1-6 護衛者シウバ
どうも、腹黒オレオです。今日も更新いたしましたよ。もはやブックマーク自制運動も効果がなく、半分諦めモードのオレオです。くっ、このままではまたしても頑張れコメントの重圧に耐えられなくなるぞ!いいのか!?オレオピーンチ!
こうなれば「小説家になろう」以外の場で小説を書くという「小説家になろう」に対して恩を仇で返す最低人間になることも視野に入れねば!!他にどんなサイトがあるんだろうか・・・大手の出版社とかが経営してるサイトとか面白い小説乗ってそうだな。お、ここなら「小説家になろう」と同時掲載OKって書いてあるぞ。ふんふん。しっかりしたホームページじゃないか。
くふふ、こっちでひっそりと!!できなければあっちでこっそりと!!やると言うのも選択肢だな。どれどれ、できれば同じアカウントネームで活動している有名作家さんがいると迷惑になるからちゃんと検索しておこう。
「カク〇ム オレオ」っと。
・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃぁぁぁぁぁあああああ!!??
エルライト領北部の山脈。フラット領との境界に位置するこの山々はヴァレンタイン大陸の中ではそこまでの高さはなく、地図を見ると少し高いだけの山稜地帯である。西の王都ヴァレンタイン方面まで続くこの山脈には多くの資源と、もちろん魔物の発生も確認されており、いままで開発が入る事は少なかった。しかし、数年前に開通した王都ヴァレンタインから続く石畳の道路開発がフラット領からも開通したために、この山脈を貫く街道には多くの旅人と運搬業者が通るようになっている。
「という事で、運搬の護衛を募集しているらしい。ランクは問わないとの事だ。シウバ、やるか?」
「やりません。」
今日もエルライト冒険者ギルドは平常運転である。先日薬屋に薬草各種を売却する事に成功した俺の懐具合は意外にいい。わざわざ危険な任務に就くような必要なんざ感じていねえ。
「護衛くらいやれよ。絶対魔物がでてくるわけじゃねえし、お前一人ってわけでもねえんだからさ。」
「お断りいたします。」
「なんでえ。」
そう、俺は「拒否」ができる男になったのだ。まあ、それもこの受付おっさん相手に限定された事なんだけどな。ふふふ、それでも大きな一歩に違いない。NO!と言える男に、俺はなる!
「じゃあ、こっちの依頼だ。採石場の人夫募集、人が全く足りてねえ。力仕事だが、危険はそんなにないぞ。少なくとも魔物に襲われることはない。」
「え、いや・・・えっと。」
力仕事って言っても、俺あんまり力ねえよ?渾身の一撃をゴブリンに片手で受け止められる男よ?
「どちらかをやれ!お前がいつまでも薬草採取ばかりやってるから、レアな採取依頼以外はなくなっちまってんだよ。キュアリーフの価格が下落し始めてるんだぞ?」
「あ、あの・・・はい。じゃあ、」
結局押し切られてしまった。採石場か・・・重たい石なんて持った事ないし、事故とかあったら危険なんじゃないのか?まあ、最初は話を聞くだけって言うから行ってみようか。できそうになかったら帰り道に薬草採取しながら帰るとしよう。
まさか採石場に行くまでに馬車が用意してあるなんて・・・。集合場所がエルライトの町だったから不思議だったんだよね。こんな町中に採石場なんてあるわけなかったしさ。向かう先はエルライト北部の山の中みたいだ。ほとんどフラット領じゃねえか。馬車で半日って言ってたから、なにか急な用件でもあって人員の確保が必要になったのかな?事故じゃなかったらいいな・・・。
しかし、馬車なんて久しぶりに乗ったが半日も乗っていると尻は痛いわ体中はずきずきするわであんまり気持ちのいいもんじゃないね。それでもこの距離を半日ってんだからすげえわな。まあ、テトのワイバーンを知ってるとこんなもんただの動く箱にしか見えんけど。
同乗者は数名いたし、馬車ももう何台かあるようだ。ランクの高そうな人も多いよ。俺はあんまり他の人とは喋らずにずっと空気でいる事にした。
現場に着くと、そこにはかなりの人数がすでに作業をしていた。
「冒険者ギルドでの募集で来られた方はこちらに来てください。」
係りの人が皆を連れていく。総勢で20名くらいいるみたいだな。皆なんで完全武装できてるんだろうか。重たい物持つのに鎧着てちゃだめだろうにね。俺は宿に置いてきてなくなるのも嫌だし、軽装だったからつけてきてるけど、あの人なんて完全な重装だ。馬鹿なのか?
「Cランク以上の方はこっちです。それ以下の人はあちらの係り員の指示に従ってください。」
はーい。俺はこっちだな。あれ?それ以下の人って4人しかいないの?ランク高めの人が多かったんだね。
「よく来てくれました。ここの担当のオースティンと言います。」
優しそうな担当の騎士様だな・・・騎士様?なんでんだ?
「募集要項にも書いてありますが、現在この石切り場にはたまに魔物の襲撃があります。あなた方には工事現場を魔物から守ってもらうにあたり、手助けを・・・・」
おっさん!!??だましたな!何が危険は少ないだ!完全な護衛任務じゃねえか!あとでさんざん文句言ってやる!
