2-1 堕天神
あなたー!大丈夫なのー?来週は仕事が忙しくなるんでしょ?執筆の時間なんてとれないんじゃないのー?
え?この前朝5時に投稿しなくても午前中のアクセス数があんまり変わらなかったって?
そんなのたまたまよー!むしろついに1日のユニーク数がブックマークを下回るのが当たり前になる珍現象が起こってるから、気をつけるのよー!
え?昔からついてきてくれてた読者がブックマークだけつけてて離れていってるんじゃないかって?確かに、いまだに誰もレビューすら書いてくれないわね・・・。でも大丈夫よー!大切なのはアクセス数上げる努力をしたっていう事実であって、結果を求められてるわけぢゃないわー!どうせアクセス数上がってもメンタルやられる感想が来るようになるだけよー!
え?慰めになってないって?
僕は神だった。
神とは文字通りの神だ。この世界の創造神であり、なんでもできる存在だったんだ。もともといた世界でも、自分で言うのもなんだが優秀だったし、その・・・モテた。それで、この度、僕は自分を保つ事ができなくて先生や哲也に負けたらしいんだけど、人格を復元したら精神も安定したみたいなんだ。
状況を分析した僕は、前回のリベンジを兼ねて先生や哲也たちと戦う事にした。ついでにオリジナルへの嫌がらせを兼ねてちょっと世界を滅ぼそうかと思ってたんだ。でも、もうやめにしようと思う。コンソールができない僕はレベルはめちゃ高いしスキルもアホほど持ってるけど、要は人間になっちゃったって事なんだ。最初にこれに気づいた時は本当に先生と哲也を恨んだよ。でも、今では先生と哲也に感謝してる。こんな気持ちは1万年ぶりだよ。僕が人間になったのは運命だったんだ。
「何故なら君に出会えたからね!」
「はぁ?どうでもいいですけどぉ、なんで私のスキル使えなくなってんですかぁ?」
「ふふふ、君のスキル「ワープ」は僕のスキル「スキルブレイカー」で封じさせてもらったよ。いやあ、「ワープ」なんて何千年ぶりに見たよ!すごいね!さすがだよ!あ、ちなみに僕も「ワープ」使えるから心配しなくていいよ。」
「意味分かんないぃ。私あなたをここに置き去りにしてくるつもりだったんですけどぉ。それに、あなたスクラロ族じゃなかったんですかぁ?もしかして純人?」
ははは、女子との会話がこんなに楽しかったなんて。いや、これは彼女が相手だからかな?そうに違いないね!
「そうだよ、君と同じ純人の設定だ。これは運命だね。」
「違うと思いますけどぉ。」
「いや、運命だよ。僕はまるで君に魔法をかけられたかのようにビビってきたんだ。ちょっと古くさい表現だけど、本当にその表現しかありえない、つまりは運命を感じたんだ!」
「いや、それパラライジーズ・・・。」
「世界がこんなにも素晴らしいものだなんて初めて知ったよ!この世の全てに感謝とか、昔は胡散臭いなと思ってたけど、今なら僕も分かるね!ありがとう!」
「・・・・・・。」
彼女も感激してくれてるんだろう。そうだ!
「まだ名前を聞いてなかった。ごめんね、僕は・・・。」
待てよ、ヨシヒロ神は僕が神だった頃の名前だ。生まれ変わった僕にはふさわしくないかもしれない。
「僕の事はヨッシーと呼んでくれてもいいよ!」
「はぁ。」
「君の名前はなんて言うんだい?」
「エリナですぅ。」
「エリナ!なんて素晴らしい名前なんだ!神に感謝したくなる。あ、神は僕だった。」
「・・・・・・。」
ところでここは何処だろうか。
「あ、あんな所にエルダードラゴンが飛んでいる。という事は最果ての南の大陸かな?人間界にいたら、あいつ完全に天災級の魔物だしね。ここには来た事あるの?」
「ないですぅ。できるだけ遠くにワープしようと思ったんでぇ。」
「じゃあ、気を付けたほうがいいね。ここはレベル200以下の魔物は存在しないから。むしろヴァレンタイン大陸帰る?クラブハウスサンドのおいしい店がシルフィードにあるんだ。ちょっと寄ってかない?」
「遠慮しときますぅ。だいたい、なんなんですか?あなた。ナトリ=スクラロの子分じゃなかったんですかぁ?」
「違うよ、彼は僕の友達さ。同じく世界を滅ぼそうと頑張ってた仲間さ!でも、もう 僕は世界を滅ぼそうだなんて思わないよ!なぜならこの世界にはエリナがいるからね!」
「なんとなくですけどぉ、ヨッシーさん?は放っといたらダメな人なのは分かりました。それで、これからどうするんですかぁ?私帰りたいんですけどぉ。」
「さん付けはよしてよ!僕とエリナの仲じゃないか!とりあえず今後の事を話し合わないか?エルライトに旨いポークのソテーを出してくれる店を知ってるんだ。ついでにそこは宿もやってるからお酒飲んで泊まっていく?」
「はいはい、分かりましたぁ。とりあえず部屋は別ですよぉ。」
「・・・まあ、最初は仕方ないよね!」
こうして僕とエリナの甘い生活が始るんだね!神に感謝を!って、神は僕だったから、世界に感謝だね!
