2-3 同盟国の諸事情
大量投下第1弾!
前回までのあらすじ!
チキンソテーには赤ワインが合うらしい。ところで何の話だったっけ?
たまにはストレス発散しないとね! ← イマココ!
任務に出発する前に装備が一新された。一応はヴァレンタイン王国からの使者という扱いであるためにレイクサイド召喚騎士団の正装が与えられる事となったのだ。
「それに、今日から正式にレイクサイド召喚騎士団第6特殊部隊ね。部隊長はシウバ、今後とも存在は一応極秘扱いだから。理解した?」
「はい?」
俺が部隊長?意味分からん。
「は、ハルキ様、理解できませんけど。」
「前回の任務での功績を考慮しての人選だ。誰も文句言うまい。お前は自分の実力をもう少し認識したほうがいいな。」
この前まで俺を雑用係と思ってなかった?
「とにかく、行く前に正装もらってってね。」
「は、はい。」
という事で現在、俺はレイクサイド召喚騎士団の正装、つまりフルミスリル装備である。ついでにミスリルソードももらってしまった。少し長めである事に加えて非常に魔力が乗りやすいので使いやすさは抜群だろう。二刀流復活だ。今回の任務で不安な所もないわけではないが、ユーナを含めて5人での行動やこの正装をもらった事、そして第6特殊部隊部隊長という役職をもらったという事で心がちょっと浮わついてしまっている。それだけハルキ様に認められたという事が嬉しい。いつの間に心酔してしまっていたのだろうか。ともかく、ハルキ様のためにこの任務を頑張り、認めてくださった事に感謝するのだ。
「来たな!リア充がぁぁ!!爆発しろぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
前言撤回だ!!!いきなりテツヤ様のヴェノム・エクスプロージョンをくらいかけて感謝なんぞできるもんか!!
「だぁぁぁ、ちょっと!いきなりなんですか!?テツヤ様!」
「俺の故郷のしきたりだ!付き合い始めもしくは新婚の男は視界に入ったら爆発させる事になってるんだよ!!」
「テツ兄、そんなしきたりないよね・・・。」
後ろで呆れ顔なのがシン=ヒノモトか?テツヤ様に良く似ている。髪型が。
「ちょっとぉぉ!!!ええい、ぐびぐび・・・スピードアップ!」
ドーピングをしてからスピードアップで逃げる。しかしそれ以上にテツヤ様の足が速い!
「くらえ!次元斬!」
「オフェンスアップゥゥ!!」
魔力を通した左手の剣で次元斬を受け止める。しかしものすごい太刀筋を受け止めたことで足が地面にめり込んでいるのが分かる。これ、次元斬じゃなくても半端ない。魔力通してなかったら剣が折れているに違いない。
「ちょ、間に合わんかったら死んでたぞ!!」
「お前なら大丈夫だから爆発しろぉぉ!!」
「待てぇぇぇぇい!!ワイバーン召喚!!」
手持ちの魔道具でワイバーンを召喚する。これを使って召喚する事で召喚時から鞍を装着した状態でワイバーンに乗れるのだ。昔はこの魔道具がなかったというから簡易の鞍を作ったり、裸のまま首にしがみついたりといろいろ忙しかったらしい。ボガンボガンと空間が爆発していくのをワイバーンが紙一重で避けながら飛ぶ。マジで危ないから!
「やばい、テツヤ様のストレスが半端なかったみたいだ。」
道理でフランさんがこそこそしてたわけだ。フランさんでも次元斬を受ける事ができるのに!!俺に任務を押し付けたに違いない!
しかし、俺もこうなる事を推定してここに来ている!初撃はなんとかかわした!これからはこっちの番だ!ゆけ!我がしもべよ!
