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3-4 戦闘狂マジェスター=ノートリオ

おおおおおおお!!!?

文章評価解禁にしたらあっという間にすごいポイント入ってきたよ!

アクセス数の割には一気にUPしたから、不正とか言われないかな・・・どきどき。


それにしても、皆がこんなに高ポイント入れてくれるとは思わなかった。

ガンバリマス。



寸劇? いいや、ないよ?



 俺たちの「奈落」での原始人生活が始まった。「奈落」での生活といっても奥まで入れるわけではない。第1階層の入った所の広場と池の空間とつながっている穴が数個あるが、そのうちの一つがちょうど奥まで入らないと中が見えない構造をしていたために「俺の家」認定した。テントを張り、寝袋と荷物を置いたら今後の事を考える。

「料理とかは火を使うから外だな。」

外といっても第1階層内だ。いつ魔物が現れるか分からない。第1階層と言っても、たまにシルバーファングくらいなら出現する。マジェスターと2人ならばなんとか討伐できるが、1人だとまだ心もとない。あいつが1人で狩れるようになるまでマジェスターは町に戻れないかもしれない?それは急いで強くなる必要があるな。

「ここも簡易のテントしかないけど、生活環境を良くしていく必要がありそうだ。」

特に寝袋だけだと長期間の睡眠に支障が出てきそうな気がする。こんな時、テトはフェンリルを召喚してベッド兼見張りにしてたっけ?そんな魔力はないけれど、いつの日かそういう事もできるようになれたらいいな。

「シウバ様!飲料水は水魔法を使います!洗濯などは池の近くに小川がありますので、それを使用しましょう!」

トイレとか、水浴は重要だ。清潔に保っておかないといつ病気にかかるか分からない。

「魔物の素材とか、薬草とかを保存する場所も必要だな。」

テントの中はそういった物でいっぱいにできたらいいと思う。特に魔石なんか出れば、町に行った際に穀物や生活雑貨と交換できそうだ。しかし、一つ問題もある。

「マジェスター、お前のフェンリルだとどのくらいの荷物が運べる?」


 なんてこった。マジェスターのフェンリルだと力がなくてあまり重い荷物を運ばせると速度が落ちる。これではエルライトの町に1泊2日程度で往復する事ができない。甘く見ていたな。3日以上1人でいる事を考えると不安がある。魔物の集団にでも襲われたら勝てる自信もなければ、それ以上の時間を睡眠なしで乗り切る事など不可能だ。これは自給自足を基本として考えておかねばならんな。

「とりあえずは、第1階層の制覇を目標にしよう。住んでいる者が住処の事を知らないのは良くないからな。」

「分かりました!」

 まあ、なんとかなるだろう。いや、なんとかするんだ。それが特訓になる。この1年を無駄に過ごすつもりは全くない。


 広場の奥には池がある。その池の先にはレドン草が群生している小さな島があった。

「ノーム召喚。」

ノームに取りに行ってもらう。これは何回かやってきた事だ。ここほどレドン草が生えている場所もなければ生え変わる期間が短い場所もない。MP回復ポーションを多めに作る事がこれから命を救うかもしれない。薬草から薬を作るのはこれからも続けていく。師匠にもらったレシピで新しい物もあるため。この「奈落」で採取できる薬草を調べなければならない。


「シウバ様。魔物です。」

ロックリザードが2匹こちらを見つけて走ってくる。昔は本当にこいつが怖かった。背中の鉱石の部分なんて全く刃が通らないからな。

「ただのデカいトカゲだな。マジェスター、1匹頼んだよ。」

「分かりました!」

隣のマジェスターが氷の破壊魔法を連射するのを視界の隅に捕えて、こっちはもっと効率よくやろうと考える。まずは補助魔法で身体強化だ。

「スピードアップ。」

俊敏性を上げる。腕力上昇まではいらないだろう。ドーピングはもっともったいない。

「シュルルルルル。」

ばたばたと走ってくるわりには変な鳴き声だ。4足歩行の魔物の共通の弱点は、頭上に注意が行きにくいことだな。目の前にロックリザードが来る前に跳躍して後ろに着地する。着地後に方向転換しようとしているロックリザードの腹部を蹴り上げた。

