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ユートピア  作者: 吉田 要
第三部 帝国会戦:決戦篇
61/70

4-0 これまでのあらすじ

17XX年 エルトリア帝国とノヴゴロド帝国が千年にも及ぶ血戦で鎬を削っていた。

血を炎や雷へと変化させて戦う騎士は、その重要な戦力として火器の時代でも戦線へと登用された。


エルトリアの東方にある小さな町に住む、盲目の少女ジェーン・ファミリアエは、突然ノヴゴロドの騎士メルセンとドミニクスによって、両親を殺害され、妹アビゲイルを攫われてしまった。

元エルトリアの騎士の伯父リチャードの下で騎士としての修練を密かに積んだジェーンだったが、そのリチャードすらも仲間であったはずの騎士アンナの刃に倒れてしまう。

リチャードを犠牲に逃げ延びたジェーンは、頼れる親族も仲間もいない中で、一人、騎士を恨んでアビゲイルを探し歩く。

エルトリアの帝都でひょんなことから、騎士フェリクス・カウフマンとスヴェン・エルマンデルと知り合ったジェーンは、彼らが騎士であることから反発しながらも自身を追跡してきたメルセンに対して共闘する。

なんとかメルセンを打倒したジェーンは、彼女からアビゲイルが生存していることとノヴゴロドの騎士として洗脳されたこと、そしてドミニクスが他人に成りすます能力を持っていることを知る。

リチャードを殺害したのがアンナに擬態したドミニクスであることを悟ったジェーンは、反目していた彼女と和解し、アビゲイルを探すために自らも騎士になることを目指す。

盲目ながらもリチャードの指導を受けていたこともあり、ジェーンは新たな仲間であるカーラやヴィーラン、ウィチタの助けも得ながら3年の後についに騎士叙任する。

合流したフェリクスやスヴェンと共に、ある町に任務へと赴いたジェーンは、そこで予期せずアビゲイルと再会する。しかしアビゲイルは洗脳されており、自身をナーシャと名乗って襲い掛かってきた。

フェリクスたちの助けもあって、なんとか彼女を退けたジェーン。分かっていたことではあったが、実際に妹に刃を向けることが出来なかったことに取り乱すが、フェリクスの支えもあって、彼女に正気を取り戻そうと決意する。

遂に現れた他人に成ります騎士ドミニクス。戦いの中でアビゲイルを救い出すことに成功し、辛くもドミニクスを破ったジェーンたちだったが、そこで突然アビゲイルが殺害されてしまう。

乱入してきた謎の男のあまりの強さにジェーンたちはなすすべがなかった。今度こそその刃の前に倒れそうになったジェーンだったが、騎士の増援でなんとか生存する。

探し求めていた妹を、アビゲイルを抱いた直後に失ったことに、一度は絶望のあまり剣を折ろうとしたジェーンだったが、全ての謎を明かすため、再び戦いに身を投じた。



一年後、二つの帝国の境目にある長城に派遣されたジェーンは、ノヴゴロドが大軍を集結させていることを知る。

エルトリアでは、実権を握る法王とその配下のエルトリア軍(教会軍)を中心に対策案が練られていたが、ノヴゴロド軍(帝国軍)はそれを易々と突破し、一挙に帝都へと進撃してきた。

帝都へと緊急招集されたジェーンたちは、そこで降伏勧告をしに来た帝国軍の総大将にして伝説の騎士、

マクシミリアン・シュクロアフスキーと交戦する。

両親が殺されたこと、アビゲイルを攫ったこと、そして自分をつけ狙う理由。全てを知っているはずの男に戦いを挑むが、その圧倒的な力の前にねじ伏せられてしまった。

法王と皇帝はシュクロアフスキーの降伏勧告を跳ね除け、帝都決戦へと舵を切る。

ジェーンはすべての謎を解き明かすため、決戦へ、そして再びシュクロアフスキーに挑む。



遂に勃発した戦い。

ある作戦を立案したエルトリアだったが、戦力で優位に立つ帝国軍の攻勢に、教会軍と騎士たちは窮地に立たせられる。

その中でもジェーンは懸命に戦い、カーラを失いながらもアビゲイルを殺害した騎士アルフレッドを倒す。

一方、彼女たちとは別行動をとったフェリクスとスヴェンは、帝国軍最強の騎士の一人バルトロメウスと交戦。重傷を負いながらも討ち取ることに成功する。

アンナを始めとしたエルトリア騎士の実力者たちも、次々に帝国軍の騎士と衝突し、10人いる実力者の4人を失う。

エルトリア騎士のリーダー、メインデルトの秘策により無力化されていたシュクロアフスキーも目覚め、絶対絶命に。

だが周りから見下されていた騎士ウィルの活躍で、彼は重傷を負って撃退される。

アルフレッドとの戦いで傷を負っていたジェーン。その目の前に吹き飛ばされたシュクロアフスキーに、彼女は再び立ち上がった。

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