1-6 シウバ=リヒテンブルグの躍進
本日2話同時投稿!
最近サイドストーリーとか書いてて2話投稿してなかったからな!
毎朝これ読みながら朝食を食べてる諸君には申し訳ない事をした・・・orz
1話だけだったらすぐに終わっちゃってなんか勉強や仕事のやる気がでない?
もう少し沢山読みたい?
ふふふふふふ、その願いかなえてしんぜよう。今日は。
ふふふふふふふふ。
ふふふふふふふふ。
え?オチ? いいや、ないよ。
最初にこのページ開いたときに本文が見えないように尺稼いでただけ。
とりあえず、ここら一体を縄張りとしているテンペストウルフを狩る事になった。正確な数は不明であるが群れているらしいこと、俺たちがすでに1頭は狩っている事も含めるとそんなに多いとは思えない。どうせ数頭だろう。
「所詮、犬なので。」
どれだけでかかろうが、どれだけ俊敏に動こうがその性質は変わらない。むしろ20頭とかで群れていないために特性を生かし切れていないんじゃないか?野犬や狼は群れで行動するから怖いんだ。まあ、群れる必要もないくらいに強いと言われればやっかいではあるが。
「パラライズが効くんなら作戦はいらないんだけどな。」
「それも立派な作戦ですぅ!」
「ふむ・・・。」
まずはパラライズが効くかどうかを想定して、効いた場合はタコ殴り一択だ。効かなかった場合に、あの巨体と俊敏性をどうにかしてやらないといけない。当たらないものにダメージは入らないし、あの巨体に噛まれたらヤバいに決まっている。
「こっちもフェンリルに乗る?」
「さすがユーナ!」
それで行こう
フェンリルに乗ればまずは俊敏性においてはほぼ互角までいけるはずだ。そして4人1組で足を潰すように動いていけばなんとかなるんじゃないか?エリナにフェンリルの召喚契約をさせておいて良かった。魔人族の集落で急造のフェンリルの鞍を作ってもらう。これがあるとないでは大違いだ。
「では参りましょう!」
最近マジェスターが元気である。いくら説教しても連日の戦闘ですぐに機嫌が良くなるし、今回のテンペストウルフ狩りもノリノリだ。この戦闘狂め、いや「狂犬」か。
集落を出て南へ下る。山脈のふもとが奴らのすみかだと言う。別に急ぐものでもないから途中で薬草採取などをしてみた。しかし、この森は意外にも草木が豊富だ。これならすぐに食料が集まることだろう。
「シウバ様!グレーテストボアの群れです!」
そしてテンペストウルフではなく、レッドボアやホワイトボアの2倍はあるかというイノシシ型の魔物が遠目に見えた。あの大きさならば何頭か持って帰れば集落の食糧事情の改善に役立つ。テンペストウルフが狩れたら集落の人間でこいつらを狩る特訓が必要だな。
「シウバ!今回の狼狩りは何頭くらいの予定にしてるの?」
「ああ、だいたい数頭で十分だと思ってるんだけど、できたら沢山狩りたいよね。」
「そうだね!でも、ワイバーンが使えなから獲物を持って帰るのはしんどいかも。」
そうか、ワイバーンにのると青竜がやってきやがるんだ。空は縄張りだとでもいいたいのか?奴もいつか討伐してやる対象に入れておこう。いつかな。いつか。
「じゃあ、今回は3頭位を目標にしようか。」
「そうだね!それでいいと思うよ!」
ユーナがいてくれて助かっている。
山脈が近づいてきた。そろそろお出ましかな?
「シウバ様!確認できたのは1頭です!」
先行していたマジェスターが帰ってくる。すでにフェンリルの乗りこなし方がユーナと同レベルだ。「狂犬」だけに同類の事がよく分かるようである。あ、フェンリルは狼に近いな。
「まずはパラライズが効くかどうか試そう。効くならその場でやれ!」
「はっ!」
「了解ですぅ!」
「私はどうしようか?」
「ユーナの召喚は切り札だからまずは様子見ておいて。もしまずそうだったらフェンリルとかアイアンドロイドを数体召喚して足止めしてもらいたいんだけど。」
「うん!分かった!」
ダメだったら、洒落にならん。ここいらでの食糧調達ができないという事だ。それだけは避けなければならない。あいつら餓え死にしてしまう。
「じゃ、行くよ!」
そのテンペストウルフは前回討伐したものよりも少し小柄だった。それでもかなりでかい。そして速い。
「パラライズ!」
エリナのパラライズが効いた。その間にマジェスターが首筋に剣を深々と突き立てる。大量の血を流している所を俺が首をはねて討伐完了だ。これはパラライズとの相性がいいかもしれない。本来ならばかなり苦戦するはずなのだ。いける。
「よしっ!」
しかし、中にはパラライズが効かない個体もいた。3頭目でつまづく。そして苦戦している間に4頭目が合流してしまった。
「アイスストーム!」
マジェスターが氷の連続魔法を同時に発射できるようになっている・・・。足場ごと凍らされたテンペストウルフに斬りかかる。
「パラライズ!」
そしてもう一頭にはパラライズが効いた。フェンリルに騎乗していなかったら間に合わなかったが、2頭とも仕留めることができた。
「これで4頭。とりあえず十分だろうか。」
ユーナにフェンリルをあと4頭召喚してもらってそれぞれ2頭ががりでテンペストウルフをひきずって帰った。思った以上に楽に狩れる事ができたが、これもマジェスターやエリナのおかげだろう。
集落に帰るとそれはもうお祭り騒ぎだった。まあ、仕方ない。いままでこいつらのせいで命の危険にさらされ続けていたんだから。テンペストウルフはあんまり美味しくなかったけど、俺もユーナも頑張って味付けしてみてなんとか食べれるようになった。そのシチューを皆で分けて食べる。1人分はすごい少ない量だけど、魔人族の皆は全員で食べる事を望んだ。
「強い魔物を食えば強くなるって信じてるんすよ!」
ナノが屈託のない笑顔で言う。魔人族のために本当に笑ってるかどうかの判断はできないけれど。
「シウバ様たちのおかげで、今日は記念日ですね!俺たちがお互いに殺しあわなくても生きていけるようになったのはシウバ様のお陰ですよ!」
・・・そうか。こいつらも好きで殺し合いしていたわけじゃないもんな。少し、いい事ができたかもしれないと思った。
「明日は・・・ナノ、お前たちも狩猟に加われ。」
魔人族も鍛えていかないといけない。自分の食糧は自分で取るべきだ。ゆくゆくは魔獣などの騎乗できるものを育てる必要があるな。
「テンペストウルフに乗れたら最強だけどな!」
誰かがそう言った。・・・検討する余地があるかもしれない。魔物に赤ん坊っているのか?若い魔物を調教するのは?魔人族は魔物の調教が上手だったよな?
