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4-2 逃走者エリナ

さあ本日も2話同時投下だ!

そして前回のあらすじ!



いや、待て。

ここに飛んでくる人の中には2話同時更新の際に先にここにきている人もいるはずだ。たしか「なろう」の更新通知システムがそんな感じだった。最新話に飛ぶもんな。

そんな人がここで前回のあらすじを読んだらどうなる?

「読者の気持ちが分からないとは、なんてサービス精神の悪い作者なんだ!2ちゃんねるに書き込んでやる!ついでにブックマークも外すぜ!」

そうなるに違いない!

危なかった!これは罠だ!俺はひっかからないぞ!



え?どうせあらすじ読んでも分からないから別に問題ないって?

じゃ、じゃあちょっとだけ!



黒い何かを食べたシウバの腹が壊れた。


以上!



 マジェスターが帰ってきた。プロトン草も持ってきたためにようやくドーピング薬が作れる。これがないと不安で仕方ないな。

「さあて、そしたら第2階層の探索を再開するぞ。」

この前はクラムたちの事があったからあまり深く探索できなかった。あの地底湖にはいろんな薬草が生えてそうだし、ヒカリゴケの量もすごいものだった。新たな魔物もいるに違いない。3人でなら探索に行っても問題ないだろう。

「エリナはどんな魔法が得意だ?」

そう言えば聞いてなかったな。俺たちのパーティーは移動にフェンリルを使うし、採取にはノームを使うから最低限でも召喚魔法を少しは覚えてほしい。

「げ、幻惑魔法が得意です!」

・・・ほう。意外なところから意外な答えが出てきたな。俺も少しは幻惑魔法できるけど、得意と言うほど習得してるわけじゃない。

「サイレントとか、スリープとか!パラライズはまだ無理だけど・・・。」

ふむふむ、使い方によっては十分に戦力になると思う。使い方によっては。ここ重要。

「破壊魔法はどうなんだ?」

マジェスターよ、もっと優しく聞いてあげなさい。

「えっと、あんまり・・・得意ではないかな~、とか。」

ああ、だめだ、これ。完全にクラムのパーティーにいたからBランクもらっただけの冒険者だったか。まあ、仕方ない。拾ったもんは帰すわけにもいかん。

「了解したよ。そしたら、まずは召喚魔法を覚えよう。ノームは契約しているか?」

「ノームは大丈夫です!他は全くないですけど、・・・召喚魔法って必要ですか?」

「必要です。ノームによる薬草の採取と、フェンリルでの移動が我々のパーティーの基本になります。」

「フェンリルはちょっと・・・そんなお金ないし。移動の時はマジェっちの背中に乗ればいいじゃん。」

マジェっち?

「誰がマジェっちだ!」

「まあ、それだと荷物運べなくなるし、逃走の時にもフェンリルいるから。マジェっちがやられた時とかの事考えてよ。」

「シウバ様まで!こら!今すぐ訂正しろ!」

「あー、マジェっちが怒った!!逃げろー!」

んー、これはちょっと教育が必要かもしれん。

「マジェっ・・・マジェスター。こいつの教育係に任命する。勧誘した者として責任を取れ。」

「なぁ!?」

とにかく、フェンリルの召喚契約をさせないと移動に時間がかかりすぎるな。まあ、洞窟の中にいる時は大丈夫か。出る時にもう一度考えよう。


 第1階層は問題なく通過した。すでにジャイアントスパイダーやロックリザードが出ても対処できるようになっている。第2階層の入り口付近でシルバーファングが2匹いた。

「マジェスター、瞬殺しろ。」

「は、はい!」

喜々として迎え打とうとするマジェスターに釘を刺しておく。

「さて、エリナも戦ってもらうぞ!」

「はあい。」

破壊魔法は得意ではないと言っていたが、フレイムなどは問題なく使えるようだ。だが、精度がいまいち。特に攻撃の目的がない。昔の俺のようになんとなく魔法を打っているだけに見える。しかし・・・。

「スリープ!」

シルバーファングが睡眠状態になって崩れ落ちる。これは効きさえすれば致命的だな。

「シウバ様!こちらは終わりましたよ!」

「はい、ご苦労さん。こっちも終わりだ。」

シルバーファングに剣を突き立てて絶命させる。十分に戦えているじゃないか。これなら第2階層まで行けそうだ。

「エリナ、もう少し、攻撃に目的を持たせた方がいいんじゃないかな?」

「目的ですか?」

「うん、闇雲に打つだけじゃなくて、もっと効果的な攻撃方法があると思うんだ。破壊魔法はここぞって時に打つだけじゃなくて、動きの牽制にも使えるよ。」

「・・・はい、わかりました!」

分かったのか?・・・非常に不安しか残らねえな、おい。


 第2階層の地底湖にたどり着いた。前回来たときは必至だったから分からなかったけど、この地底湖にある島は結構大きい。落ちたら這い上がれそうにもないな。さすがに今回はマザースネークは出てこなかった。でもシルバーファングがたまに出てくる。こいつらどっから湧いて出てくるんだ?

「マジェスター、魔力を温存しながらでもやれるか!?」

「執事ですからっ!」

意味分かんねえけど、大丈夫って事だよな?

