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2-8 神の意志と神殺し

少量投下第1弾!


そして前回のあらすじ!


うちがやられたらお前らも困るだろ?


子離れしろよ?マザコンになるぞ?


うちの子はそんなじゃありません!!


そして脳筋軍団は東へ! ← イマココ!


 レブ島の探索の後にも俺たちはオーブリオン大陸の数か所を探索して回った。このオーブリオン大陸はヴァレンタイン大陸に比較すると魔物のレベルが高い。SSランクと思われるワータイガーがたくさん生息しているのも厄介であるが、他にも知らない魔物がいたりする。ティアマトが存在していたくらいなので、SSSランクに格付けされる魔物もいるのではないか?もともと住んでいたオーブリオン王国の人間たちは高い城壁を構築し、魔物が町の中に全く入れないようにして暮らしていたらしい。城壁を吹き飛ばせるような白虎みたいな存在はいなかったようであるが、移動には常に死の危険が伴っていた。大陸の大きさの割にはあまり発展しておらず、町が少ないのも魔物のせいだろう。

 ヴァレンタイン大陸でいう冒険者ギルドのようなものは存在していないらしい。騎士団が設立され魔物の討伐を行っていたようである。その騎士団が白虎で壊滅したのであるから、衰退はあっと言う間であった。


 廃都オーブリオン。昔はオーブリオン大陸最大の町であり、オーブリオン王国の首都であったが、白虎の襲撃ために現在は人が住んでいない。テツヤ一向はここを訪れていた。

「やっぱり、ここの町を復興するのが地理的にも一番いいか。」

人口の激減したオーブリオン大陸において、機能を保っている大都市はマルセインとリオレインくらいのものである。両者間だけで発展を促していくのであれば海路でつないでしまえばいいのであるが、将来的に北部も開発するつもりのヒノモト国としてはもともと中心地であったオーブリオンの町の再興が必要であった。大陸を数か所探索した結果が導き出した答えである。ヒノモト国の管理の元に魔物の駆除と移動の安全性の確立を行えば、中心部がもっとも交流しやすい場所であるのは明白だ。


「ここにあのニャンコがいたんだよ。」

天災級の魔物をニャンコ呼ばわりできるのは世界にもテツヤ=ヒノモトくらいだろう。すでに4匹ともこの世にはいないが、もっとも抵抗したのはシウバたちに討伐された青竜に違いない。朱雀も悲惨な最期を遂げた。玄武にいたっては人知れず食われていたために甲羅しか残らなかったという。絶大な力を持っていながらも最後はあっけないものである。


 オーブリオン大陸の再興計画は着々と進んでいる。多くのヒノモト国からの移民がリオレインの町に到着し、まずはリオレイン周辺に住みだしているらしい。ヒノモト国は島国であったために領土が狭く、特に農業などを行うに当たっては適してなかった。今回はヴァレンタイン王国に要請してエジンバラ領から選出された農業指導を行う人員を連れて来たようだ。リオレイン周辺に畑ができればそれをマルセインに船で運ぶ事も可能になる。もちろん、これから復興するオーブリオンまでの輸送の確立は絶対だ。



「テツ兄!本国から緊急連絡だって!」

シン=ヒノモトが魔道具を持って走ってくる。

「ヴァレンタインからの連絡だ。エレメント魔人国と限定的な同盟を結んでも良いかどうかを聞いてきている。まあ、前もって相談は受けていたからヒノモト国としては問題ないだろうな。こっちもオーブリオン大陸の再開発が忙しすぎて領土拡大してる暇なんて全くないし。」

