考えた。
「黒井様の場合デルフォール家を継がれるわけですから○○・デルフォールみたいな感じでよろしいとおもいます。」
「う~ん・・・・メディス・・いや・・クロク・・クロク・デルフォール・・決めた!クロク・デルフォールにする!」
「それでは黒井様改めクロク様!これよりデルフォール家当主ブレイビッド・デルフォール様のお屋敷にご案内いたします。」
こうして俺は転生早々大きな波に飲み込まれていく羽目になる・・・・・