「フェルディ!お前、テンペストウルフを調教できるか?」
「ぶふぉ!!?なんですかシウバ様!?そんなん無理に決まって・・・。いや、こちらが強い事を示せればなんとかなるかもしれませんが・・・。」
「よし!ここいらの特産品であるテンペストウルフに騎乗する騎兵を作ろう!おそらく世界最強の騎兵ができるに違いない!」
「さすがシウバ様!考える事のスケールが違いますな!」
うまく事が進む時というのは何でもうまく行く。エリナが、調子に乗っている。ノリノリだ。
「パラライジーズ!!」
また、強くなった。同時複数麻痺幻惑魔法「パラライジーズ」。俺はかなり究極の幻惑魔法だと思ってる。何せ、3頭のテンペストウルフが同時に麻痺するのだから。これ、戦争とか大人数相手だとめちゃくちゃえげつない効果を発揮しそうだ。
「良し!今のうちに縛りあげろ!」
マジェスターの指揮で魔人族部隊がテンペストウルフを拘束していく。
「もういっちょ!パラライジーズ!!」
継続する麻痺。これは、相手からしたらかなりやっかいな魔法だ。エリナが味方で良かった。
「本日の収穫はこれで7頭ですな!」
SSランク最強の狼型の魔物のテンペストウルフを収穫呼ばわりか。まあ、特産品扱いしているのは俺だけども。
「よし、フェルディの調教部隊に回せ!残りは食える物や薬草の採取をして帰るぞ!」
最近、面白い薬草が採れる事も分かってきた。
「シウバ!それは何?」
「ああ、ユーナ。魔力増強ドーピング薬だよ。総魔力が一時的に上昇する。召喚に込められる魔力も上がったのは確認したよ。副作用として、MP回復ポーションの比じゃないくらいにマズイ。」
レドン草以外にも魔力を帯びた薬草が見つかった。性質がちょっと面白い。いろいろ試していたら、魔力増強ができるようになった。これを飲んで、ドーピング薬も飲んで補助魔法使ったらさらに身体能力が上がる事が確認されている。薬草師なめんなよ!
「うっ・・・え、遠慮しておこうかな!」
「それが、なんとか飲める程度までは改善できたんだ。ちょっと試してみてよ。」
少し効能は落ちるけども。ユーナは味が悪いと飲めないから仕方ない。
「う、うん。分かった!・・・あ、飲める。」
「良かった。ユーナのためにMP回復ポーションも飲みやすいのに改良したんだよ。これ。」
「ありがとう・・・シウバ・・・。」
「ユーナ・・・。」
「シウバ様!テンペストウルフの鞍が完成しました!見てくださいって・・・あれ?なんで怒ってるんですか!?ちょっとー!!?」
ナノ、空気読め。
テンペストウルフが特産品に成り下がってからというもの、森への採取および集落周囲の畑の整備が可能になった。まだまだ食糧に余分があるわけではないが、ずいぶんの改善された事は事実だ。
「フェルディ、テンペストウルフの調教はどうだ?」
「カイブル村の連中がかなりがんばってくれている。元族長のローレなんか、上手い具合に乗りこなすぜ。若いもんにも筋がいいのが結構いる。」
純人はテンペストウルフには乗れないようだ。魔力の違いがどうしても主従関係を構築できない理由なのだろう。そのかわり、純人は召喚魔法が使いやすい。とりあえず俺たちはフェンリルで問題ない。テンペストウルフの方が速いけれども。
「今の数は?」
「昨日で30を超えました。騎馬として使えるのは10ほどですがね。」
「十分だ。引き続き頼む。」
魔物に寿命とかあるのだろうか?全く生態が分からんから魔人族の連中と協力して手探りでやっていくしかないだろう。
「よく考えたら俺たちヴァレンタイン大陸に帰る話もしないでこんな事してるけど、ユーナは大丈夫なのか!?レイクサイド召喚騎士団の人たち心配してるよね!?」
「まさかのいまさら発言・・・。」
うるさい、エリナ。
「まあ、たしかに心配してるだろうね。でも、ここも放っとけないじゃない。」
なんて優しい。
「でも、連絡くらいは取らなきゃ・・・。」
「ワイバーンで帰ろうにもあいつがいるのよ?」
そう、青竜だ。やっぱり、あいつは討伐対象にしなければならないらしい。
「その問題はまた今度話し合おうか。」
「「・・・・・・。」」
だって、怖えもん。
この物語、狼ばっかり出てくるよな。なんでだろ?




