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3-5 山脈のはるか彼方で

大量投下第5弾!!


まさかこんなに投下するなんて思ってなかっただろう!?












「報告、御苦労さま。大変だったね。無事で良かった。」

「さすがにびっくりしました!」

「しかし、あきらかにバグだな・・・テツヤのエクスプロージョンが変な風に影響したかな?」

「バグ・・・?」

「いやいや、こっちの話。ところで、シウバとはこれからどうするつもりなの?」

「えぇっと、それなんですけど・・・。」



 レイクサイド領レイクサイド領主館。ここはヴァレンタイン王国でも屈指の騎士たちが集まる場所でもある。先の度重なる大戦で最も功績のある領主ハルキ=レイクサイドをはじめとして、その優秀な部下たちだ。中でも移動速度にもっとも特化し、偵察や斥候などの任務を専属とする部隊がある。レイクサイド召喚騎士団第5部隊である。部隊長は「フェンリルの冷騎士」ヘテロ=オーケストラだ。

「心配したッスよ、ユーナ!無事で良かったッス。どこ行ってたッスか?ヨーレンが、ユーナたちがいなくなったって騒ぎまくったんスから。」

「御心配おかけしました!まあ、ちょっと、遠くまで。」

「なんにせよ、戻って来てくれて嬉しいッス。ところでちょっと雰囲気変わったッスけど、もしかして新しい召喚獣でも手に入れたッスか?」

「あ、雰囲気変わったのをそこに結び付けるんですね。いえ、まあ、手に入れはしたんですよ!でも多分そうじゃないというか、吹っ切れたというか。まあ、うちのはヘテロ様より強いです!」

「マジッスか!?また今度見せて欲しいッス!」

「えっと、その前にお話しが・・・。」




「ナノ!そっち行ったぞ!」

「了解でっす!」

レイクサイド領、ものすごい山奥。俺たちは今ここに冒険者ギルドの依頼で来ている。

「行かせるかぁぁぁぁ!!」

「おお!さすがシウバ様!」

「ぼーっとしてないで、そっちの奴らを狩れぇぇぇ!!」

「うっす!」

依頼の内容はフェザーラビットの群れの駆除。Bランクだ。

「なんでこんなにうっとおしいんだ!」

「飛ぶからですね!」

「マジェスター連れてきてアイスストームぶっ放させりゃ良かった!」

「飛んで逃げますからね!」

俺たちのランクはB、ナノは無理言ってCを貰った。「奈落」ではSSランクのグレーテストホワイトベアーを狩り、西の魔大陸では天災級の青竜を狩った俺は功績を認められないらしい。

「見よう見まねアイスストーム!」

「おぉ!さすがシウバ様!」

「ぎゃあああ!仕留め切れてねえ!」

「あああ!逃げちゃう!」

「追えぇぇぇ!!!」

先は長い。


 諸事情により、俺たちは依頼をこなさねばならない。まあ、諸事情というか、金の問題だ。ヴァレンタイン王国の通貨なんてほとんど持ってない。「奈落」に置いて来てしまっている。そして、あそこはもう数ヶ月放置してある。どっかの冒険者にごっそりやられているだろう。まあ、仕方ない。

 食っていくだけなら、こんなに急いで依頼をこなさなくてもいいと思う。そこで問題となる諸事情があって、金がいる。それもできるだけ沢山。しかしSランクの依頼は受けられないためにAランクやBランクを受けて早急にランク上げが必要となった。現在レイクサイド領およびスカイウォーカー領のギルドを荒らしまくっているのが俺たちだ。二手にわかれて2人1組で依頼を受けている。俺はナノとレイクサイド領、マジェスターとエリナはスカイウォーカー領のギルド担当だ。約1ヶ月間でどれくらい稼げるのだろうか。


 もっと残念なお知らせもある。なんとエジンバラ領のタイウィーン=エジンバラが奇跡の復活を遂げたらしい。それにより表面上は抗争は収まっている。しかし、次期当主を良く思わない連中が俺を暗殺しようとやってくるようになった。魔人族のナノを連れてレイクサイド領で依頼を受けまくったのがばれた原因らしい。目立つからな。

「シウバ=リヒテンブルグ!覚悟ぉ!!」

「その程度でやられるかぁぁぁぁぁ!!!俺をやりたければ金持ってこい!!」

「シウバ様、意味分かんないですよ。」

いつの間にか、その辺の暗殺者程度は軽く帰りうちにできる実力を手に入れていたらしい。

「その辺に暗殺者がいるって、純人の社会は怖いです!」

これは俺を取り巻く環境が特殊なのだろうよ。


 そしてもちろん、もう一方の勧誘してくる方もやってくる。

「次期当主であらせられるオクタビア=エジンバラ様がお呼びです。シウバ様には是非リヒテンブルグ家を再興していただかなければなりません。」

「俺は関係ないです。ただの冒険者シウバなんで。」

「こうなれば力づくでも!!・・・ぎゃあああ!!」

「はぁ・・・。」


「改名しようかな・・・。それとも偽名を名乗るか・・・。」

「たしかに最近ほんとにうるさいですからね。あいつら。」

今度ユーナにも相談しよう。だいたい、もともと俺はリヒテンブルグじゃないんだ。マジェスターたちが五月蠅いからなんとなくそうなっていただけで、平民の出だ。貴族じゃない。



