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1-4 筆頭召喚士の37連勝

前回までのあらすじ!


アレクの忘れ物が発覚


さあ、どうやってごまかそうか ← イマココ!

「総員戦闘態勢へ!第1位部隊はアイアンゴーレム召喚のため上空へ!第3部隊は空爆後に天使隊を召喚して攪乱しろ!」

レイクサイド召喚騎士団第1部隊および第3部隊の計35名がそれぞれワイバーンに乗って南より飛来する。迎撃に出たはずの怪鳥フェザーを操る魔人族の特殊部隊は彼らの指揮官の操るウインドドラゴンにすべて撃墜されてしまっていた。

「フィリップ様。あそこには今、シウバ達が潜入しているはずですよ。どうしますか?」

「ふん、あいつらなら空爆もなんとかするだろう。魔道具で空爆開始の知らせはしてある。自力で生き残るさ。」

「またしても「狂犬」に噛みつかれますよ?」

「その都度返り討ちだ。小型犬程度、どうにでもなる。よし、ヒルダ、作戦実行だ。」

「・・・はい、わかりました。」

まさか、上空でこんな会話がされているとは思わないレイクサイド騎士団特殊部隊。


「うぉぉぉいいい!!!いまから空爆!?離脱だ!離脱!ここにいたら死ぬぅぅ!!」

「急げナノ!シウバ様もこちらへ!」

「あ!なんか降ってきましたよぉ?」

「なんかじゃねぇ!!アイアンゴーレムだ!逃げるぞぉぉぉおおおおおおお!!」

「シウバ様!速く!」

 エレメント魔人国の北部に位置するネイル国。この国がエレメントに攻め入るにあたって、中継基地としての簡易の砦を築いていた。簡易と言っても数万人規模の軍隊の補給を完璧に行えるだけのものである。普通の砦と同等かそれ以上の規模を誇る。守備兵力は推定500名。


 エレメント魔人国帝都を包囲していたトバン王国、ネイル国同盟軍であったが、トバン王国の兵糧がほとんど焼失してしまい、さらにはネイル国将軍イレクトの暗殺にて混乱状態にあった。そこにさらにネイル国の補給を担う砦へ謎の召喚騎士団が奇襲をかけた。奇襲をかけられたネイル国としてはまず怪鳥フェザーによる空の迎撃を試みるも無残に敗退し、そして次の手を打つはずであったが、ここで指揮官を含めた砦の首脳部が完全に沈黙した。一般兵は届かぬ指令を待つためにその場で待機し、ワイバーンにより上空で召喚されたアイアンゴーレムが砦の内部に振ってくるのに対してなす術がなかったという。首脳部を暗殺したのはレイクサイド騎士団特殊部隊、アイアンゴーレムを召喚したのはレイクサイド召喚騎士団第1、第3部隊であった。


「殺ス!!」

「性懲りもなく吠えるか、「小型犬」マジェスター=ノートリオ。いまのところ俺の通算36勝0敗だぞ。」

「うおおおぉぉぉぉ!!!」

「ブラックナイツ!!」

「アイスストームゥゥl!!」

レイクサイド召喚騎士団の宿舎。砦を完膚なきまでに壊滅させたのちに東側の山脈の中に陣取っている。ワイバーンでもなければ到達するのも困難な場所である。そして特殊部隊「狂犬」マジェスター=ノートリオが筆頭召喚士フィリップにくってかかっている。

「だいたい、お前らあの程度じゃ死なないと思っていたが?事実、大丈夫だった。問題ない。」

「フィリィィィィプゥゥゥゥゥウウウ!!!」

大量の黒騎士にてこずるマジェスター。今回もダメそうだな。そして黒騎士どうにかしてもフィリップ様自身がマジェスターより強いからな。まあ、当分無理だろう。

「さすがに今回はフィリップ様も悪いですね。」

「「も」じゃないですよぉ。ヒルダさん。「が」だよぉ。死ぬかと思ったもん。」

「確かにそうねぇ。ごめんなさいね。止めたんだけど。」

もはや特殊部隊である事が召喚騎士団の面々にばればれである。しかし、まあ、今回のことはまじで死ぬかと思ったんで、いつもならマジェスターを止めるところだけど放っておくか。

「うがぁぁっぁぁ!!」

あ、マジェスターやられた。ナノ、回収しといて。


 これでトバン王国につづいてネイル国の補給もなくなった。あの大軍を維持するのは難しいだろう。帝都がまだ抗戦する元気さえあれば退却しか手はないはずだ。少数の召喚騎士と特殊部隊のみで両国の軍勢を退ける事ができる智謀は称賛に値する。そして発想もそうであるがここまでの部隊を揃えたというのもすごい事だ。レイクサイド領、いやハルキ=レイクサイド領主でなければ成し遂げられない事だろう。なにせ、こっちは数十人しかいない。

