僕の心臓は、既に死神に握られている!
僕が産まれるずっと前から、僕は既に死神から僕の心臓を
握られている、、、!!!
僕の生死を操っているのは、最早この死神なんだ、、、!
*
僕はごくごく普通の家庭に生まれたんだ、、、!
お父さんは普通のサラリーマンで、お母さんは専業主婦。
お姉ちゃんは、物静かな霊感のある人で歳は18歳の高校3年生。
僕は、この死神と共にこの世に産み落とされる事になった
棗15歳だ、、、!
だから、たまにね、、、?
僕のお姉ちゃんが僕にこう言うんだ、、、!
『ねえ棗? 棗は何も感じないの、、、?』
『えぇ!? どういう事、、、?』
『・・・まあ、知らないならその方がイイかも、、、!?』
『どういう意味だよ! お姉ちゃん!!!』
『いいの! 気にしないで!』
『そこまで聞いたら、、、? 気になるよ~』
『まあ~あんまり気にしない方がいいしねぇ~ 教えてあげない!』
『・・・ふん、なんだよそれ!!!』
『まあまあ、そう怒らないの!』
『もう、いいよ~!』
『そうそう、それでいいのよ~!』
▽
今気づけば、、、?
お姉ちゃんにだけは、僕の後ろに死神が憑いていたのを
知っていたんだと思う...。
僕は幼い時から、心臓が弱かった...。
走ったり、激しい運動は出来ない、、、!
僕の心臓が直ぐに悲鳴をあげるから、、、!!!
*
僕が子供の時は、僕自身がそういう事を知らなくて友達と追いかけっこを
して、急に心臓が痛くなりそのまま何日か入院した事が多々あった...。
少しずつ成長していく中で、僕は激しい運動をしてはいけないんだと分か
ったんだよ!
それもこれも! 全て死神のせいだった、、、!!!
僕の主治医の先生も、僕の心臓が何故悪いのか、、、?
【原因不明】だと言う...。
▼
そして僕が16歳の誕生日の日、、、。
遂に、コイツ! 死神の存在を知る事になったんだ、、、!!!
そして、、、誕生日の日。
『棗! 16歳のお誕生日おめでとう~!』
『ありがとう!』
『お前も、もう16歳になったんだな~早いもんだよ~!』
『つい最近まで、世話の焼けるおチビちゃんと思ってたのにねぇ~』
『恥ずかしいから~やめてよ~お母さん~!』
『あらあら? もう16歳になったんだから~1人で目覚ましだけで!
起きれるようにしなさいよ~!』
『・・・わ.分かったよ~!』
『早く~ケーキのロウソク消しなさい!』
『はいはい! 分かった分かった!』
『電気消すよ~いい?』
『せーの! ふぅ~』
『棗! おめでとう~』
『・・・お姉ちゃん? なに?』
『えぇ!?』
『僕に何か付いている、、、?』
『・・・ううん、おめでとう棗~!』
『あぁ~ ありがとう~!』
*
この日の夜。
僕はベットの中にいた、、、!
そうすると、、、?
低い声で僕の名前を呼ぶ声が聞こえた、、、!
『棗! おい棗! 起きろ!』
『誰だよ? こんな時間に、、、もう少しで寝れそうだったのに、、、!』
『オレだ! わかるだろう?』
『うぉー!!! なんだ? お前は、 し.死神!?』
『あぁ! オレがお前の死神様だ!!!』
不気味な黒い大きな羽に、大きな口が裂けて、吊り上がった目に、何より
途轍もなくデカい、、、!!!
『・・・どうして? 僕に、、、!?』
『お前の心臓を握っているのは、オレ様だからだ、、、!!!』
『そんな、僕は16歳になったばかりなんだぞ! これから、楽しい事が
待ってると言うのに、、、!』
『来週の日曜日、お前は、、、車に撥ねられて死ぬことになっている。』
『・・・来週の日曜日って、、!? そんなに急に言われても、、、!?』
『どうする? 寿命を延ばすか、、、?』
『えぇ!? マジで! 延ばせるの、、、?』
『勿論だ! しかし、条件がある、、、!!!』
『何? 条件って?』
『オレの言う通りにしてくれればの話だけどな、、、!』
『・・・どんな事だよ!』
『オレは、1度でいいから、、、? ハンバーグとやらを食べてみたい!』
『・・・ハンバーグ?』
『俺様に、体を貸してくれないか?』
『えぇ!? それって、勿論! 後でちゃんと僕の体は返してくれるんだよね!』
『あぁ、もちろんだ! 食べている間だけでいい!』
『分かったよ! それで、寿命が延びるなら、お安い御用さ~!』
▽
次の日曜日、、、。
僕は死神と一緒に有名な洋食屋さんにいた、、、!
『ありがとう、お前は本当にいいやつだよ~!』
『そんなのはいいよ! 早く僕の体を使っていいよ!』
『あぁ!』
死神は、1時間もかけて美味しいハンバーグをたいらげた!
『あぁ~なんて! 旨いハンバーグなんだ~! 最高だな~!!!』
『良かったなキル!』
『あぁ、これで思い残す事はないよ!』
『そうだね!』
『じゃ~お前にこの体を返すよ!』
『うん!』
僕は、レジでお金を払い店を出たら、、、?
【キィーーーー!!! ガシャーーーーン】
僕は、トラックに撥ねられて死んでしまった...。
まさか、、、!?
この死神の僕の寿命が延びるとは、、、?
ハンバーグを食べている1時間だけの話だったんだ、、、!!!
どうやっても、、、?
死神から、逃げ切る事は出来ないと分かった、、、!
最後までお読みいただきありがとうございます。