#0 壊れた世界
僕らの世界は、平和だった。
—―あの日が来るまでは。
20XX年6月31日。
その日、世界は終わった。
僕・透木 凪は、ごく普通の平凡な中2女子。
背も、顔も、成績も、人並み。
運動神経もそこそこ。
唯一、ほかの人間と違うことがあるとすれば、
ぼんやりと、霊が見えること。
「なーぎ!」
「もう、水葵か...。」
この飛びついてきたのは、 花園 水葵。
小学生の頃からの友達。
中学に入ってからも、ずっと同じクラスだ。
「もう、水葵ったら。いい加減やめたら?凪がうんざりそうじゃない。」
「もー、邪魔しないでよ和花。せっかく、いいとこだったのにー!」
「何がいいとこよ。」
この抱き着いてきた水葵を引きはがそうとしてくれたのは、花園 和花。
水葵の双子の姉で、私の、もう一人の親友だ。
ちなみに、双子というだけあって、二人は似ている。
しかも超絶かわいいし...!
そうこうしてる内にクラス前に到着。
「あ、お前ら、来たぞ!」
ドアを開けると同時に、クラスメートが一斉に押し寄せてきた。
理由は、私の前にいる水葵と和花だ。
当然、二人がかわいいからだ。
クラスメートは、水葵に連れられて屋上に行った。
和花が静かにしてほしいかららしい。
そこで、水葵が気を使ってくれるのだ。
ほんといい姉妹だなぁ。
でも、なんで、私は二人みたいにかわいくないんだろう。
気分が沈む。
こうして、僕の一日は始まるのだ。
1時間目の最高につまらない国語の古文が始まった。
古文は本当にわかりづらいうえに、つまらない。
だから、いつものように教室の窓からぼけーっと空を眺める。
その内に、空に黒い大きな雲が現れた。
えっ、嘘でしょ。
土砂降りとかいやだよ。
この時、僕はそれが災厄の始まりだと、知る由もなかった。
その黒い雲は、みるみるうちに空を飲み込んでいった。
傘持ってくればよかったなぁ。
けど、しばらくすると、気づいてしまった。
あれは、雲じゃない。
そう、気づいたときは遅かった。
そいて、それは学校を飲み込み始めた。
しかも、それは窓を突き破って入ってきた。
『きゃあぁぁぁ!』
皆の泣き叫ぶ声が学校中に広がっていく。
真っ先にやられたのは、水葵と和花だった。
そして、皆、死んでいた。
気づいたら、僕の目の前にもそれは来ていた。
嘘でしょ。
もう会えなくなっちゃうの?
水葵、和花。
――――僕、死ぬの?
怖くて、ぎゅっと目をつぶった。
―――けど、いつまでも痛みが来なくて目を開けてみた。
すると、いつも通りの教室の風景があった。
それだけでなく、皆も生き返っていた。
授業が終わってから、水葵と和花に聞いた。
「え、なーに、それ?」
「いつも通り、居眠りでもしてたんじゃないの?」
けど、二人は覚えていないようだった。
2人だけじゃない。
その時のことは、”誰も”覚えていなかった。
そして、驚いたの。
だって、カレンダーを見てみると、今日が7月1日になっていたから。
しかも、異変はそれだけじゃなかったの。
さらに、カレンダーから、6月31日がなくなっていたの。
どういうこと?
あの黒い何かが現れたのが、僕の悪い夢だとしても。
カレンダーから、もともとあった日付が消えるなんて、あることなの?
結局、あれが何だったのか。
いまだに分からない。
あれが何なのか、やっと分かったのは、あれから一週間が過ぎたある日のこと。
いつも通り、水葵と和花と、下校中だった。
いつもなら、目にもとまらないはずの山道が、ものすごく気になった。
なんでだろう。
山は好きじゃないし。
なのに、なんで?
ものすごく気になって、そっちへ向かった。
2人の静止も振り切って、夢中で走った。
そして、たどり着いたのが、山奥にある、古い神社だった。
――――そこで、僕は見た。
黒いあれは何だったのか。
なぜ、死んだはずの皆が生き返ったのか。
なぜ、皆があの日のことを忘れていたのか。
なぜ、6月31日が消えたのか。
――――その、真相を。
はじめまして!
星空 雅のリーダー、立花明日香です!
なろう作家として、初の投稿作品「今日、私、神様と契りを交わします。」
お楽しみいただけたでしょうか!
実はね、この作品を作るのに、約1か月以上かかりました。
意外と大変なんですね。
びっくりしました。
ついに、リーダーの私が音を上げましてね。
メンバーの猫山たちに何も伝えず、投稿を強行してしまいました...。
中途半端のところで投稿してしまったので、1話目は、前半と後半に分かれております...。
本当に申し訳ありません!
中途半端なところで終わってしまいましたが、真相は、次でわかります。
ぜひ、見てくださいね!