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1-1 レイクサイド騎士団特殊部隊

第3部開始!


そして前回までのあらすじ!


山脈!山脈!山脈!山脈!結婚!


 レイクサイド騎士団には領主ハルキ=レイクサイド直属の特殊部隊がいるという。彼らは一般の騎士団にはできない事を任務の主体とし領主の政策を押し通すためには手段を選ばない。そしてその存在を知るものは上層部のみであり、普段の彼らは一般市民に化けて潜伏しているという。ここにその特殊部隊の人間がいる。


「つまりは何でも屋兼仕事ないから待機してるのも給料発生するし冒険者でもしてろよ係ってことかぁぁぁぁぁ!!!そして一般市民だから装備もよこさねえとは!?俺もミスリルの鎧着てみたかったのにぃぃ!!!」

レイクサイド騎士団特殊部隊隊長シウバが叫ぶ。

「シウバ様ぁ、私またグレートデビルブルのステーキが食べたいですぅ!これ受理しちゃいましょ!」

「お、おお。分かった。受けてきなさい。」

「純人は考える事が面白いっすね。」

「純人ではない、シウバ様とハルキ=レイクサイド様がだ。」

マジェスターがハルキ様を「様」付けで呼んでいる。役職というものは恐ろしいものだ。


「あぁ、ユーナに会いたい。」

「今日も家に帰ったら会えますよぉ!さあ、行きましょー!」

そして今日も魔物を狩りにいく。あれ?何も生活変わってなくね?


「あ、シウバ!」

「あ、テト!」

久しぶりにテトに再会したのはSランク依頼を達成して帰ってきた後だった。ギルドでばったり会う。

「結婚おめでとう!まさかシウバがユーナと結婚するなんて思わなかったよ。」

「あ、ありがとう。ところでテトは・・・あれ?リリスちゃんは?」

「リリス?最近ようやくいう事聞いてくれて送還に応じてくれるようになったんだよ。・・・いろいろやられてるけど。」

・・・・・・あまり詳しく聞かないほうがいいみたいだな。

「テトはどうしてここに?」

「あ、僕は魔石の収集をしてた部下を見張りにきたんだ。いまだに帰って来ないからちょっと気合いれてやろうと思って。」

「で・・・その依頼の束が・・・。」

「うん、あいつら1週間くらいで達成できるかなぁ?」

・・・・・・どうみてもAランクとSランク中心に15個以上の木簡を持ってるけど・・・。まあ、いいや。

「そうだ、テトも今夜うちにご飯食べにこないか?グレートデビルブル仕留めたんだ。」

「本当!?行くよ!ユーナもいるんでしょ?」

「いるよ、たぶん。うちの連中も紹介するよ。」

「じゃあ、後でね!」

楽しみが増えた。


 テトとは昔エルライト領で冒険者をしている時に出会った。町の通りに落ちてた銅貨を拾いにいった時にぶつかったのが最初だったっけ?あの銅貨は結局見つけられなかったけど、他にもっと大切な物が一杯みつかった。あれから考えると、本当に成長できたなと思う。まさか自分がSランクの魔物を狩って帰る人間になれるだなんて。

