5-1 世界中の魔力
「隊長!大変であります!」
「どうした!」
「作者があと1週間だと気づいてしまいました! あれに!」
「まさか!?」
「そうです! あれです!」
「Fi〇al Fana〇asy ⅩⅤ!! 11月29日発売か!」
「もうすぐなんです! このままでは連載が日刊から月刊になってしまうのではないでしょうか!」
「下手したら季刊になる可能性すらあるな!しかも3000文字程度で!」
「The El〇er Scr〇lls 6が出たら絶対に何があっても打ち切りエンドだとかほざいてましたが!今回はスク〇ェア・エニッ〇スがあのシリーズのパクリ丸出しですからね!文句言いながらもやるんじゃないでしょうか!」
「アクセス数……減ってるしなぁ……」
「ここで書いてもアクセスしてくれてる読者様の目にしか入らないであります」
「( ・`д・´)ハッ!!」
俺の嫌な予感は全くあてにならず、次の日にハルキ様は帰ってきた。しかし、そのウインドドラゴンの背中にはボロボロのテツヤ様がおり、世界樹の塔の破壊には失敗したらしい。原因はやはり、ヨシヒロ神がいたからだそうだ。一度は勝てたハルキ様たちでも今回のヨッシーには勝てなかったのか。
「いやぁ、派手にやられた」
超弩級の破壊魔法の直撃を受けたというテツヤ様はボロボロになっていたが、すでにほとんど回復している。
「ラミィに作ってもらったユカタがボロボロだぜ……」
落ち込むところがいまいち理解できない。まあ、テツヤ様だしな。
「世界樹の塔の役割って何なんだ?」
レイクサイド領主館ではハルキ様を中心に幹部たちが集合して今後の方針を話し合っている。俺も怪我の療養中であったが、ある程度は回復魔法が効いたし、参加だけはしていた。そこには洗脳が解けたアレクも加わっていた。
「世界中の、魔力を吸うようです。当時は分かりませんでしたが、ヨシヒロ神がそう言っていました」
復活したヨシヒロ神はクロス=ヴァレンタインを解き放ちスクラロ島へと来るように差し向けた。そして自身はスクラロ族に成りすましていたようだ。全てを知っていたのはナトリ=スクラロのみであり、ヨシヒロ神がいなくなった事でナトリの動揺は激しかったが、何も知らないクロス=ヴァレンタインの対応は冷たかったらしい。
「世界中の魔力が吸われると具体的にどういった事になるんだろうな?」
「まず、魔力の自然回復が行われません。それに魔物の発生がほとんどなくなります。また、発生後の魔物の動きも悪くなります。一度使った魔力が補充される事がなくなりますので、身体能力にのみ特化した世界になるみたいですね。しかし、世界樹の実を持つ者は別です。それを食べる事で魔力の補充が行われる」
「……なるほど、そういう事か」
世界中の魔力を独り占めにするという計画である。
「ヴァレンタイン大陸の魔物が弱いのは世界樹があるからだと聞きました。だから大陸の反対側のエルライト領では比較的強い魔物が発生するんです。世界樹から最も遠いから。しかし、魔大陸に世界樹は存在しません。魔大陸の魔物のレベルが高いのはそのためでした」
「神楽が神の力を持っていれば、そんな回りくどい方法を取る必要がなかったわけか。でも、ヴァレンタイン大陸の世界樹にも魔力が宿るんじゃないか?」
「ヴァレンタイン大陸のものよりも効率的に魔力を吸うために塔を建設したようです。詳しい事は全く分かりませんでしたが……」
「ふむ」
だいたいの概要が見えてきた。復活したヨシヒロ神が世界樹を利用して世界を滅ぼそうとしているのだと思っていたが、自体はもう少し複雑らしい。しかし、世界樹の塔のせいで魔力のない世の中になってしまったら、ヴァレンタイン大陸だけでなく、世界中が困ってしまう。
「戦力を整理すると、相手にはもうヨシヒロ神とスクラロ族しかいない。あの感じだと、ナトリ=スクラロはテツヤと同程度であるし、今回の戦いでは押してたから次もいけるだろう。他のスクラロ族も特に問題となる奴はいなさそうだった。やはり、神楽、ヨシヒロ神とどう戦うかが問題となってくるな」
ここで、俺は重要な情報を言わなければならない。ペニー、代わってくれないかな? やっぱ、だめ?