「これがハルキ様の本来の戦い方よ。昔はエレメントの大軍相手に全て殺すしかなかったけれど、とても心を痛めておられたわ。」

 召喚騎士団立ち上げからずっと一緒に戦ってきたヒルダさんがしみじみと言う。そうか、あの大英雄の大活躍は自分ではあまり納得のいかない物だったんだな。でも、ちょっと優しすぎないか?向こうはこっちを殺しにきてるんだ。殺さないなんてかなり力の差がなければできない事だ。あれ?なんか胸が痛い気がする。


「さあて、ここの戦場もなんとかなったし帰りますか。」

早くユーナの所に帰りたい。テトを呼んだ食事会も結局途中でお開きになっちゃったし、やり直したいところである。

「え?アレクがシウバたちはまだ仕事があるって言ってたわよ?」

「「は?」」



「と、言うわけで次は・・・。」

「ちょ!待って!次もあるの?帰れないの?もう当分帰ってないんだけどさ。」

「当たり前だろう。ハルキ様からの命令だぞ?ん?ハルキ様直属の特殊部隊隊長「剣舞」シウバ=リヒテンブルグ。」

「俺はリヒテンブルグは捨てたんだ。というより人使い荒い・・・。」

「ハルキ様に言え。直属だろ?直属。」

ん?アレク、お前・・・。

「もしかして直属ってのにやきもち焼いて・・・。」

「んなワケあるか!?私は第2部隊所属を誇りに思っている!」

本当か?ん?

「それより、今回の功績もかねてワイバーンの契約素材3人分だ。」

「おぉ!それはありがたい!サイクロプスから逃げる時にもワイバーンさえあればって思ってたんだ。」

「・・・・・・それは良かったな。で、次の任務が・・・。」

「うぐぅ・・・。」



「何故だぁぁぁぁ!!!!」

「シウバ様ぁ、諦めてさっさとやっちゃいましょうよぉ。これ終わったらヴァレンタイン大陸帰っていいって言ってたじゃないですかぁ。」

「うぉぉぉおおおおお!!ユーナァァァァァ!!!!!」

ワイバーンが北へ飛ぶ。トバン王国からの増援の阻止が任務だと言う。何故に4人で!?

「シウバ様が非常に評価されているようですね。」

「うるさい、ナノ!これは人使いが荒いと言うんだ!」

俺のワイバーンの後ろにはナノが乗っている。エリナの後ろにはフィリップ様にさんざんにやられて伸びているマジェスターが括りつけられていた。

「しかし、やはりワイバーンは快適です。俺も魔人族じゃなかったら召喚契約したかった。」

空を飛べるというのはすごい事だ。なにせ障害物もなければ上空からの破壊魔法はかなり有利である。一度シルキット団長の考案した訓練を見学したが、あれは半端なくやばい。攻撃される側とおもうとぞっとする。なにせ上空から多数の破壊魔法が降り注ぐのだ。文字通りのフレイムレインである。

「その分、交戦になったら任せたぞ。」

ワイバーンに乗りながらの攻撃は訓練が必要そうだ。魔力も持って行かれるために、2人1組で乗ったほうが効率がよいのである。操縦士と攻撃担当といったところか。

「あ!見えてきましたよぉ!」

あれがトバン王国からの増援部隊だろう。

「さて、やるか!おい、マジェスター起こせ。どうせ壊滅なんてさせられない。ナノは補給部隊めがけてフレイムレインだ。エリナとマジェスターは指揮官狙え。成功するかどうかはどうでもいい。所詮は嫌がらせだ。対空砲火と怪鳥フェザーの部隊には注意しろよ。」

「はぁーい!」

「了解です!」

「・・・おはようございます。」

「さくっと終わらせて!ユーナの所に帰るんだぁ!!」



 こうして俺たちは任務を終えて一旦ヴァレンタイン大陸へと帰った。新婚なのに数週間も会えないとかなんてブラックな領地だ!訴えてやる!

「ユーナ!帰ったよ!」

・・・・・・。あれ、誰もいない。

「あ、置手紙がありますねぇ。なになに、「任務でヒノモト国にいます ユーナ」ですってぇ。」


むかーしむかしにハルキの部下で8人すっごい人がいるって言ってたけど、部隊長5人に、フラン、ビューリング、でシウバ・・・のつもりだったのが、最近リオンだとかユーナだとかもすごい事になっててどうしようかと思う。だいたい、ヨーレンはどうすりゃいいんだ!?・・・「編集」で今から11人とかに変えてしまうか!?

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