2-5 潜入の計画
前回までのあらすじ!
回復師 パティ=マートン!
あれ?こいつってオーブリオン大陸辺を掘り進めないって決めた時に没キャラになった奴だよね。
だって、作者のキャラの命名がすでにいっぱいいっぱいなんだよ!もう何も思いつきません!
リサイクルだ!没キャラであろうがリサイクルして使いまわしだ!
地球環境と作者メンタルに良いリサイクルなんだ! ← イマココ!
「さあ、それじゃあヴァレンタイン大陸のどこかに潜入する所から始めようか。」
「はいっ!シウバ様!お、お供いたします!」
新たにパティ=マートンという回復師の仲間を得た俺たちは反撃を開始すべく作戦を練る。一刻も早く洗脳された仲間たちを解き放ち、クロノスという偽名を名乗っている前宰相クロス=ヴァレンタインからレイクサイド領を取り戻さねばならない。
「ちょっと待って、シウバ!一体、どうやったの?パティさん、昨日はあんなに反抗的だったのにシウバとすごく仲良くなってるじゃない!」
どうしたんだ、ユーナ?それに昨日あたりからハルト殿が俺と目を合わせてくれなくなっている。
「ユーナ殿。・・・その、あまり詳細は聞かない方がいい。」
「え?拷問とかしちゃったの?」
なんて人聞きの悪い。俺はちゃんと「説得」したよ?オプションは色々つけたけど。そんなに変な事したかな?俺がしたのはいわゆる「商談」だよ?肉体的に責める事なんて全くしてないのに。
「精神的にはかなり責められましたけどね・・・。」
「なんか言った?」
「いえ、何も。」
少しドーピングの効果を説明して、その辺りにいる回復師の新米がパティよりも魔力が上昇している状態にしてやっただけだよ。君の存在価値はこの程度のものだとかなんだとかも追加で説明してあげた。それで最終的に洗脳を解けるやつが最もすごいという事を懇切丁寧に教えてあげただけだ。俺は何も悪い事はしていない。パティのアイデンティティは洗脳解除ができる事で十分保たれているじゃないか。
さらに極め付けはこのドーピング薬の一部の調合を教えてやるという条件だ。むしろこれが最も効果的だったようである。ちょっと飲ませてみたけれど、この薬をつかう事で新たな世界が開けただとかなんだとか。いままで回復魔法しか鍛えてこなかったパティが補助魔法にも興味を持ち、なぜか俺を師匠と呼びたがる状態になったのはこの薬のおかげである。オールマイティなめんなよ?器用貧乏と言うな。
とにかくパティは回復マニアである。そしてその回復の技量がさらに上がるという薬と補助魔法の知識と交換する事で俺たちに着いてきてもいいという条件とした。めっちゃ悪い顔で治療料とかの金の話までしてたからハルト殿には刺激が強かったようだ。自分が説得できなかったという事も落ち込む原因であるらしい。
やはり為政者としてはまだまだであるので、今後領主が続けられるかどうか不安である。領主は清濁併せ呑む必要があるのだよ。うちの領主なんて最近は汚れてばっかりだけどな。
「では、気を取り直してヴァレンタイン潜入計画を始めよう。まずはどこかに上陸する必要があるけど、エルライト領あたりかなぁ。魔人族連れてても怪しくないのはエルライト領だし。」
まだまだ他の領地では魔人族の数は多くない。エルライト領はヒノモト国との貿易が盛んになっており、徐々に魔人族が増えてきている。町に魔人族がいても誰も騒がなくなってかなりの月日が経ってきている。他にはフラット領がエレメント魔人国やカヴィラ領との交易が進んでいるが、エルライト領ほど魔人族が多いわけではない。
「まあ、よく知ってる土地だし、エルライト領に行くとしよう。それで、その後はどうしようか。」
闇雲にレイクサイド領に潜入してもこちらがやられるだけである。情報の収集も必要だ。
「テツヤ様が第2、3部隊は大丈夫みたいな事を言ってたわよね。第2部隊に接触を図ったらどうかな?」
「うーん、でもアレクは第2部隊なんだよ?他の隊員の情報を持っててもおかしくないよね。さすがにウォルター殿は大丈夫だと思うけど、あのフィリップ様やヘテロ殿ですら洗脳されちゃったんだから。」
「アレク、意外にも優秀だもんね!」
そうなのである。アレクは非常に優秀なのだ。しかし、その容姿や態度からあまり評価されてこなかった経緯がある。でも、ハルキ様やウォルター殿はアレクを重用してたはずだ。それが伝わってなかったのかな?そこをクロス=ヴァレンタインに突かれたと考えるとしっくりと来る。
「あの、誰が来ても洗脳解いてしまえばいいんではないでしょうか?」
パティが何故そんな事も思いつかないのかという顔をしながら言った。こいつ、思った事を表情に出し過ぎだ。魔人族のくせに表情で感情が読み取れるやつなんて初めてだぞ?
