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2-2 王たちの食卓

前回のあらすじ!


白虎がおー!!


首ちょんぱ!


北に謎の新しい国が現れた!これは予想がつかないぜぇ!


・・・・・・。 ← イマココ!




ちなみにハルキ旗下八人衆にシルキットが入ってなかった事が発覚し、シウバ落選のお知らせ





「それで、「邪国」についてはこちらから第2部隊を出した。だが、遠いんで正確な情報が入ってくるのはだいぶ先になるぞ?」

レイクサイド領レイクサイド領主館。領主ハルキ=レイクサイドは親友と食事中である。その親友というのがこのヴァレンタイン王国の国王アイオライ=ヴァレンタインであり、これがよくある光景というのがやや常識から離れすぎているところであるが。

「ほう、今日のメインは怪鳥ロックか。わざわざ来た甲斐があった。それで、その「邪国」、どう対処するべきと考えているのだ?うむ、旨い。このソースは新作だな?」

何気ない会話の中に国の方針を入れてくるという離れ業が当たり前のようにされている。

「まだ、なんとも。情報を手に入れるまでは様子見ですね。」

「我らの大陸までその「邪国」がたどり着く可能性は?」

国の方針を語る場所に宰相がいないのはおかしい。という事で、なぜか宰相ジギル=シルフィードまで同じテーブルについている。他にはセーラ=レイクサイドとダガー=ローレンス、あとロージー=レイクサイドが子供用のプレートの上の肉にかじりついていた。

「今のエレメント魔人国であればどの国でも攻め落とせますから、その勢いでどこかが到達してしまうんじゃないかと思うんですけどね。今回は我々の部隊の功績でトバン王国とネイル国は退きましたが、次は補給部隊を厳重に守りながらやってくるでしょう。そうしたら、正面から叩くしかないのでこちらにも犠牲が出ます。その時に信用ならんエレメント魔人国と肩を並べて戦うのはどうかな、と思いますね。ただしエレメント魔人国が完全に滅亡しているまで指をくわえて見ているというのも馬鹿馬鹿しいですが。」

我々の部隊の功績という部分だけやけに強調して喋るレイクサイド領主。

「はははっ、そろそろ我々にも諜報部隊を数名融通してくれるとレイクサイド領の負担も少なくなると思うのだがな。あ、ワインのおかわりをくれ。エジンバラ産の4195年のヴィンテージがいい。」

「また一番高い部類の赤ワインを勝手に開けて・・・。まあ、それはシルフィード領で諜報部隊を育てれば良い話なんでお断りします。」

「ジギル!俺もそれ飲むぞ!」

「はい、アイオライ王。でもあんまり飲み過ぎないでくださいね。この前帰りのウインドドラゴンの上で吐いてたでしょ?」

ワインを注ぎながらセーラ=レイクサイドがばらす。現王を青ざめさせる事のできる唯一の人物が彼女だ。

「あっ、リオンがばらしたのか!?」

「スカイウォーカー領上空で良かった。ルイスには悪いけど。」

しれっと酷い事をいうレイクサイド領主。

「うぐぐ、それならば・・・。」

「アイオライ王。泊まりはダメですよ。明日の政務に支障が出ます。」

もはや夫婦漫才の領域のタイミングでダガー=ローレンスが王の提案がされる前に制圧する。

「はははっ、私は大丈夫なので泊まっていくとするか。今日中に仕事は全て終わらせてきたから、明日はゆっくりと帰る事としよう。」

「あ!ジギル!ずるいぞ!俺も泊まる!そして飲む!」

結局、泥酔したアイオライ王はジギル=シルフィードとともに一泊していく事になった。途中から国の方針とかどうでもよくなって飲んでいただけだった事に気付いていたのはセーラのみである。レイクサイド領主館にいたほうが王都ヴァレンタインよりも多くの情報が入ってくるために王の側近たちもあまり文句は言わない。すでになぜかアイオライ王の部屋と着替えがあるというのもおかしな話である。


「ハルキ様。テツヤ様からいただいた情報が正しければ、邪国と戦った場合にこっちの被害もかなりのものになりますね。」

部屋に帰ってからセーラ=レイクサイドは寝てしまったロージーをベッドに入れながら夫に尋ねる。正直、魔人国のための戦争なのに許容できない範囲の被害が出てしまうに違いない。なにせ、相手の将軍や遊撃部隊はテンペストウルフに乗っているというのだ。しかもそれ以外にも多くの魔物を従えている。魔人族自体も強靭な者が多いようだ。情報統制がきっちりしており、他国に流れない事を考えても国の基盤は盤石である。

