表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/169

1-4 災厄の種と希望の男

おはこんにちばんわ!麵樽折男です。


投稿時間検討中ですが、すぐには結論は出さない予定ですので当分は朝5時のままです。

いろいろとご意見を頂いておりましてありがとうございます。

引き続き、ご意見をいただけたら嬉しい限りですね。


「以前は討ち損ねたからな。ここで罪を償わせてくれよう。」

 ナトリ=スクラロが両刃の斧を召喚する。着ている鎧は以前とは違ってシンプルな物だ。だが、性能は上がっていそうな感じがする。

「ビューリングさん。奴はテツヤ=ヒノモト様を一度打ち破ってる。この3人で勝てるか分からない。」

「しかし世界樹が!」

 そうだ。こいつらは何をしに来たのかが分からない。ただ、このタイミングでここにいるという事は世界樹の実が目的の可能性が非常に高い。

「おい、ナトリ。俺とアレクがこいつらの相手をしてやっから、お前とレイラはあのでっかい実を運んじまえよ。魔装!」

 ヨーレンが前に出る。そしてその手には巨大な矛が召喚された。ついでに周囲に3頭のフェンリルも召喚されている。

「おい、お前が仕切るな。」

 アレクも魔装で2本の剣を召喚した。あまり長さがあるわけではない。


「ヨーレン!ハルキ様を裏切るとはどういう事だ!」

「うるせえシウバ!こっちにゃ、こっちの事情っつーのがあるんだよ!」

「ついに毛根と共に忠誠心も抜け落ちたか!」

「貴様ぁ!なんて事を!」

 こいつも許さん!絶対に捕まえて残りの毛髪も抜いてやる。


「世界樹の実が目的か!?させん!」

 ビューリングさんが斬りかかる。それをヨーレンが受けた。

「悪ぃな。」

 レイクサイド獣人騎士団を率いるビューリング=ブックヤードは設立当初こそ騎士団長のガウに及ばなかったが、現在では獣人族最強と言われている。よくフランさんやテツヤ様もここに訓練に訪れると言われており、純粋な剣の使い方ではかなりのものだ。だが、その「獣王」ビューリング=ブックヤードの剣技を受け止め尚且つはじき返す事ができるのがレイクサイド召喚騎士団第5部隊副隊長「神と髪にに見放されし男」ヨーレンである。ヨーレンのくせに。

「ビューリング、悪い事は言わねえ。怪我しないうちに引っ込んでな!」

「貴様!!」

 壮絶な撃ち合いが始まる。

「ヨーレン!」

 俺はドーピングを開始した。補助魔法も少しずつかけていく。

「ケルビム!」

 ユーナの召喚したケルビムがナトリ=スクラロへと向かう。

「以前は撤退時の殿であったために後れを取ったが、今回は違うぞ虫けらがぁぁ!!」

「おっと、だから俺だと言っている。」

 そのケルビムをアレクが防ぐ。ケルビムの剣を紙一重で受け流しながらたまに反撃ができるなんてアレクはあそこまでに強かったのか?


「さて、では我らはこの実を採ってしまうとするか。」

 ナトリ=スクラロの斧が世界樹の枝を切ろうとする。さあ、どうするか。このままでは世界樹の実は強奪されてしまう。だが、ここにはユーナもいるしビューリングさんや世界樹の村の人間もいる。世界樹の実をあえてくれてやる事で皆の安全を確保するというのも手だ。ここにはユーナもいるし。

 しかし、こいつらが何でレイクサイド領を裏切っているのかが理解できない。それにエリナの事もまだ答えてもらってない。・・・ナトリ=スクラロか。この魔装の鎧に一撃入れられるならば戦えるんだけどな。魔装の鎧。魔装・・・。


「まだエリナの事について答えてもらってないな!!」

 マジックアップ状態でのオフェンスアップでまずは剣撃に風の破壊魔法を乗せて剣舞で飛ばす。これはナトリ=スクラロだけではなく他の3人にも同時にだ。思考加速があれば制御は特に問題ない。

「ごふっ!」

「くっ!」

 アレクは避けた。ナトリとレイラは迎撃したようだ。完全にビューリングさんと戦っていてよそ見をしていたヨーレンだけが直撃を喰らう。あいつにはダメージが通るみたいだな。俺の攻撃力も上がっているのかもしれない。それであったらナトリ=スクラロの鎧の継ぎ目くらいには攻撃が通る可能性が高い。ヨーレンは体勢が崩れたためにビューリングさんに押され始める。これならいけるかもしれない。