「それもそうだね!そしたらエルライト領で第2部隊に接触する計画かな?」
「・・・うん。まずは第2部隊が洗脳されてるかどうかの確認も含めてエルライト領の冒険者ギルドにでも行って、誰かが接触してくるのを待つのと・・・。」
ここで思いついた事がある。
「それにユーナにあげたい物もあるしね。今後の計画にも必要になりそうだ。」
「え?何!?」
「ウインドドラゴンの契約素材だよ。こっちも戦力増強しなきゃ。それに、欲しがってたでしょ?」
「シウバ・・・。」
「ユーナ・・・。」
「ちょっと、俺の前でイチャつくのやめてくださいよ。」
・・・こいつ、あえて空気読まないタイプだな。
「もうだめ・・・歩けない。」
「おいこら!お前が言い出したんだぞ!」
スクラロ島南部。夜間にデッドリーオルカにしがみついてこそっと上陸した大召喚士と魔王の二人は近くの洞窟で朝まで爆睡した後に徒歩で北上を開始していた。
「フェンリルでいいじゃんか。もう足が痛いもん。」
「まだ3キロくらいしか歩いてねえよ!お前がいなけりゃこんなの3分だぞ!?」
「じゃあ、おんぶー。」
「・・・いいのか?」
「いや、絶対乗り心地悪いからやめとく。むしろもうちょっと小さい召喚獣ならばれにくいからいいよね?」
フェンリルは大人2人でも十分に乗れる大きさであるために隠密には向かない。他に移動用に使用している召喚獣はワイバーンやウインドドラゴンであるためにこちらも論外だ。
「いでよ!」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
「このインセクト・キラービーならば大きさ的には・・・。」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
「うるさいわ!はやく還せ!さすがに見つかるだろうが!」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
「え?なんだって?聞こえな・・・。」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
「このぉ!次元斬!」
両断されて強制送還される哀れインセクト・キラービー。
「あぁ!貴様、うちの子になるをする!」
「うるっさいわ!隠密の意味分かってんのか?」
スクラロ島の集落からはるか南でこのようなやり取りがされているなどとは誰も思わず。そしてさらに北に建設中である世界樹の塔の付近までまだまだ距離がある事に2人は気づいていない。
「ちぃ、仕方ない。では、ファイアドレイク2体召喚!」
炎のトカゲが2匹召喚される。
「こいつらをローラースケートのように履いていけば自動で移動する事が・・・。」
そして火のトカゲに紐を取り付けて靴のように履こうとするが、無論、足の裏が焦げてじゅっと音がする。紐も焼けている。
「あっつい!!」
金属製のブーツを脱ぎ捨てて、足の裏を抱えて地面を転げまくる大召喚士。となりでは魔王があきれ顔で立っている。
「・・・お前、本当は馬鹿なんだろ?」
結局、夜間にフェンリルで移動すれば早いし気づかれにくいという事に2人が気付くまでに数時間かかった。
同時進行で話を書くのも大変ですな。
シウバ達と、ハルキ達と、セーラ達と、エリナ達と、ヨーレン&レイラと、アレク&クロノスと、ナトリと、それに・・・アト誰ガイタッケナ?
マ?
マのつくキャラなんていたか?