 1ヶ月が過ぎ、マジェスターとエリナと合流する。

「・・・という感じでエジンバラ領の連中が五月蠅い。マジェスター、どうにかしろ。」

「リ、リヒテンブルグ家の再興はしないのですか!?」

「俺の家を作るのは悪くないんだけど、エジンバラ領に行く気はない。」

「でしたら!無視しましょう!」

「無視しようにも暗殺しようとしてくるの!」

こっちにその気がないのがどうやったら伝わるのか・・・。

「もう、他の家の養子になっちゃえばいいんですよぉ。」

おお?エリナがいい事いっている。しかし伝手がないから現状では無理そうだ。やはり、改名か。

「まあ、いい案がなければ暗殺者には注意を払いつつ、目標の金額をためる事を優先した方がいいのでは?」

ナノの言う通りかもしれない。目標額の4分の1しか貯まってないのだ。しかし、俺たちはAランクに上がった。これで4人いればSランクを受注する事も可能になったのだ。

「仕方ない、とりあえず稼ぐぞ。」

そして俺たちはSランクの依頼を受けまくる事にした。



そして2週間後・・・。

「片手風剣舞!!・・・・・・この技だと魔物がぐちゃぐちゃになってしまうな。」

細切れの肉片になってしまったグレートデビルブルを見ながらつぶやく。技も本気で使えばいいというものではないという事か。これじゃあ、今夜のご飯にはできない。

「次!行きましょおぉ!!」

「次は怪鳥ロックか。場所がちょっと遠いな。」

「フェンリルなら半日かかりませんってぇ!」

「よし!行くぞ!」

Sランクは依頼達成料が良い。もうすぐ、目標額が貯まるはずだ。あとちょっとだ。



 そして目標金額が貯まった。

「ついに!ついに!」

「やりましたね!シウバ様!」

「ようやくだよぉ!」

「苦節2カ月!やっとここまでたどり着きました!」

俺たちが金を貯めていた理由、それは・・・。


「これで家が買える!皆で住む家が!」


そう。全員で住むことのできる大きな家を買うためだった。

「これはエジンバラ領は関係ない、俺のリヒテンブルグ家だ。皆、家族だ。」

さっそく、家を買いに行こう。そして・・・。

「ようやくぅ、ユーナ様を迎えに行けますねぇ。」



「私、シウバと結婚します!」

「そうッスか!おめでとうッス!でも、召喚騎士団はどうするッスか?」

「ヘテロ隊長!私は召喚騎士団はやめません!家から通います!」

「それでこそユーナッス!」

「まだ、シウバにはちゃんと言ってないですけどね・・・。でも大丈夫!絶対理解してくれますから!」



 俺たちはレイクサイド領主館の近くに家を買った。そんなに大きくはないけれど、5人で住むには十分だ。ここからユーナは騎士団に通う事ができるし、俺たちはレイクサイド領を拠点として冒険者を続けていく。これが俺の出した結論だった。




 ヴァレンタイン大陸到着直前のワイバーンの上でユーナは俺に「奈落」での返事をくれた。それはヴァレンタイン大陸に帰ってからどうするか迷いに迷い続けていた俺には予想外だったけれど、もちろん悪い話であるはずがない。お互いに、納得のできる形で一緒になりたいとユーナは言ってくれたのだった。考えた末に俺はレイクサイド領に家を買って皆で住もうと言った。ユーナは笑って了承してくれた。そして・・・。


「さあ!皆、これからよろしく!」

新生リヒテンブルグ家ってやつかな。まずは頑張って皆を養っていこう。そのうち、家族が増えたら嬉しいな。

「シウバ!明日、結婚の報告を領主様にしに行かなきゃ!」

そうか、そんな事もしなけりゃならないんだ。ユーナは召喚騎士団だもんな。

「よし、マジェスター、準備をよろしく頼む!」

「はっ、かしこまりました。」

領主ハルキ=レイクサイド様か。初めてお会いする事になるけど、どんな人なんだろうか。それにフランさんやテトにも会えるかもしれない。ちょっと楽しみになってきた。



「あ、久しぶり。」

翌日領主館へ行くと、そこには知った顔の人がいた。

「あれ?ホープさん。なんでここに?」

「あ!言ってなかったっけ?俺、ハルキ=レイクサイド。よろしくね。」

「は?」

え?ホープさんがハルキ=レイクサイド?どういう事?え?

「そうだ、シウバ、Sランクでしょ?「奈落」でも楽々生きてたみたいだし、魔大陸では相当だったみたいじゃん。ユーナの旦那になるなら騎士団入ってもらうから。情報とかの関係で一般人には言えない事も多いしね。」

「え?いや、ちょっと・・・、状況が・・・。」

「あ、これ。サインして!ほら、はやく!」

「え?あ、はい。え?」

「よし、契約終了ね。今日から俺の部下だ。よろしくー。はははは、ミッションコンプリート。」

「シウバ!ありがとう!騎士団入ってくれるかどうか不安だったんだけど、良かった!」

「え?え?」



 こうして俺は無理やりレイクサイド騎士団に入団させられてしまったのだった。仕方ないのでマジェスターとかエリナとかナノも道連れにした。あとでめっちゃ怒られた。




さすがに同時投下はこれで終了でーす。もうストックないんで明日からまたコツコツ書いていきまーす。

物語は急展開すぎると思うけど、ちゃんと予想を裏切れたでしょうか?

タイトル?・・・変更が必要かな・・・。


そして一応これで第2部が終了となりました。

第3部の構想は・・・手探りですけど、少し時間が経った話から始めて行きたいかなと思ってます。

明日の投稿に間に合わなかったらスマン。

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