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1-2 災厄の花

「隊長!大変であります!」

「うむ!どうした?」

「我々生き返っております!」

「うむ!それはだな!奴の中ですでに前書きのネタが尽きておるのだ!故に仕方なく我々の再登場というわけだ!」

「下手に茶番に人気があった事を知ったからですか?何ともセコイやり方ですね!」

「その通りだ!本来であればこんな所にこんな物を書いておっては本文がきちんと読めないではないか!あらすじだ!あらすじを書かねばならん!」

「でも前回までのあらすじは途中から手を抜きまくってましたよ!そのうち泥酔事件とか本文に全く関係ない事を書くようになっちゃって・・・。」

「何ぃ!?それではいかん!あらすじだ!よし!ここは我々があらすじを紹介するぞ!さあ、やれ!」

「え?自分でありますか?では、僭越ながら・・・。」



前回までのあらすじ!!



作者メンタル再崩壊!


隊長が狙撃で被弾した! ← イマココ!


「・・・・・・。」

「・・・・・・。」


「ぶはぁぁ!!!あー、ようやく!・・・ふぅ、バックアップとっといて良かった。」


 王都ヴァレンタイン近郊。ここはかつてハルキ=レイクサイドとテツヤ=ヒノモトが邪神ヨシヒロを打ち破った場所である。近隣住民はそんな事は知らないが、その戦いの後には霊峰アダムスからここら一体までが凄惨な状態となっていたために、戦いがあった事は誰の目から見ても明らかであり、神を殺したとされるテツヤ=ヒノモトの力も周知されていたために彼は「神殺し」の二つ名をもらっている。だが、その詳細を知るのは当事者のみである。

「修復にこんなに時間かかるとは思わなかったよ。コンソール・精神安定。・・・あれ?癖でやっちゃったけど、あんまり変わらないね。システムごと復元したから精神状態も1万年前にもどったのかな?こんなんだったらもっと前に使っとけば良かったよ。・・・いや、これは違うな。コンソールコマンド自体が使えない?くそオリジナルめ。つまりは先生に負けてオリジナルが介入したって事か。なんで世界が崩壊してないかよく分からないけど。でも復元で精神状態が安定したのも確かみたいだ。」

 傍から見ると何を言っているのか分からない青年は王都ヴァレンタイン近郊の「土の中」から這い出してきている。それも裸の状態で。

「コンソールなしで、どうするかな。とりあえずは情報収集だろうなー。面白くなってきた。」

 彼は邪神であり、一人の青年であった。

「まあ、コンソールなんて無くても俺はいろいろできるように準備は整ってるしね。」

 奇しくも北の魔大陸では「エレメント平原の戦い」が行われている日であり、ハルキ=レイクサイドが神楽佳弘の復活を感じた瞬間である。何かしらの影響があったのだろう。ただし、彼らはお互いを認識する事はなかった。そして邪神は動き出す。

「魔装!これで、裸じゃなくなったね。」

 レベルにして500を超えるその男はそれまでの1万年を訓練などせずにただ日常生活を過ごすだけでこのレベルまで上昇させていた。そしてそのレベルでできる事は数多ある。召喚された服は黒で統一されていた。

「情報収集、そしてあいつらへのリベンジ。やる事たくさんだけど、今度は一人じゃ無理だろうね、コンソールないし。どうしよっかな。」



 エリナがいなくなったのは大森林に行く予定の前日の事だ。

「シウバ!やっぱり、どこ探してもいないよ!」

 朝からみんなで捜索しているが、何処にもいない。途中から徐々にマジェスターの様子がおかしくなってきている。フルフルと震えてるなんてマジェスターは見たことがない。

「大丈夫か、マジェスター?」

「シ、シウバ様・・・。申し訳ありません。」

 エリナの失踪でマジェスターがこれほどまでに精神をやられるなどとは思ってなかった。確かにエリナが心配なんだけど、そのうちひょっこりと戻ってくる可能性だってあるんだ。

「シウバ!ちょっと・・・。」

 ユーナに呼ばれてついていく。

「マジェスターはね、エリナに惚れてたんだよ!すでに4回振られてるけど。」

 4回?多すぎじゃないの?っていうか、全然気づかんかった。

「最近はマジェスターにしつこくならないように気を付けて!でも諦めないように!ってアドバイスしたら、エリナの方も、まあいいかな・・・って妥協し始めた所でもうちょっと!って所だったのに!」

