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2-4 リヒテンブルグ戦闘訓練

前回までのあらすじ!


食糧難にかこつけて集落のみんなを追い出した


二人きりになれるかと思ったら、なにやら雲行きがあやしい


ワイバーンにくくりつけられて拉致される


青竜がおー ← イマココ

 迫りくる青竜。そのでかさはワイバーンの何倍あるか分からない。そしてこの縄ほどいてくれ!

「あ、ごめんごめん!えっと、ナイフはどこだったっけ?」

ユーナは完全に戦力外として考えよう。ワイバーンで空を飛んでもらうくらいしかできないものとして考えないとやばい気がする。

「ちょっと、ユーナ!急いで!」

「ええ~、ちょっと待ってね!あ、あったぁ!」

「あぁー!もうすぐそこまで来てるってば!」

「はい!切れたよ!」

「うおっしゃ!やるしかない!」

ワイバーンから跳躍する。青竜の注意をこちらに向けなければならない。

「うるおあぁぁぁぁ!!!ごくごく。」

上空で魔力強化ドーピング、身体強化ドーピングをする。ワイバーンを食おうとしていたところに、いきなり俺が飛んできたために青竜は対応に遅れた。その隙に青竜の頭に乗って、生えている毛につかまる。なんてぶっとい毛なんだ。ヨーレンに分けてやれよ。

「スピードアップ!オフェンスアップ!パワーアップ!」

魔力強化済みの状態での補助魔法だ。これで以前の数倍の強さになれる。俺のレベルは今50代だが、実際の強さはそんなもんじゃなくなるはずだ。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」

雄叫びとともに、一番近くにあった鱗を引っぺがす。べりっと音とともにちょっと血がでる。あれ?この鱗だけ逆に向いてるね。・・・もしや、噂の逆鱗ってやつか?まさかね。

「グルオァァァァァァアアアアアアアア!!!!」

やばい!!青竜がめっちゃ怒り出した。このままだと振り落とされるぅぅぅぅ!しかし、逆鱗だと召喚契約に問題が生じるかもしれんからもう一枚もらっとこう。

べりべりっ!

あ、結構はがれた。ドーピング状態だから結構力が入っちゃうな。おおお!!さらに暴れだしたぞ!

「シウバー!避けてぇー!」

へ?ユーナ何をしようとしてるの・・・って、ぎゃあああああ!!!アイアンゴーレム空爆だとぉ!!?俺は空飛べないんだけど!!どうする!?どうする!?とりあえず飛ぶ!?このままだとこいつごと潰されるよね!しかもアイアンゴーレム3体召喚とかちょっとぉぉぉ!!!ええい!飛ぶぞぉぉぉぉぉ!!!!!