「「深紅の後継者」テト隊長ですねぇ!まさかシウバ様が知り合いだったなんてぇ!」

「ちょっと依頼で一緒に同行しただけなんだけど、その時に作った料理が気に入られちゃってね。」

「さすがシウバ様!」

いまだに君らは料理ができないもんね。特にエリナ。

「うぅ、まさかシウバ様に料理をさせる事になるなんて・・・。」

ナノよ、お前はまだ見込みがある。頑張れ。でも、まだだめだから今日は俺が作るよ。


「シウバー!来たよー!」

先にテトがやってきた。まだユーナ帰って来てない。

「いらっしゃい、テト。紹介するよ。マジェスターにエリナにナノだ。皆、俺の・・・か、家族だ。」

「なんで照れてんだよ。レイクサイド召喚騎士団第4部隊隊長「深紅の後継者」テトだ。よろしくね。」

「さ、さあ入ってくれ。ユーナまだ帰って来てないけど。」

「あ、そうなんだ。何かあったのかな?」

何もなけりゃいいんだけどね。心配になってきた。



 その頃レイクサイド領主館では・・・。

「おいおい、どういう事だ?エレメントが?」

「はい。エレメント帝国が北と北東からの同時侵攻をうけて大敗しました。すでに帝都の近くまで軍勢が迫っているようです。」

ハルキ=レイクサイドはヒノモト国の使者ラミィ=ヒノモトと面会していた。

「第2部隊を何名かエレメントへ向かわせろ。情報が欲しい。・・・あと、シウバたちにもついて行ってもらえ。第2部隊だけじゃ戦力が心許ない。ヨーレン、すぐに手配を!」

「はっ!」

「ユーナ、悪いがラミィさんをヒノモト国まで早急に送り届けてくれ。」

「はい、分かりました!」

「場合によってはエレメント魔人国を救う必要があるな・・・。」

不可侵条約を結んだエレメント魔人国と、それを滅ぼした後の魔人族の国では危険度が雲泥の差だった。

「王都へ向かう!アイオライの意見も聞かねばならんからな!一応、あいつが王だし・・・。」

「・・・ハルキ様・・・。」



「と、いうわけで私はラミィさんをヒノモト国まで送って来るよ。シウバたちも頑張ってね!」

「・・・ついに仕事か。」

しかし、ユーナと離れ離れはヤダナ。断るか。

「拒否権はないから!」

「う、うん。」

さすがは奥さん。俺の想いが伝わったらしい。

「顔に書いてあるよ!」

「・・・・・・シウバも大変だね。」

「・・・・・・言うな、テト。」



 そして俺たちはレイクサイド召喚騎士団第2部隊についてエレメント魔人国へ行くこととなった。

「君たちがシウバと特殊部隊の面々か。俺はアレク。よろしくな!」

領主館に集合すると、そこには第2部隊のアレクがいた。

「他の連中はすでに出発した。俺たちも急ごう。」

「あ、俺が送ってくよ!」

テトがウインドドラゴンを出してくれるらしい。そういえば俺たちはワイバーンとの契約もしてなかったな。移動に便利そうだから今度ハルキ様にねだってみよう。最悪契約条件だけでも聞き出してやる。


 アレクはワイバーンで、俺たちはテトのウインドドラゴンでエレメント魔人国へと向かう。

「普段はあまり危険な所には部下を行かせないんだ。だから第2部隊の戦闘力はあまり高くない。その変わり、隠密に関しては誰にも負けない。」

うちにも優秀な隠密のエリナがいるんだけどね。バニッシュサイレントとどっちが凄いんだろうか。

「闇の精霊シェイドの方が多分情報収集には優れている。」

そんな召喚獣があったなんて。やはりレイクサイド召喚騎士団は半端ないな。


「まずはエレメント魔人国の南に入る。その後は徒歩で北上だ。帝都までは3日あれば着くだろうが、相手の軍勢に囲まれないようにしなければならない。護衛は頼んだぞ。」

集合場所にはすでにアレクの4人の部下たちがいた。

「では、急ぐ。目立たないようについて来い。」

そして第2部隊とともに徒歩で北上を開始した。しかし、こいつらめっちゃ足速いのね。歩いているようにしか見えないのに、引き離されそうになった。

「スピードアップ!スピードアップ!」

皆に補助魔法をかけてようやくついて行ける。なんて速さなんだよ。そういう事か。このペースで徒歩3日か。めっちゃ遠いな、おい。


「バニッシュかけてフェンリルで行く?」

「魔力は温存しろ。あと、バニッシュでは自分も消えてしまう。いざという時に戦闘ができん。」

すでに何回も修羅場をくぐっている重みのある言葉だった。あまりいらん事言わずについて行くことにしよう。俺たちは護衛だ。



 そして、3日後にエレメント魔人国の帝都についた。そこを囲んでいるのは数万の魔人族の軍勢。帝都は陥落寸前だった。

「ハルキ様に連絡を。防衛に参加するかどうかの指示を仰げ。」


 は?これを今から防衛!?まじか・・・。


 俺たちはいきなり戦場のど真ん中で戦闘をする事になるかもしれない。


次回予告!


久々の戦場にあいつの血が騒ぎだす!


次回「狂犬チワワ」!!


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