「オフェンスアップ!」
どこからともなく聞こえる声。
「なんだと!?」
これにはテツヤ様も驚いているに違いない?あれ?目が輝いているように見えるのは気のせいか?まあ、それでもいいだろう。目的はそこじゃない。
「シウバ様と戦いたければ私を倒してからにするんだな!!」
「お、お前は!?」
秘技、標的のなすりつけ!である。
「お前もいけるようになったのか!?嬉しいぞ!!マジェスター=ノートリオ!!」
「以前受けた屈辱!ここで返してくれようぞ!!覚悟ぉぉぉ!!!!」
「あー、テツ兄楽しそうだね。久しぶり、ユーナ。」
「お久しぶりです!シン様!先日はお出かけだったみたいで!」
「そうなんだよ、ちょっとオーブリオン大陸までね。その日までテツ兄と一緒だったんだけどさ。」
やや疲れ気味のシン=ヒノモト。そこに戦場を離脱した俺が加わる。
「やあ、君がシウバ?僕はシン=ヒノモト。二つ名はないよ。」
「はじめまして、レイクサイド召喚騎士団第6特殊部隊部隊長「剣舞」シウバです。」
「すごいね、あの状態のテツ兄の攻撃を避けきる人なんてハルキ様しか知らないよ。」
「ハルキ様と一緒にされても困りますが・・・。」
あの怪物と同じにされてはたまったもんじゃない。
「あ、シウバちょっとここにいてね。シン様、離れましょうか。」
「あ、うん!そうだね!じゃ、シウバ!がんばって!」
え?頑張るって何を・・・?あ、マジェスターがやられちゃってる。てことは・・・。
「次こそお前だぁぁぁぁぁぁ!!!!爆発しろぉぉぉぉおおおお!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁあああああ!!!」
「いやあ、いい汗かいた。ひさびさに本気で運動したぜ。」
・・・死ぬ、しぬ、シヌ、このままここにいたら殺される。
「せっかくこの前オーブリオン大陸に白虎がいるからって出張ったってのに、歯ごたえなさすぎだったからな。」
白虎って、あの白虎ですかね?天災級の。
「テツ兄、一撃で首刎ねるんだもん。白虎だろうが、その辺の猫だろうが一緒じゃん。」
意味が分からない。会話の意味が分からない。
「でもおかげでオーブリオンが降伏したよ。これからテツ兄と一緒にオーブリオン大陸の視察に出るんだ。同盟国のヴァレンタイン王国からも誰か同行してくれるように頼んだけど、予想以上に助かる人が来てくれて良かったよ。」
予想以上に助かる?
「あ、あの・・・それどういう意味でしょうか?」
「そりゃもちろん、テツ兄のストレス発散だよ!テツ兄はああ見えて優しいから、ストレスため込んでも部下に当たったりしないんだ。その分、爆発するとちょっと面倒な事になるから、定期的にヴァレンタインに行ってもらってストレス発散してもらってたんだけどね!シウバが来てくれたからこれで訓練の相手に困る事はないよ!さっきの凄かったよ!」
さらっととんでもない目的で同盟国に自国の魔王を送り込む理由をばらす魔王弟シン=ヒノモト。ちなみに二つ名は「笑顔の殺戮者」。本人はキライなので名乗らない。
「そうだシウバ!さすがは俺に勝った男だ!これまで俺が負けたのはハルキとフランだけだったが、お前で3人目だな!まあ、今回は俺の圧勝だったわけだが。」
「テツ兄!シウバは一撃ももらってないからいくら押してても勝ちではないよ!引き分けだ!」
「何ぃ!!?じゃあ、もう一度やるか!?」
「もう降参です。・・・勘弁して・・・。」
くそう、ユーナの前で恥かいたじゃねえか。
「さすがシウバ様ぁ!魔王にも負けないなんてすごぉい!!」
エリナがはしゃいでいる。しかし、あれは完全に負けだ。テツヤ様が手を抜いてないはずがない。本気で俺を殺しにかかるなんて事はない・・・違う・・・はずだ・・・多分。
「ぐっ、不覚!!次こそは!!」
マジェスターが悔しがっている。いいぞ、俺の代わりにテツヤ様の相手をしてやってくれ。なんならドーピングポーションをくれてやってもいいぞ。この前改良して身体強化と魔力強化が同時にできる新作がある。あれがあればテツヤ様とも戦えるかもしれない。
「あれが、「神殺し」の魔王テツヤ=ヒノモト様ですか。なんか同じ魔人族として胸が一杯になりますね。まさか、シウバ様があそこまで押されるなんて。でも、あの猛攻を避けきるシウバ様もすごいです。」
ナノが感動している。お前も早く俺の代わりができるようになってくれよ。
「シウバ!今日はテツヤ様がごちそうしてくれるって!ここの海産物は本当においしいよ!」
そしてユーナに癒される。
その日に出てきた料理は本当に美味しかった。明日からオーブリオン大陸へ向かう事になり、疲れ果てた俺は早めに寝る事とした。
急に世界情勢が複雑になります。
登場人物も増えるんで、ゆっくり読んでやってくださいな。
世界地図とかって、どうやってUPすりゃいいんかな?




