1-3 災厄の黒鎧
おはこんにちばんわ!オレオです。
活動報告見てくれてる人もそうでない人もいつもお読みいただきありがとうございます。
さてさて、投稿時間の事で皆様に相談中でありますが、まだ2人しか意見をいただいておりません。
常連さんの数百人のうち、2人の意見を参考にしてもいいのでしょうか?
それとも沈黙は何時投稿でもよいという意思表示なのでしょうか?
まだまだ変更するまでに時間かけるつもりなんで参考までにご意見いただけると嬉しいです。
(この前書きは投稿時間が決定され次第消去される予定です。って書いてたけどすっかり忘れてました!まあ、放置でいいよね!こんな事で悩んでた時期もあるよって感じです!)
前回のあらすじ?え?やるんですか?いらないですよね?
淡い赤色の葉が生い茂る中に突き出た枝の先には七色に輝く花が一つだけあった。世界樹の大きさからすれば比率的に小さい花なのかもしれないが、実際の大きさは人1人分くらいはありそうなほどに巨大である。
「世界樹が花をつけるなんて伝承はなかった。この葉の色の変化も花をつける前兆だったんだろうな。」
ビューリングさんが感慨深く言う。世界樹を守る者からすれば、花をつけたという事は嬉しい事なのかもしれない。
「それで、この花はどんな意味があるんでしょうか?」
「うむ、まだ全く分からんのだ。だが、花をつけたという事は・・・。」
ビューリングさんが指さした先は花の根元だった。やや膨らみが認められる。
「もしかしたら実が成るかもな!」
世界樹の実か・・・どんな味や効能があるんだろうか。きっと魔力に満ちた果実に違いない。
「いつ頃できそうですかね?」
「花が咲いたのが今朝だ。成長が速い。もしかしたら明日にも実がでかくなるかもしれんぞ。」
「でしたら、俺たちはとりあえず数日様子を見守ることにしましょう。」
俺たちは世界樹の村に滞在する事にした。
あれだけ綺麗な物を見た後であるが、俺もユーナもエリナがいなくなった事が気になっている。
「マジェスター、そろそろ出発したのかな?」
つい、ユーナもそんな事を言ってしまうようだ。
「うん、捜索隊の中には第2部隊の人達も沢山入ってるみたいだから大丈夫だよ。とりあえずはヴァレンタイン大陸を回ってみる班とレイクサイド領を重点的に回る班に分かれたみたいだ。」
「こっちで少し時間がとれそうだね!私、エリナ達が大森林で目撃されてないか聞いて来るよ!」
「あ、俺もついてく。」
俺たちは世界樹の村で聞き込みを始めた。村のどの場所にいても世界樹が見えた。
二日ほど滞在して失踪者の情報収集しながら世界樹についての調査も並行で行った。
「結局、どちらも何も分からず・・・。」
仕方ないのかもしれない。失踪に関しては大森林に失踪者が来ていなければ情報がないのも当たり前であるし、世界樹の花と果実に関しては前例がない。果実が実りきるのを待つだけである。
「世界樹の実って、種があるのかな?」
「確かに、言われてみればあってもおかしくないよね。」
世界樹の種か。こんな木がここ以外にも生えてたらどうなるんだろう。そもそも、世界樹ってここにしかないのだろうか。北の魔大陸の北東なんて誰も行ったことのない土地が広がってそうだし、西の大陸のさらに西も誰も行ったことがなさそうである。南には人の住めない大陸があるとかないとか。世界は不思議で満ちている。
「シウバ、世界樹の花が落ちそうだ。果実もかなりの大きさになってる。」
次の日、ビューリングさんがそう教えてくれた。今、村で問題になってるのが世界樹の果実を収穫するかどうかと収穫するならばいつの時期にするかという相談である。
「まあ、何にしろ世界樹に関して今のところは問題というべき問題はなさそうだね。」
レイクサイド領主館に判断を仰がねばならない事態にはなっていない。経過はビューリングさんたちが逐一行っている。このまま収穫まで様子を見て、任務は完了となりそうだ。
「今夜あたり果実の収穫ができるのではという意見もあるようだ。」
「収穫は?」
「明日の朝になるかな。」
世界樹の果実の研究はレイクサイド領から専門の農家と薬草師が来る事になっている。是非とも効能と味を知りたいところである。
「今夜は宴だ。今後も世界樹に果実がなるのであればそれが村の特産品になるかもな。」