「戦争の裏で何してたんだよ・・・。でも、そんな状態のエリナがいきなりいなくなるなんて・・・。」

「そう!きっと、なんかの事件に巻き込まれたんじゃない?」

 やばい、かなり心配になってきた・・・。


 そして失踪したのはエリナだけではなかった。

「第2部隊からはアレクが、第4部隊からはレイラがいなくなってます。他にも末端の部隊員にも数名失踪者が出てますね。これは何かの事件があったと考えた方がいいかもしれません。」

 レイクサイド領主館では各部隊長クラスまでが集められて緊急の対策会議が開かれた。俺も出席している。

「それぞれの共通点がいまいち分かりません。」

 ウォルター隊長の報告によると、あり得ない事も起こっているとか。レイラなどは失踪する直前まではいつも通りの行動が目撃されている。そして宿舎の自分の部屋に入ってから出てこなかった。どこから失踪したかが検討がつかない。そしてアレクに至っては諜報部隊をまとめているという事もあって機密情報の漏洩などにも注意を払わなければならないそうだ。

「しっかし、本当に共通点がねえ。どっちかっていうと実力はあるのにあんまり活躍しなさそうなやつばかり失踪しているな。」

 うちのエリナはいつも大活躍だけどな。

「俺の所ももう一人失踪したッス!ヨーレンが!」

 まじか・・・ヨーレンまで失踪するなんて・・・。

「これだけの規模が何も残さずに失踪するなんて、誰かが裏で何かしてるのでは?」

 第3部隊隊長のヒルダさんが聞く。

「誰かとは?」

 ピリピリしたハルキ様の威圧感はちょっと勘弁してほしい。

「・・・ヨシヒロ神。」

「神楽か・・・。」

 ヨシヒロ神は死んだはずでは?数年前にテツヤ様が殺したんだよね?

「あいつ、確かに殺しても死にそうにないもんな。・・・だが、どちらにせよまずは状況の把握だ。とりあえず捜索隊を組織しよう。」

 捜索隊・・・。

「あ、うちからマジェスター=ノートリオを加えてもらっていいですか?」

「ん?ああ、かまわん。というか、あいつが加わってくれるなら助かる。その代わり世界樹の調査は2人でいく事になるがいいか?」

「構いません。よろしくお願いします。」

 マジェスターにエリナを探しに行ってもらうなら俺も安心だし、あんな状態のマジェスターが任務なんてできるとは思えない。


「シウバ様、有難うございます。」

「いや、エリナをよろしくな。必ず見つけ出してくれ。」

「はっ、必ずや!」

 捜索隊に加わる事になってマジェスターは少し落ち着きを取り戻したようだ。皆がバラバラになるようで少し不安であるが、マジェスターがエリナを追ってくれるなら俺としても安心できる。こいつならきっとエリナを見つけてくれるに違いない。

「よし、じゃあこっちも早めに任務が終わるように頑張ろう。」

「そうだね!皆が大森林にいる可能性だってあるんだし!」

 ユーナと二人乗りのワイバーンで大森林へと向かう事になった。特殊部隊が設立して以来、2人での任務というのはあまりなかったために不安がよぎる。それにエリナが大丈夫なのかという事が2人の共通の想いだ。



 ユーナのワイバーンは速い。午前中には世界樹の村に到着した。

「色が・・・。」

 世界樹はその葉を赤く染めていた。普段は深い緑なのだという。

「シウバ!こっちだ!」

 1人の猫型獣人が手を振っている。彼はレイクサイド獣人騎士団を率いる獣人族の王「獣王」ビューリング=ブックヤードだ。何回か顔を合わせた事はある。

「そっちも大変な事になってるみたいだな。」

 通信型魔道具で状況は知っているのだろう。特に第6特殊部隊が2人のみで来る事も伝わっているようだ。

「ええ、まあ。それで、世界樹が赤くなってるんですけど。」

「それなんだが、もっとすごい事が起こってる。こっちから見てみろ。」

 ビューリングに連れられて世界樹の裏に回ってみる。


「・・・なんて神々しいというか、何というか。」

「だろ?」

「素敵!」


 世界樹から1本の枝が飛び出していた。そして、その先には光り輝く花が見えた。


「世界樹の花だ。」



 七色に輝くこの花が作り出した果実が、世界を滅ぼせるなんて、誰が考えるだろうか。


現在の投降時間は早朝5時となっておりますが・・・これでは新規の読者様獲得に良くないのではないかと検討中です。PCで新しい小説探す時間帯って、何時くらいなのかなぁ?

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