「エリナも無駄撃ちを避けて行こう。こいつら数が多い。」

「はい!」

そしてなんとか地底湖の最後までたどり着いた。

「すでに魔力がかなりなくなってきてる。このあたりで休憩しよう。」

地底湖を越したために遠くから発見される心配はなさそうだ。ヒカリゴケに覆われた通路のような場所に出る。野営したいけど・・・ああ、良さそうな場所があった。

 そこは3人程度なら寝袋で寝ることができそうな場所と、何やら不自然に四角にくり抜かれているような岩があった。中には何もなかったけど。

 携帯食で腹ごなしをして、野営する。見張りはフェンリルだ。MP回復ポーションを飲むことにした。交代で見張りをしても良かったが、今は少しでも寝ておくことのほうがいいと思う。先はかなり長そうだしな。

 ずいぶん疲れていたのかエリナが先に寝てしまう。マジェスターは・・・よく分からん。

「ちょっと、きついのかもな。」

明日、進むか戻るかを考える。これは戻ったほうがいいんじゃねえの?エリナは当然の事としてマジェスターももしかしたら無理してね?3人でここまでこれた事は評価できるけど、無理する必要が分からんし、明日は帰ることにしよう。第3層見てみたいけどね。


「えー、帰るんですか?」

翌朝、携帯食をむさぼりながら一旦テントまで帰る事を告げる。2人は不満そうだ。

「だって、結構無理してここまで来てるのに、これ以上強い魔物出てきたら死ぬよ?」

さすがに正論には反論できないようだな。だが、まだ行けるってのがすでに危ないって受付が言ってたぞ。

 帰りはフェンリルでびゅーんだ。これなら少々魔物がいたところで置き去りにできるからな。道が分かってたら移動も楽になる。次に来るときのために四角にくり抜かれているような岩に物資を少し置いて来た。本当は一番荷物になる寝袋を置いて来たかったんだけどな。まあ、それは次の機会にしよう。寝袋も余ってるわけじゃないし。


「ほんと!帰りはあっという間でしたね!」

まだ、昼になってないんじゃないかな?テントが懐かしい。

「こうやってある程度中継地点を作って行こう。そうすれば無理なく探索が続けられる。魔物に荷物を荒らされない方法を考えないとな。」

「輸送の方法もですね。」

「それはお前がもっとフェンリルに魔力を注げばいい。」

壺とか宝箱とかあると色んなものを収納できていいかもしれん。問題はそれをどうやって手に入れて、どうやって運ぶかだけどな。

「とりあえず、今回の収穫は大量のシルバーファングの皮と牙だな。風の魔石も2個手に入った。」

1パーティーの稼ぎとしては結構なものだ。これを売ることができたら1か月くらいは仕事せずに暮らせそうだぞ?シルバーファングはヴァレンタイン大陸にはいない魔物だから、結構高値で取引される。何かの召喚契約に使うのだろうか?レイクサイド召喚騎士団が集めていたこともあったらしい。

「よし、ひとまずあの第2階層の中継地点とここの往復を何回かしよう。問題なく抜けられるようになってから第3階層だ。」

ちょっと用心しすぎな気もするが、このくらいがちょうどいいのではないだろうか?

「・・・私もフェンリル召喚したいです。」

お!この便利さが分かるか?いい傾向だ!

「ならばまずはノーム召喚で召喚魔法を上げていこう。あの池でレドン草取ってきてもらってくれ。できるだけたくさん召喚するんだぞ?」

「えー。まあ、分かりました。頑張りますぅ!」

よしよし、これで採取もばっちりだぞ。



 それから10日間ほど、俺たちは第1階層のテントと第2階層の中継地点の往復をした。最初は1日かけてようやくいけるような感じだったが、道が分かるだけでフェンリル騎乗が使える。エリナは俺が召喚した2匹目のフェンリルに乗ってみて、感覚を掴み始めたみたいだ。最近騎乗が上手くなった。3匹のフェンリルが駆けていく間に魔物が出る事もあったが、すぐに討伐されるか置き去りにするかでそこまで時間はかけない。最終的に2時間もあれば中継地点まで到着できるようになった。


「だいぶ、時間が短縮できるようになった。今日は日帰りでもいけるかも。」

2人とも嬉しそうである。俺も嬉しいぞ。

「シウバ様!そろそろ第3階層へと行きましょう!」

マジェスターはノリノリだ。この戦闘狂め。新しい魔物に会いたいのか?仕方ない。

「では、ちょっと第3階層を見て来よう。見たらすぐに帰るからな。」

「はーい!」


 そして俺たちは第3階層の入り口まで来た。しかし・・・。


「ざ、ざぶい・・・。」

めっちゃ寒いんだけど!?何ここ!?まだ第2階層だよね?第3階層はここからだよね!?

「ジ、ジウバざま。こ、こでば寒づぎばず・・・。」

ぼ、防寒対策なんてしてこなかったから、ちょっとまずいね。まあ、少し見てみようや、第3階層。


「あ・・・。」


 第3階層の入り口にはそれはそれはでっかい白いクマさんがいました。俺の記憶が確かならば、あれはSランクのグレーテストベアーかな?白いから変異体?それとも西の大陸にのみ存在するって言うグレーテストホワイトベアー?そうかな?そうっぽいな。それならSSランクだな。あ!こっち見た!めっちゃ気づかれたよ?どうする皆?あれ?エリナがいねえ!

「おばえ!主よりざぎに逃げるどは!」

まてぃ!俺を置いていくな!


 こうして、俺らの第3階層の視察は一瞬で終わったのであった。ところで、主従関係ってなんだ?


次回予告!


SSランクに挑むシウバ達!絶体絶命のピンチを彼らはいかに乗り切るのか!?


求められる力!(←防寒対策)

立ちふさがる壁!(←くまー)

そして、芽生える愛!?(←嘘)


その時、奇跡が起こるべくして起こる!(←奇跡とは言わない)


次回 「愛の天使エリナ(笑)」 お楽しみに!

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