「エレメント魔人国と正式に同盟を?」

「北の「邪国」を警戒してるんだろう。エレメントが盾になってくれるんならヴァレンタインやヒノモトまで奴らが来れないからというのが理由だろうな。」

北に「邪国」という変な名前の国があるらしい。そんな恥ずかしい名前をつけるなんてどう考えてもその魔王は変な奴に違いない。

「シン、ヴァレンタインに了承の旨を伝えておいてくれ。こちらから特に動く事はなくていいと思う。」

「わかった、テツ兄!」

シン=ヒノモトはオーブリオン大陸に上陸してからというもの働き詰めで疲労困憊だ。それほどこの大陸は大きく、ヒノモト国にとっては負担が大きいに違いない。だが、これを乗り切るとヒノモト国の国力は飛躍的に上昇する。そして、今の所それを妨げる者はいないのだ。自然と部下たちの士気があがっているのが分かる。

「さあて、リオレインやマルセインからも移民させよう。やはり、ここがこの大陸の中心部だ。」

廃墟となった首都、瓦礫の山が巨大な町に生まれ変わるのはいつの事になるのだろうか。


 問題がないわけでもない。

「北部にスクラロ王国の連中が出入りしているようなんだ。」

スクラロ王国というのは、トバン王国の南にあるスクラロ島に住む独自の文化を持つ民族の作った国である。もともとは王国という形をしておらず、各部族が細々と暮らしていた。それをエレメント魔人国が占領したのがきっかけだ。当時の大族長であった「祈祷者」ナトリ=スクラロは魔王アルキメデス=オクタビアヌスの力に屈する形で戦いを避け降伏したらしいが、その際にスクラロの民を侵略戦争に使わないという破格の条件を出したという。魔王がそれを了承した事から、ナトリ=スクラロの実力がかなりのものであるというのが推測されていた。魔王アルキメデスの死後に独立した新興国である。その実力は未知数だが、けっして侮れない。

「ナトリ=スクラロはレベル100を超えてるって噂だしな!」

ヒノモト国と衝突する事になった場合を想像してテツヤ=ヒノモトはほくそ笑む。



オーブリオン大陸の北部、トバン王国の南に位置するスクラロ島。ここには祈祷を生活に組み込んだ魔人族が住んでいる。民族の名前はスクラロであり、族長はスクラロの名を名乗る。

「南へ。神のお告げだ。」

スクラロの神の歴史は古い。祈祷を行う者の魔力を注ぐ神器が、答えを導いてくれると信じられている。

「「南へ!!」」

代々、男は上半身裸に近い恰好をしているスクラロ族は蛮人と言われる事も多かった。しかし、実際は補助魔法「ウォーム」や「クール」を子供のころから多用している魔力に優れた民族である。そして戦いに使う魔法は一風変わった物が用いられていた。

「魔装」

彼らの上半身が裸なのには理由がある。魔人族であるにも関わらず、召喚魔法と補助魔法を組み合わせた魔力を帯びた装備の召喚。それが彼らのスタイルであり、多民族には真似のできない独自の戦闘技術であった。


 魔王の名前は「祈祷者」ナトリ=スクラロ。スクラロの歴史上最強の呼び声も高いこの男は、先のエレメント魔人国魔王アルキメデス=オクタビアヌスとの力の差をはっきりと認識し、条件を突き付けて降伏するという合理性と冷静さを併せ持った英雄である。そしてその「祈祷者」がおこなう祈祷には民の全てが全幅の信頼を置いていると言ってもいい。

「そろそろ我らスクラロの民が表舞台へ出てもいいころだ。」

ナトリは神を見た事がある。神は純人の姿をしていた。古代から存在する神は魔人族が生まれる前からの存在であり、その姿は当たり前である。エレメントに降るように神託を受けた時もあった。故に「神殺し」を名乗る詐欺師は許せない。神が殺されるはずがないのだ。


「ヒノモトに神の鉄槌を!!」

スクラロの兵士たちが海を渡る。目的は「神殺し」の魔王の排除。相容れぬ相手を殲滅するのが神の意志である。



 そしてこの戦いにシウバたちも巻き込まれる事になる。まるで、彼を北へ近づけさせない神の意志が存在するかのように。


神の意志って言うか、作者の意志だけどな!


最近、主人公の影とヨーレンの頭が薄い・・・

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