「重いっ!」

石の塊みたいなもんだ。本当は頭上高く蹴り上げたかったけど、ひっくり返す程度しかできなかった。しかし、弱点の腹部は丸見えだ。

「剣舞!」

回転をつけて両手の剣で斬りつける。3回目の剣撃で手ごたえを感じた俺はそのまま左手の剣を腹部に押し込んだ。背中の鉱石が付いている皮膚まで剣はとどいたが、さすがに鉱石があるので貫通しない。大暴れするロックリザードの手足を避けて、一旦距離を取った。まあ、これでこいつは終わりだろう。周囲を確認すると、マジェスターがもう1匹のロックリザードを氷漬けにしている。

「他にいない?」

「今の所、確認できておりませんが、おそらくは大丈夫かと!」

「分かった。こっちももう終わりだから。」

血を大量に流してふらふらのロックリザードが動かなくなるまで待つ。何も追撃の必要性はない。そして、すぐにロックリザードは倒れこんで死んだ。


「シウバ様!魔石がありました!」

おお、幸先良いな。これはため込んで資金源としよう。初日でこんなに儲かってしまうのなら、1年後には大金持ちなんじゃねえのか?そのうちすぐに薬草も集まるだろうし、調合した薬を売りに行かせてもいい。ここは魔物の襲撃さえなんとかなればかなりの資源があるに等しいな。ロックリザードの鉱石も取っておく。これはそのうち武器とかの材料として使えるかもしれないし、売りに行ってもいい。

「一旦テントまで戻ろう。荷物が一杯だ。」


 さて、ここからが問題だ。本日の昼御飯はロックリザードの・・・何にしようか。というか、こいつら食えるのか?岩をはがせば単なるトカゲだ。食えない事はないだろうが、ちょっとした不安もある。こういうときに毒見役の執事なんて人がいれば助かるのに・・・・いた!

「マジェスター、ちょっと・・・。」

「シウバ様!魔物の気配がしますのでちょっと行ってきます!そちらのお肉は美味しく調理して食べてみてください!では!」

あ・・・、逃げやがったな。


 結局、肉をはがして焼いてみたけどぱさぱさしててあんまり美味しくなかった。しかし、持ってきた食料もいつかは底を尽くわけだし、何かしら食料は手に入れねばならん。どうするか・・・。ジャイアントスパイダーは絶対食べたくないし。

 仕方ないので、塩振って燻製にしておく。そして乾かしておけば保存がきくだろう。洞窟の中で燻製なんてするもんだからちょっと煙たくなってしまった。これで魔物がこっち来たりしても嫌だな。今後は自粛する事にしよう。そして、タイミングを見計らったかのように帰ってくるマジェスター。魔物はいなかったそうだ。この野郎、日ごろは忠誠がどうとか言ってやがるくせに。


 食料問題は結構簡単に解決しそうだった。洞窟の外には自然が広がっていたし、ランクの低い魔物や動物がいた。ただし、それに気づくまでに3日間かかるとは予想外だけどな。キュアリーフの生えている場所も見つける事ができたのがうれしかった。

 午前中は「奈落」の外で食料などを調達し、午後は「奈落」の探索をするという生活が続いた。いつの間にかテントの周囲には簡易ベッドまでできており、徐々に住みやすくなってきている。もともと野営とかが多い生活だっただけに、それほどまでに町のフカフカベッドが恋しいわけではない。食料も、調理の仕方を工夫すれば十分に食べれるものが多かった。しかし、「奈落」の探索は思うように進まなかった。


「今日も第2階層前にシルバーファングの群れがいますね!少なくとも4匹は確認しました!」

第2階層に行く手前の穴を遠くから観察していると、たまにシルバーファングが出てくるのだ。まだ、こいつらと本格的に戦っていない事もあるが、4匹はちょっと辛いと思う。だが、あいつらを突破しないと先に勧めないのも事実。さて、どうすっかな?