「何百年に一度の可能性もありますよ。」
「はっはっは、それならば尚の事俺たちはその貴重な瞬間に立ち会えたわけだ。世界樹の守り手としてこれ以上の栄誉はない。」
「はは、どちらにしろ宴なんですね?」
「おっ、ようやく理解したか。」
ここは、いい場所である。エリナたちの事は心配であるが、今日は宴を楽しむ事にしようか。
しかし、宴が開かれる事はなかった。
「シウバ!気づいている?」
「うん。明らかにおかしいね。」
世界樹の村を取り巻く森の様子が変わる。
「静かすぎる・・・。」
ビューリングさんもその変化に気付いているようだ。不自然なほどに動物たちの気配がない。
「警戒を強めた方が良さそうですね。」
「ケルビム召喚!」
ユーナがケルビムを召喚する。クソ天使の口は悪いがこういう時に役に立ってくれる能力を持っているのだろう。
「主よ、なにやらあちらの大きな木に近づいていく集団がいますぞ。」
「何!?世界樹にか!」
「このくそ虫が、お前に教えたわけではな・・・。」
「行くよ!」
「だからお前らを連れてくるのは嫌だったんだ。」
「でも、私たちがやらかしたわけではないでしょう?あの子らが凄いのよ。知ってるでしょ?」
世界樹の近くには4人ほど人影があった。それぞれ黒い鎧の装備に身を包んでいる。
「ふん、俺だけだったらすでに終わってるはずだ。」
「へへ、1人じゃ持てねえくせによ。」
何やら少しだけ揉めているようである。声が人間のものと思えない。何かの魔道具で変化させているのだろうか?
「誰だお前らは!?世界樹に何の用だ!」
いきなりビューリングさんが「獣化」のスキルを使った。筋肉が肥大して体全体が大きくなる。しかし鎧はそうなってもよいように工夫されているらしく、形態が変化していた。
「ビューリングはいいとして、シウバには気をつけろよ。」
「この馬鹿が・・・。」
黒い鎧装備の1人が俺たちの名前を言う。
「貴様ら!俺たちを知っているのか!?」
獣化したビューリングさんを相手に物怖じしない。そして第6特殊部隊である俺を知っている。
「余計な事を喋りやがって・・・。」
「やっぱり、あんただけは連れてくるんじゃなかったわね。」
「げぇ!すまん!」
主に喋っているのは3人だ。だが、俺は後ろの大柄な1人が気になっていた。
「ユーナ、ケルビムでもちょっときついかもしれない。これ飲んでおいて、ワイバーンがすぐに召喚できるように。」
ユーナにマジックドーピング薬とMP回復ポーション(ユーナ仕様苦み少なめ)を渡す。こんな所に奴がいるとは思えないが、あの感じは忘れるわけがない。そしてその勘が当たっていたならば、むしろここから逃げるべきなのかもしれなかった。
「シウバ!ユーナ!こいつらは敵らしい。世界樹に何かされる前に黙らすぞ!」
「いや、ビューリングさん。ちょっと待って。」
最悪のシナリオが頭の中でぐるぐる回っている。こいつらを俺は知っている。
「なあ、アレク。エリナを知らないか?」
つい、口から出てしまった。
「アレク!?」
「アレクだと!?」
ユーナもビューリングも驚いている。だが、それだけではない。
「レイラでもヨーレンでもいい。エリナを知らないか?」
「レイラ!?ヨーレン!?」
3人ともに黒の兜までかぶっているために顔は見えない。だが、あの感じは俺の知ってる3人だ。
「ヨーレンのせいで完全にばれちゃってるじゃない!」
「うぅ、すまねえ。だけど普通はあれだけじゃ正体まではばれねえぞ?」
「ふむ、確かに。さすがは「邪王」か。」
この3人を相手にして勝てるかと言われるとどうだろうか。アレクはいけるとしてもレイラはユーナと同等という評価であるし、ヨーレンもなんだかんだ言って第5部隊の精鋭だ。そして、後ろの奴がヤバい。
「なんで、お前らがナトリ=スクラロと一緒に行動してるんだよ?」
「ふっ、神の御技を盗んだ貴様があの「邪王」だったとはな。」
ここまでピンチであるにも関わらず、俺はエリナの消息が分かるかもしれないという希望ばかりを考えていた。だが、希望というのはそうそう転がっているわけではないらしい。
本当はもうちょっと先まで書くつもりだったのに・・・。
書くと6000文字超えてしまいそうなのでこの辺で区切り。




