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~プロローグ

リハビリ。

ある日、突如として世界にダンジョンが出現した。


その情報はSNSを通じ世界中に広まる、新たな情報と共に…。


ある国にある有名な自然公園に幻想上の生物であるドラゴンが現れた。


ある国の荘厳かつ神聖な教会が迷宮化し取り残された聖者と信徒達がいる。


ある国の博物館に展示されている過去の遺物が動き出し館内を占拠した。


…等という色々な情報がSNSを通じて広まったのだ。しかしそれは長く続かず、突如として通信が遮断されてしまう。連絡や情報収集がままならない、更に各国の国境が見えない壁で閉ざされてしまう。見えるのに先へ進めない、人類はそれぞれの国で孤立してしまうのであった。







ダンジョンが出現して三〇年、世界は魔物が支配する物騒なものへと変わった。故に世界各地の都市は城壁を築き、その内側にて生活をし都市外に出ては戦い続ける日々。いつの日か再び、平穏な生活が出来ると信じて………。


因みにだが各国それぞれの軍は既に壊滅、勿論日本の自衛隊も同じで生き残りは各都市の探索者として活動している。




────────────────────




そんな世界へと変わった現代にて、一人の少年が都市から追放された。




────────────────────




…始まりは小学生の時。普通に近所を散歩していたら、家の隣に住む幼馴染にバッグを押し付けられた。バッグを押し付けてきた幼馴染は慌てた様子で走り去り、後から来た数人の大人に何故か殴られた。そして知った事実、押し付けられたバッグはマジックバッグという高価なダンジョンアイテムで盗まれた物らしい。それを持っていた俺は犯罪者扱い、押し付けられたと否定しても信じてくれない。…小学生で前科一犯になってしまった、…何で俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。


真犯人である幼馴染を問い詰めようとしたら、その親…オジさんに殴られた。娘に罪を擦り付けようとするな! …って、ソイツが俺に擦り付けたのに! …幼馴染に罪を擦り付けようとした外道、幼馴染の家から近所へ、そして都市全体に広がり行く先々で罵詈雑言を浴びることに。


何処に行っても苛められ、妹も苛められるようになった。仲が良かったのに妹からは嫌われ、両親も離婚をすることに。妹は母さんと共に護衛を雇って他都市の実家へ、別れ際に犯罪者は死ね! と吐き捨てるように言われて悲しくなった。俺は父さんと住むことに、…父さんは俺が無実であると信じてくれたのだ。そのせいで父さんも嫌われ者、俺は幼馴染一家を恨んだ。







…父さんは都市間の物流を管理する会社に勤めていたが、犯罪者の親ということでクビになった。これでは生活が成り立たないとのことで、父さんは探索者になって頑張っていた。…なのに数ヶ月後、都市近くにあるダンジョンで死んでしまったとのこと。しかも同業者を襲撃して返り討ちになったとか、…父さんがそんなことをする筈がない! そう訴えても聞く耳を持たず、慰謝料として全てを奪われた。何とかしようにも大人に、探索者に敵う筈もなくぼろ雑巾のように捨てられる。…何もかもを失ってしまった、…ただ普通に生活していただけなのに。何も悪いことをしていないのに。………これからどうすれば? 小学生の俺は一人でどうやって生きればいいんだ?







…都市内で人目を避けて生活してから数年、あれ以来…小学校へは通っていない。親子揃って犯罪者と言われている、…通える筈がない。俺は泥水を啜り残飯を漁って生きている、…死ぬわけにはいかない。俺はともかく、心優しかった父さんの汚名を何とかするまでは!


だから人知れず鍛練に精を出している、稀に見付かり石を投げられ追いやられるが堪える。身体中ボロボロでも、左目が投石で潰れても俺は堪えて堪えて堪えまくる。その我慢が力になることを信じて。







…だけど、俺のこんな状況を作ったきっかけの幼馴染。あの女の幸せそうな笑顔を見た時、その友達と共に俺を…父さんを馬鹿にした言葉を聞いた時、…我慢が出来ずに襲撃しようとした。しかし運が悪いことに、たまたま近くにいた強い探索者に取り押さえられれた。


そして簡易的な裁判にて有罪、未成年故に死刑ではなく都市外追放刑。着の身着のままの状態で放り出される、他都市にもマジックアイテムによって手配書が回るらしい。…日本中何処にも居場所がない、危険な都市外で死ぬことを望まれている。探索者にも見掛けたら駆除をするようにと通達されるとか、…魔物と同じ扱いにされる………か。







……………俺は逃げるしかなかった、色々な存在から命を守る為に。…死んでやるものかよ! 生き抜いて絶対に後悔させてやる! …日本を、…日本人を、…特にあの都市に住まう者達、…この恨みを忘れないからな!!

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