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第1話 ~俺はまだ生きている。

都市から追放されてどれ程の時が経ったのだろうか? 苦労に苦労を重ねて生きてきた。着の身着のままで追放されたが為、何度も死ぬ思いをしてきた。都市内にいた時、這いつくばって生きてきたから外でも何とかなったんだ。堪えに堪えて努力してきたからこそ、今もまだ俺は生きている。







当然のことながら、追放された時よりもステータスは上がっている。勿論スキルも新たに入手したし、スキルLVも相当のものかと。


────────────────────


【ステータス】

名前:佐藤 浩之

性別:男

年齢:17

種族:人間(日本人)


筋力:C-

頑丈:C+

器用:C-

知力:D

精神:C+

体力:C

魔力:C-

素早さ:C-


【スキル】

〈体術〉LV5〈剣術〉LV3〈短剣術〉LV2〈槍術〉LV3〈弓術〉LV4〈棒術〉LV3〈投擲術〉LV5〈隠密〉LV4〈罠〉LV2〈身体操作〉LV4〈従魔〉LV3〈火〉LV2〈水〉LV1〈風〉LV1〈土〉LV2〈雷〉LV1〈光〉LV2〈闇〉LV1〈魔力探知〉LV3〈魔力操作〉LV2〈鑑定〉LV2〈解体〉LV3〈薬学〉LV4〈建築〉LV2〈木工〉LV2〈苦痛耐性〉LV6〈サバイバル〉LV5〈不屈〉LV5〈料理〉LV2


────────────────────


…このステータスがどれ程の強さかは知らない、知らないけど都市外で命を懸けた結果だ。決して弱くはないと思う、都市外の魔物を難なく倒せるようになったのだから。まぁ探索者達も同じだとは思うがね、俺と同等の奴なんか掃いて捨てる程いるだろうさ。…探索者達は群れて戦う、総合的には俺以上と考えた方がいい。一人で立ち向かうのは危険、多対一は分が悪い。


だが襲われたとしても何とか命を拾うことは出来るだろう、何故なら今の俺は一人じゃない。頼もしい仲間…友達がいるからな、…魔物だけど人間よりは断然良い。


────────────────────


【ステータス】

名前:ぱっくん

種族:スライム(ダークスライム)


筋力:D-

頑丈:C-

器用:D-

知力:D

精神:D+

体力:D

魔力:D+

素早さ:D-


【スキル】

〈隠密〉LV4〈身体操作〉LV1〈闇〉LV3〈魔力探知〉LV3〈魔力操作〉LV3〈吸収〉LV3〈消化〉LV3〈打撃耐性〉LV3


───────────────────


この子はダークスライムのぱっくん。各地を転々とし、探索者や魔物を避けながら行動している時に出会った。何処ぞの木のうろに潜んで生活をしていた時、突然転がり込んできたのだ。最初は警戒したさ、何せ何度も戦った魔物だったからね。暗がりから闇魔法を放ってくる嫌な奴、しかも姿を見付けにくいが為に倒しにくい。なかなかのクセ者スライム、それがダークスライムなのだ。


しかし転がり込んできたこのダークスライム、襲ってくるどころかプルプルと震えて小さくなっている。うろの隅っこに寄って、必死に隠れようとしている姿を見詰める。…たぶん、生まれて間もない個体なのだろう。…普通に考えれば倒すべきだ、しかし…震えている姿はどうにも。追放時の自分と重なるというか、敵対心の無い震える弱者を殺せない。都市で活動している探索者は気持ち正当防衛で殺れるが、でも俺は過酷な都市外を必死に生きてきたからこそ………。


俺は震えるダークスライムに食べ残しを与えてみる、…決してゴミではないことを言っておく。あちらさんも俺を警戒していたが、害はないと思ったようで食べてくれたっぽい。そんな日々が続いたある日、ステータスを確認していた時に気付いた。スキル欄に〈従魔〉というものが増えていたのだ、読んで字の如く魔を従えるスキル。聞いたこともないスキルであるが、このスキルを使えば…。


俺とダークスライムの奇妙な同居生活、いつもの定位置にいるダークスライムへ視線を向ける。初めての邂逅から暫く経つが、コイツも大きくなって心なしか色ツヤも良い。そんな俺の視線に気付いたのか、縦に伸び縮みして挨拶をしてくる。俺とのコミュニケーションだ、…本当に仲良くなったものだ。オス? メス? …そこは分からんけど、


「…なぁダークスライム、これからも俺と一緒に過ごしてくれないか? …仲間、…友達になってはくれないだろうか?」


ダークスライムにそう語り掛けた。


ダークスライムを見詰めて暫く、その身体から一つの触手が伸びてきて目の前で止まった。俺は反射的に手を伸ばしそれを握る、所謂握手…のような感じで。…するとどうだろう、俺とダークスライムの感覚が繋がったような気がする。


『…コンゴトモ、…ヨロシク。』


という言葉を聞いたような気がした。







友達のダークスライムであるぱっくん、この子は今…俺の頭の上にいる。そして俺とぱっくんはダンジョンにいる、たぶん日本最大級のダンジョンである富士・青木ヶ原樹海ダンジョン。俺達はこのダンジョン内で生活するようになったのだ、…まぁ追いやられたって感じかな?

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