「ランクの低い方は実際に働かれている人たちの周囲の護衛です。依頼料も減ってしまいますが、ランクが高い方々はこの回りの最も襲撃がありそうな場所を防衛してもらうのでご了承ください。」
おお!まだ危険が少ない所の護衛とな!ありがたい!あいつら強そうだったし、あの冒険者たちを抜いてきて初めて俺のところに魔物がやってくるという寸法だな。よし!
「それでは、こちらへどうぞ。」
石切り場には多くの人夫たちがいると思っていた。しかし、思ったよりも人が少ないぞ?
「あまり、人はいないんですね?」
「ああ、そうですね。今日は特に少ないです。理由はあれですよ。」
騎士様が指を刺したところには巨大な土の巨人がいた。切り出した石を運んでいる。それも両手に一つずつ持って運ぶためにかなりの速度で石は荷台に積み込まれていた。周囲には人夫に混じって、小さな土の妖精が無数に作業をしている。ノームだ!
「今日はジンビー様の依頼でレイクサイド召喚騎士団から第1部隊の方々が来られてます。作業がものすごい早くなりますのと、彼らの護衛が必要との事であなた方に来てもらったんですよ。」
レイクサイド召喚騎士団!すげえ!テトに続いて、またしても噂の最強軍団を見る事ができた!
「では、こちらです。」
「ミア=オーケストラ殿、護衛の冒険者を連れて参りました。彼らにこの周囲を見張ってもらいますので。」
「ああ、有難うございます、オースティン殿。ですが、我らは自分の身くらい守れますので、もし襲撃があるようでしたらお知らせください。」
「それは頼もしい。期待しております。では。」
オースティン様はそう言うと他の現場へと向かっていった。
「レイクサイド召喚騎士団第1部隊ミア班長、ミア=オーケストラです。護衛していただけるとの事、有難うございます。我々はここのテントにいますので、この周囲の見張りをお願いしますね。何かありましたら言ってください。」
めっちゃ美人・・・。レイクサイド召喚騎士団とはこんなにも美人が多いのか。以前テトを追っかけてた騎士様も美人だったしな。
しかし、護衛と言っても襲撃がなければ突っ立ってるだけだ。受付おっさんよ・・・もしかしてこの状況が分かってて俺に勧めてくれたのか?依頼料もかなりの物だったしな。そりゃ、こんだけのスピードで石切りが終わるんならかなりの儲けになるよな。レイクサイド召喚騎士団を呼び込むだけの事はあるぜ。召喚魔法ってすげえ。
レイクサイド召喚騎士団の連中はテントの中でお茶してる。召喚に魔力が必要で、作業は召喚獣がすると言っても傍からみるとさぼっているようにしか見えない。まあ、俺はテトと知り合いだから分かるんだけどね。しかし、なんで3人とも女騎士ばっかなんだ?
「ミア隊長~。フィリップ様はそろそろ成功しましたかしら?」
「そうね、リオンは完全に気づいてるから大丈夫でしょう。あとはフィリップ様が勇気を出すだけよ。」
「ヘテロ様はすぐだったのにね。」
「まあ、うちの主人はそういう事はすぐにやっちゃう人ですから。」
「きゃー、主人ですって!新婚さんはいいですねえ。ユーナかわいそう。」
「ユーナはうちの主人とは年齢が違いすぎますわ。他にいい人がいるでしょう。テト隊長とか。」
「フィリップ様もいつもはめちゃくちゃメンタル強いのに、リオンの事になると奥手だからねー。」
そんな事思いながら時間をつぶしていると1匹のワイバーンが石切り場に降りてきた。ミア=オーケストラ様が慌ててテントから出てくる。もしかして偉い人でもきたのかな?
「ミア!ついにフィリップがやらかしたぞ!」
「ハル・・・ジェイガン!もしや!」
「プロポーズ成功だってよ!急いで帰るぞ!今回の逃避行はこれで終了だ。魔物乱獲と引き換えにジンビーに依頼された量はあとどのくらいだ?」
「まだ2/3しか終わってません!ゴーレムもノームも少ないもので。」
「まあ、ミア班3人じゃ仕方ないか。召喚!急ごう!たまには俺も本気出すぞ!」
あれ?気づいたらゴーレムが4体になってるぞ?ノームも大量に増えてるな。すげえ勢いで石が切られていく。あ、あれ人かと思ってたら鉄でできた人形っぽいぞ?あれも召喚獣なのかな?やっぱ召喚魔法ってすごいのね。
「予定では明後日まででしたが、本日中に作業が終わってしまいました。レイクサイド召喚騎士団の方々は帰られるそうなので、護衛もこれで終了です。ありがとうございました。」
・・・3日間で銀貨3枚の好待遇が1日で終わってしまったから銀貨1枚か・・・。なんでだ?なんであんなに作業が早くなったんだ?おい?
ヘテロは手が速くできる男ッス。
それに私は恩を仇で返すような事は・・・しないッス。前科?聞こえない。