「あの……ヨシヒロ神の事なんですけど…………」
俺はヨシヒロ神とエリナの関係について話した。
「ぎゃっはははは!! あの神楽先輩が!?」
「おい、テツヤ……失礼じゃないか……ぶふふっ!」
何故かハルキ様とテツヤ様の2人には大うけである。特に最後にマジェスターと抱き合ってた時のヨシヒロ神の態度なんて腹をよじって大爆笑だ。当事者の俺たちはいつ何が起こるかわからない嫌な緊張感で一杯だったんだけどね。
「ちょ、ちょっと、もう一度スクラロ島行ってこようぜ!! 一言、言ってみたい!」
「ぶはぁ! ひーひっひっ……あの神楽が! 違った! ヨッシーが! 腹いてぇ!」
ツボにはまった2人は笑い続けている。周囲は若干引いてるけど、笑う事をやめようとしない。
「あー、腹いたい。んで、その後にスクラロ島に帰ったんだな、時系列的に。だから「友情の戦士ヨッシー」だとか訳分からん事言ってたのか。振られただけじゃねえか」
「ハルキ様も人の失恋を笑えない時があったッス」
「うるさいヘテロ。しかし、ヨッシーがそんなに人間臭くなってるなら、やりようはあるな」
めちゃくちゃ悪い顔でハルキ様が言う。
怪我が軽い者はそれぞれの役割につく事になった。しかし、俺やフランさんのような大けがを負った者は療養を継続する。スクラロ族の襲撃がある事も考えると、レイクサイド領主館の守りも必要だった。部隊長は全員領主館に待機する。
スクラロ島へ攻める案も出たが、ハルキ様とテツヤ様が2人そろっていても世界樹の塔を破壊できなかったために、今すぐ攻め入っても失敗するのではないかという意見が通ったようだった。ハルキ様にはヨシヒロ神対策としての案があるようで、水面下で色々と動いているようだったけど、俺には何の知らせも入ってこなかった。
ヨシヒロ神とナトリ=スクラロのたくらみは大同盟の各国にも知らされたようだ。最近になってネイル国とトバン王国も半分強制的に大同盟に参加されたらしく、ほとんどの国が知ることとなったようである。大同盟に参加しておらず、ヴァレンタイン王国やヒノモト国と戦えるような国はそれこそスクラロ国だけとなってしまったようだ。これだけ戦力差があれば、ヨシヒロ神といえどもどうする事もできないのではないかと思ってしまう。
しかし、次の日に事態は急変する。
「ユーナも感じた!? 魔力が回復しない!」
自宅で療養していた俺は魔力の異変に気付いた。
「シウバ! もしかして、これ!?」
「思ったより完成が早かったんだ! ユーナ! 領主館に行こう!」
そこへマジェスターが入ってきた。
「失礼します! シウバ様!」
「マジェスター! お前も感じたか!」
「はい! それと、もっと大変な事が!」
後ろにはエリナがついてきている。その手に持っているものを見て、俺は最悪の事態を想像する。
「シウバ様ぁ! レドン草が全部枯れてますぅ!」
「俺が報告すると言っただろう!」
「うるさいマジェっちぃ! それどこじゃないでしょぉ!」
採取して貯蔵のために中庭に植え代えておいたレドン草。それが全て枯れたというのだ。
「世界樹に、吸われた?」
今あるMP回復ポーションの数は先日の内乱のために常備の半分以下である。特に濃縮した物やドーピング薬はかなり少なくなっていた。
あれ? 今回は薬なしで戦う事になるのか? ヨシヒロ神の描いた世界が思った以上に窮屈である事を思い知りながらも、領主館へと向かう。魔力を使わない事を心がけて戦うなんてやった事がない。しかも、相手は魔力を使い放題だ。
「もしかして、スクラロ族が攻めてくる? 攻めるとしたらやっぱりレイクサイド領か?」
世界が大混乱の中、魔装を使いこなす軍隊を相手にレイクサイド領は先日の内乱以上の危機に見舞われようとしていた。
FF15買っちゃだめだってさ……orz