「エリナの事を教えてもらうまでは帰すわけにはいかない!」

 まず。殲滅なんて考えてない。特に仲間だった奴らを殺すなんて論外だ。ただ、動きは封じさせてもらう。そしてナトリには遠慮はいらないな。隣ではフェンリル騎乗したユーナがケルビムとともにアレクに斬りかかっている。殺しちゃだめだからね。

「小僧!!」

 ナトリ=スクラロがこちらへ斬りかかってきた。とりあえず標的が俺に向かっていれば世界樹は大丈夫だろう。あの太い枝はナトリかヨーレンでなければ切り落とせそうにない。

「エリナはどこだ!」

「あの小娘ならば死んだ!」

「嘘をつくなぁ!」

 嘘と思いながらも体中の血液が逆流するのを感じる。頭に血が上るとはこの事か。コイツヲコロス!!

「神の御業を盗むという事がどういう事か教えてやる!」

 ナトリの両刃の斧が俺に迫る。そしてその周囲には衝撃波が発生していた。前回はこれになす術もなかったが、今回は何をやってくるかが分かっている。まずは衝撃波の範囲の外に出る必要があるな。俺は斧を大きく避けて上に跳躍した。

「上空に逃げても的として狙いやすいだけだ!」

 ナトリも跳躍する。斧が俺に迫る。

「魔装!」

 俺は斧の目の前に魔装で大きな塊を召喚した。装備品ではなくただの塊であるためにイメージしやすい。ナトリの斧はその塊に食い込んだが、両断はできなかったようだ。そして形を維持できなくなった塊は強制送還される。

「小賢しいわ!」

 そして落ちてくる俺をもう一度斧で斬ろうとしたのだろう。だが、俺はそこにはいない。

「どこにっ!?」

 完全に背後に回った俺はナトリ=スクラロの鎧の継ぎ目であるアキレス腱に剣舞を叩き込んだ。両足の腱を斬られてその場にうずくまるナトリ。

「うぐっ、何故だ!?」


「ナトリ!」

 その時になってレイラの召喚した黒騎士3体が俺に斬りかかってくる。だが、こんな物では俺は止められない。邪魔だ!

「剣舞!」

 一瞬で強制送還される黒騎士たち。だが、その間にレイラの召喚したフェンリルがナトリを抱えて距離を取った。

「ナトリ!シウバは魔装で足場を作ったのよ。それであなたの背後に飛んだんだわ。」

 さすがに傍から見てたらばれるか。しかし、ナトリ=スクラロを殺すのは今しかないのではないか?

「逃がさない。」

 補助魔法をさらに重ね掛けする。ある程度までしか効果はないが、持続時間が増えるために戦闘中に掛けなおす手間が省けるのだ。そしてドーピング薬をあおる。


「ここでやられる訳にはいかないのよね。遊んでないで始めからこうしてれば良かったかしら?」

 そういうとレイラは召喚を行った。

「ウインドドラゴン!!」

「なにっ!?」

 召喚された風竜が暴風を作り出す。レイラを乗せた風竜は世界樹の実を枝ごともぎ取ると上空へと舞い上がった。

「じゃあね!」

「待てぇ!」

 ワイバーンを召喚するが速度ではウインドドラゴンには追い付けない。

「我らも行くぞ。」

 アレクがワイバーンを召喚し、途中でナトリを拾う。

「あっ、待って!」

 ユーナもワイバーンを召喚して追おうとするが、アレクの召喚したもう1頭のワイバーンに阻まれてしまった。

「じゃあまたな!」

 レイラを追っかけていた俺のワイバーンを後ろからあっという間にヨーレンのワイバーンが追い抜いていく。さすがに第5部隊だ。追い抜きざまに体当たりをしてくる所なんて空中戦に慣れていなければできない芸当である。体勢を崩した俺のワイバーンの速度はかなり落ちてしまい、アレクのワイバーンですら距離が離れてしまった。しかもそのアレクとナトリは途中からレイラのウインドドラゴンが回収した。



 逃げられてしまった。世界樹の実も強奪された。エリナの事も・・・。



 だが、希望がないわけではない。ワイバーンに体当たりしてきたハゲがこんな物を鞍に挟んでいきやがった。それは布切れだったが、何か書いてある。

「4日後「奈落」で待つ。エリナは生きている。信用できる奴がまだ分からない。ハルキ様も含めて他の誰にも言うな。」


 お、俺はお前を信じてたぜ!ヨーレン!


ヨーーーーレェーーーーーンーーーー!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