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眠醒パラレル  作者: 安静
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重ね寝

 夢の世界でも眠ることがある。

 睡眠中に睡眠を取るというややこしい状態だが、流石に重ねて夢を見て無限ループと化したりはしない。



***



「眠いな…」

 夜、自室で物理のノートを見返していると欠伸が出た。眠れるなら眠りたい。そう思ってベッドにダイブする。現実での眠気にはうんざりしているが、夢での眠気は歓迎だ。僕にとっては貴重な、何も考えず休める時間。

(夢を見ない人は寝てる時間いっぱいこうして意識を手放せるのかなあ…いいなあ…いや本当は記憶してないだけで見てる説もあるらしいけど…)

 微睡みながら思う。人間の睡眠にはサイクルがあり、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されている。レム睡眠は全身の筋肉を弛緩させ身体を休める睡眠。脳は覚醒状態に近く、人はこのときに夢を見るらしい。ノンレム睡眠は脳の活動も沈静化させ脳を休める睡眠。

 夢世界で眠るのは、脳がレム睡眠からノンレム睡眠に移行したということなのかもしれない。ただ、それにしては周期が気になる。一般的にノンレム睡眠は入眠直後から始まり、九十分くらいでレム睡眠と交代する…というのを覚醒まで繰り返すようだが、僕の場合は不規則だ。

(こんな非現実的な体質に…一般的な睡眠傾向なんて当てはめても仕方ないか…)

 脳波を調べれば分かるのかもしれないが、情けないことに病院は苦手だ。そもそもこの夢の話をしたところで、まず案内されるのは睡眠科ではなく精神科だろうし。奇跡的に信用されたらされたで、悪用しないよう監禁されるか実験動物コースまっしぐらな気がする。フィクションの見過ぎと言われようが怖い。

 普通の人がレム睡眠時に夢を見るのは、起きているときに経験した記憶や感情を整理するためと考えられている。そうなると夢と現実が続いている僕の脳はどこで整理されているんだろう。

(まあ…考えても…しかたな…い…)

 思考が不穏な方向に行って悶々とするが、眠気が勝り意識が沈んでいく。とりあえず、今は眠ろう。


 ビーッビーッと焦燥感を煽るアラーム音で目が覚めた。

 十分間隔でかけている一番目だ。今日から中間試験、寝坊は万一にもできない。瞼を無理矢理持ち上げスマホを手繰り寄せて止める。一発目で起きられて良かった、と思いすぐに気付く。

「…まだ夢の中だ」

 眠っているときに眠ることもあるのだから、目を覚ましてもまだ眠っていることもある。現実でもアラームは鳴っているから間もなく目覚めるとは思うが…

(このワンクッション、ほんと無駄だよな…)

 直接現実に戻れればいいのに。二回も寝起きの辛さを味わわなければならないことにうんざりしつつ、現実の僕が覚醒してくれるのを待った。


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