「青竜って、たいした事なかったね!」

いや、あの、死にかけたんですけど。着地の時に足折れたしさ。回復魔法で治したけども。めっちゃ痛かったよ。

「しかし、アイアンゴーレム3体の空爆をくらってもまだ逃げれるだけの耐久力はさすがに天災級の魔物だと思うんだけど。」

「でも、シウバが鱗をはがしてくれたからこれで召喚契約できるよ!」

あんなに必死になって頑張ったのに逃げられてしまった。まあ、命があっただけでも善しとしよう。


 集落に帰るとライレルが真っ青な顔でやってきた。

「シウバ様!先ほど青竜がこちらへ!・・・その鱗は!?まさか戦っていたのですか!?」

「あ、うん。何というか、連れ去られて仕方なくというか・・・うん、鱗引っぺがしてきた。あとはユーナがゴーレム召喚で追い払ったよ。」

「なんという!!さすがです!!」

ライレルの目がきらきらしてるけど、実際はハチャメチャのひどい感じだったんだ・・・。疲れた。でも、ユーナにプレゼントができて良かったな。

「はい、ユーナ。これ鱗。そんでこっち逆鱗。」

「え!?逆鱗まであるの?すごいね!」

「引っぺがしたらめっちゃ暴れたけどね。」

「ああ、あの時ね!さすがシウバ!逆鱗は何に使えるか分かんないけど!」



 翌日、ユーナはさっそく召喚契約に入るようだ。羊皮紙に魔石を持ってきている。

「さあて!どんな召喚獣が出てくるかしらね!」

青竜の鱗なんて凄い素材が必要なんだ、きっと召喚獣も凄いに違いない。

「さあ、呼ぶわよ!」

ユーナが羊皮紙の上に素材を置いて詠唱をすると、光と共に召喚獣が現れる。

『契約を望むか?』

それは白銀の鎧に身を包んだというよりも羽のついた鎧そのものだった。

『我が名はケルビム。そなたらが天使と呼ぶ種族に属する唯一召喚獣だ。』

唯一召喚獣とはその種族が召喚される通常召喚ではなく、その個体のみと召喚契約を結ぶ者である。コキュートスやリリスがこれにあたるらしい。

「契約します!」

この大陸の伝承にある魔王を滅ぼしたとされる騎士。それがこのケルビムだったらしい。かなりの魔力が必要らしく、今の所はユーナ以外は契約する事すら不可能である。

『では、我が剣にかけて召喚された際には貴方を守る事を誓おう。』

召喚契約はなされた。これは強力そうな召喚獣だ。ユーナがさらに遠くの存在になってしまう気がする。俺も強くならねば。


 そもそも、今回の青竜相手でも一歩間違えば死んでいたのだ。俺がもっと強くてあんなでかいトカゲの一匹や二匹ぶった切っていればこんな想いをしなくても済む。これは特訓あるのみだろう。目標は青竜をぶった切れる事。レベルが違いすぎるかもしれないが、ユーナをはじめとして皆で力を合わせれば一太刀いれるくらいにはなるだろう。その一太刀で絶命させてやればいい。

「ユーナ!おれ、特訓するよ!」

 まずは余った青竜の鱗をオフェンスアップで斬ってみる。・・・やっぱり刃が通らない。この硬度を斬れるようになるまでオフェンスアップと剣術の訓練だ。

「なら、黒騎士召喚してあげるよ!」

・・・ちょっとしたトラウマがよぎったような気がしたが、俺の特訓には黒騎士がつきもののようだ。こいつらをぶった切れるようになるまでが最初の難関だな!


「あれ・・・?」

ドーピングした事もあるのか、黒騎士は一撃で倒せてしまった。俺、こんなに強くなってたの?

「すごい!ずいぶん強くなったね!次は魔力たっくさん込めるよ!」

なるほど、あまり魔力を込めずに召喚してくれたんだ。

「剣舞!」

あれ?また倒せてしまった。

「すごいすごい!これはもう黒騎士じゃ無理だね!じゃあ、せっかくなのでケルビム召喚してみるかな!」

まじか・・・。大丈夫かな?


 そして召喚されるケルビム。

『お呼びでございましょうか?主よ。』

「うん、シウバの特訓に付き合ってあげて。」

『かしこまりました。別に、死んでしまってもよろしいですね?』

「だめだよ!それじゃ特訓にならないじゃないか!」

は・・・?なんと?こいつ、あぶねえ奴じゃないのか?

『かしこまりました。それでは半殺しという事で。』

「それもダメです!」

・・・不安になってきた。


『この下種が、主に近づくとは身の程を知れ。主の護衛は私一人で十分だ。お前は訓練には耐えられなかったと主には伝えておこう!潔く死ね!』

いや待て待て!!その攻撃には殺気がこもってるぞ!おい!

『む、これを避けるか。首をはねたつもりだったのだがな。次で滅してやる。』

「ふっざけんな、てめえ!強制送還させてやる!」

『貴様如きにできるわけがなかろう!死ね!死ね!死ねっ!』

「あとでほえ面かくなよ!」


 俺とケルビムの死闘はユーナの維持魔力がなくなるまで半日ほど続いた。俺の攻撃は基本的に防がれ、あの腐れ天使の攻撃は全て避けきってやった。思考加速のスキルをめっちゃ使ったけどな。あの野郎、今度会ったら首チョンパしてやる。

「特訓はどうだった?」

「ああ、ありがとう。かなり参考になったよ。」

主に身の守り方と回避方法について。課題だった攻撃に関しては特に進展ないかもしれん。

「そっか、仲良くなれたみたいでよかった!」

仲良くなってない、殺し合いしてただけだよ。


翌日の朝・・・。

「さあ!シウバ!今日も特訓しててね!私はちょっと調べものしてるから!じゃ!」

『え?まさか今日も召喚された理由がこのクソ虫の特訓で、主の近くにいられないのですか?』

「だぁれがクソ虫だぁ!今日こそ首チョンパしてやる!」

『ふざけんな!お前如きにやられるわけがなかろう!』

「お前の攻撃なんぞかすりもせんわ!スピードアップ!思考加速!」

『当たっても蚊ほどにも痛くもない虫けらの攻撃なんぞ避ける意味もないわぁ!』

「死ねぇぇぇぇぇえええ!!!」

『お前が死ねぇぇぇぇええええ!!!』



「今日も、にぎやかですねぇ。」

「あ!エリナ!お帰り!」

「ただいまですぅ!あれはユーナ様の召喚獣ですか!見た目はいいけど言葉が汚いですぅ。」

「そうだね!まあ、私の前で変な言葉づかいしたら強制送還だけどね!」

「・・・・・・そ、そうですかぁ。」


 こうして俺は急激なレベルアップとともに思考加速を自在に操れるようになり、最終的には青竜の鱗が斬れるほどの魔力上昇と剣術上昇をする事ができたのだった。ケルビムの首チョンパは結局できなかったが。

そろそろ大量投下の予感

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