「どうしよう、誰か死ぬのは嫌なんだよ。」

セーラの前ではヘタレ全開のハルキ。しかし、やる時はやる男である事を妻は知っている。

「あなたのためならば死をもいとわない人達がたくさんいます。」

「だからこそ死んで欲しくないんだ。生まれ故郷のせいかな。まだ人の死に慣れない。」

「いつも、全部自分で背負い込んじゃって・・・。」

「違うよ、皆が頑張ってくれてる。俺はいつも悩んでるだけだ。だけど、話が本当ならば戦わなきゃならないだろうね。」

その時が来ればヴァレンタイン王国は邪国との戦争を決意する。かの国が自国まで到達しない事を願って。



「シウバ、ヒノモト国へ向かってくれ。今度はユーナも一緒にだ。少しでもテツヤの知り合いが多い方がいいけど、今は北の事でみんな忙しいんだよ。」

ハルキ様に呼び出された俺はそんな命令を受ける。おかしい、皆忙しいから?俺らもこの前まで2つの意味での殺人スケジュールだったはずだけど。もちろん過労死と物理的な死という2つの意味でだ。

「まあ、ユーナも一緒なら・・・。」

テツヤ様の所へ行くというのに一抹の不安を感じるけど、ひさびさにユーナとともに行動ができる。新婚とはどういう意味なのだろうかと考える今日この頃だ。

「任務内容は大陸オーブリオンで我々ヴァレンタイン、特にレイクサイド領にとって有益となる情報を集めるという漠然としたものだけど、実際はテツヤが暇そうだから相手してやってくれってのが本音だ。恩を返すという意味でもな。」

テツヤ様が暇だから相手をする?さらに嫌な予感しかしねえ。

「あいつの次元斬受けられるんだろ?ご指名だ。」

やっぱりか!!?単なる訓練相手じゃねえか!命がいくらあっても足りんぞ!

「は、・・えと・・あの。」

「今日中に出発してくれ。あいつは大人だから国ではあんまりストレス発散になる事してないみたいなんだ。魔王がストレスため込むなんてどう考えても不吉すぎる。」



「と、言うわけでヒノモト国経由で大陸オーブリオンへと向かう事になりました。」

「そうなんだ!これで5人一緒にいられるね!」

そうだね、ユーナ!向こうについたら1人は次元斬で斬られていなくなるかもしれんけどね!

「大陸オーブリオンと言えばぁ、ヴァレンタインよりは若干小さいくらいの大きさでしたよねぇ。」

エリナにしてはよく知ってるな。しかし小さいといっても大陸。横断するには徒歩で1か月はかかるし、ワイバーンでも数日は必要だ。ウインドドラゴンなら1日かからないと思うけど。

「まずはヒノモトに向かおう。テツヤ様たちと合流してからヒノモト国の人達と一緒にオーブリオン大陸へ向かう。一応はヒノモト国魔王御一行に入れさせてもらうという形で同盟国のヴァレンタイン王国の使者というのが建前らしい。」

「建前ですかぁ?」

「本音はテツヤ様の訓練相手というかストレス発散相手が必要みたい・・・。」

「・・・なるほどぉ。武器に魔力通してないと次元斬で斬られちゃいますからねぇ。」

まあ、次元斬なくても瞬殺のレベルだと思うけどさ。テツヤ様がおもちゃを壊すような子供のような性格でない事を祈るばかりである。

「今日中に出発だって、魔力節約のためにもワイバーン3頭に別れて出発しよう。」


 いつもの乗り方で5人が3頭のワイバーンに乗り込む。ナノのワイバーンは俺が召喚した。最近マジェスターの召喚獣もそこそこの魔力が通るようになってきたために移動速度も問題なくなっている。ユーナのワイバーンには劣るけど。

「私だけだとヒノモト国までは1日かからないけど、シウバとマジェスターのワイバーンが一緒だったらレイル諸島で一泊必要ね!」

ほんと、申し訳ない。召喚魔法に関して召喚騎士団の方々には全く歯が立たないのである。



 そしてレイル諸島で一泊した俺たちは次の日の朝にヒノモト国ヒノモトの町へと到着した。俺たちがこの任務に就いたため、後の世界情勢を回避できるチャンスを失った事に気付いていたのは誰もいなかった。


おはこんにちばんわ!オレオです。


オレオが小説書き始めて2か月がたちますね。


前作114話、サイドストーリー7話 今作がこれで43話で164話ですか。かなり書きました。


こんなに続いた趣味は初めてじゃないかと思うほど飽きやすいオレオですけど、小説書いてると飲みに出ることも少なくなり貯金も貯まりますね。財布にも健康にもいい事です。運動はしなくなったけど。


色々と心境の変化もありますけど、読者の皆様に感謝というのは変わってません。特にここまで読んでくれるなんて人は大切にしたいですね。要望などあればガンバリマス。(ストーリー上の要望は受け付けられませんけどね)



ついに今作はオレオが最初(前作終了直前、もうハルキの話だとこれが一杯一杯だなと達観した時点)に考えていた状況まで来てしまいました。これからの予想はオレオにもできません。執筆速度が遅くなったらごめんなさい。


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