と、さっきまで思ってたのにここは何処だろうか?あ、エルライトの宿だ。昨日はエリナと2人でここでポークチャップ食べておいしいねって言って、エリナがワインを勧めてくれたから飲んでて・・・。で、寝ちゃったのかな?僕はあまりお酒は強くないしね。
「お、兄ちゃんようやく起きたか。」
おや、店の主人だ。おはようございます、今日も世界は輝いてますね。頭がガンガンするけど。
「これ、伝言預かってるよ。お連れの女の子から。」
え?エリナからの伝言?おかしいな、これから一緒に暮らすって話だったのに。エリナはどこに行ったんだろうか?どれどれ?
『ごちそうさまでした。世界は滅ぼさないって約束しましたからね!じゃ、またどこかで。 エリナ』
「・・・・・・。」
「兄ちゃん、振られたか、どんまい。」
「・・・・・・マジで?」
「まあ、落ち込むなって。そうだ、俺の新作食わせてやるよ。レッドボアで作ったベーコンサンドだ。二日酔いでも旨いはずだぜ!」
「・・・・・・もぐもぐ、ご主人・・・塩が効き過ぎです。」
「泣くなって。そのうち、いい事あるさ。」
「・・・・・・ご主人・・・。」
なぁーんて、こんな事でへこたれるなら1万年も精神が持つかっての!僕はそう簡単には諦めないよ!
「エリナの所へワープ!その前に魔装!」
「きゃー!出たぁー!」
びっくりするエリナの顔もかわいく見える。ここはエルライトの郊外かな?
「ふははは!私の名前は・・・。」
どうしようか?僕がヨッシーだとばれないようにするためには全然関係ない名前を名乗らないといけないよね。コンソールがあった時は他の人間になるのもあっという間だったのに不便な世の中になったもんだ。誰だ、コンソール封印したのは?僕か?いや、オリジナルの僕だ!つまり僕か。
「私の名前はサイトウ仮面だ!」
すまん哲也。苗字を借りる。でも、お前は今ヒノモトを名乗ってるから斉藤はいらないよね。僕が有効に使ってやろう。有難く感謝するがいい。
「・・・ヨッシーさんですよね?」
「違う!サイトウ仮面だ!私は君を守るのが使命だ!」
「はぁ、つまりは逃げられないって事ですかぁ?これじゃ皆の所に帰るわけにいかないですぅ。」
「はっはっは、私が来たからには逃げる必要なんてないよ!全ての障害は私が排除してやろう!ちょっと二日酔いで頭が痛いけど。」
「・・・作戦変更が必要ですぅ。とりあえず、ヨッシーさん、その恰好やめてもらっていいですかぁ?隣に立たれると恥ずかしいんで。」
「むぅ!何故バレたんだ!?」
解せぬ。
「これじゃ、皆の所には連れて行けないし、でもシウバ様もマジェっちも他の皆も心配してるよねぇ?どうしよっかなぁ。」
「ふふふ、何かお困りかい?僕に解決できる事なら何でもしてあげるよ!ちなみにだいたいの事なら僕は解決できる自信があるんだ!」
「あなたの事なんですけどぉ、はぁ。なんとか連絡取らないとダメですよねぇ。」
考え事してるエリナもいいね!
精神安定とは・・・でっていう!