「できれば、1匹ずつおびき出したいけど・・・。」

無理だと思う。オオカミ型の魔物だし、群れで行動するのが基本だろう。1匹が騒いだらすぐにもう1匹と増えていくに違いない。で、あれば同時に4匹を相手しても大丈夫な状況をつくる必要がある。

「追い払うだけでよければ、この薬があるんだけどな。」

地上で集めてきた香草の中で刺激臭のする物を集めた特性薬だ。一度、シルバーファングが広場に出てきた時に投げつけてやったら、あっという間に逃げていった。匂いには敏感なのかもしれない。

「しかし、突破となると生かしたままってわけには行かないしな。」

狭い場所で戦うというのも手ではあるが、こっちも俊敏さが取り柄だ。狭くて戦力が半減するのはこっちかもしれない。


 しかし、良くも悪くも思い通りには事は運ばない。

「シウバ様!どうしますか!?」

「ちょ、馬鹿!声がでかい!」

完全にこちらを向いた4匹8つの目。あ、だめだこれ。完全にガチンコ対決だ。

「はっはっは!最初からこうしてればよろしいのですよ!」

なぜかマジェスターはノリノリである。この戦闘狂め、最近魔物の討伐が楽しくてしょうがないらしい。まあ、仕方ない。

「スピードアップ、パワーアップ。」

補助魔法をかける。まだ、攻撃補助と防御補助は覚えていないから仕方ないが、最終的にはフランさんのように剣にまで魔力が通せるようになればいいな。

 そして、ドーピングだ。勿体ないけど、仕方ない。なくなったらプロトン草をマジェスターに取りに行かせよう。ぐびっと薬を飲み干す。まっず。

「バウッ!」

先頭のシルバーファングが吼える。もうすぐ噛みつかれる距離だ。2本の剣を抜く。シューッといった鞘から抜く際の音が心地よい。口の中の苦みとは裏腹に、頭が冴えきっていく。さあ、やろうか。


 噛みつこうとしてきた先頭のシルバーファングを避ける。紙一重で避けてしまうと、爪でひっかけられるために大きくだ。そして右手の剣で斬りつける。・・・硬い。刃が通りにくい。おそらくは皮膚しか斬れてないだろう。そして次のシルバーファングを避ける。避ける際に蹴りを入れて体勢を崩してやる。どうせ、最初の1匹がこっちに戻ってくるから追撃は不可能だ。

「氷よ!」

氷の破壊魔法でもう一度俺に噛みつこうとしていた最初の1匹の脚を狙い撃つ。前足が凍らされ、もつれた所を、首筋目がけて剣を叩き込んだ。1撃では無理か。ならばもう1撃!両方の剣を叩き込み、シルバーファングの首が落ちる。いける!意外にも戦えているぞ!ドーピングありでだけど。

「ガウウッ!!」

蹴りを入れて吹っ飛ばしていたシルバーファングが体勢を直して襲い掛かってきた。大きく開かれた口。でかい牙だ。あれ?なんでこんなにゆっくり時が流れてるんだろうと思うような感覚だった。

 左手の剣をシルバーファングの大きく開かれた口にあてがう。このまま突っ込んで来たらその勢いで刺さってしまうだろう。実際、シルバーファングの口から首の後ろに剣は貫通した。かなりの衝撃だったが、左手は離さなかった。

「・・・不思議な感覚、だな。」


 2匹のシルバーファングを倒して、マジェスターの方を見てみるとまだ格闘中だった。かすり傷は追っているものの、どちらも致命傷ではなさそうだ。

「マジェスター!」

「おお!シウバ様!さすがです!」

そういうとマジェスターは持っていた右手の剣を片方に、左手はもう片方に向けて叫んだ。

「炎よ!!」

あっという間に2匹のシルバーファングが火だるまになる。その隙に距離を縮めたマジェスターが火だるまになったシルバーファングを切り伏せていった。


「いやあ、まさかシウバ様に先を越されるとは思いもしませんでした!不覚!」

・・・お前、戦いを楽しんでいただろう?

「な、なんでしょうか!?そのジト目は!?私、何かしましたでしょうか!?」

「わざと大声を出すとか?戦闘を長引かせるために手抜きするとか?」

「ぎくぅ!!?な、な、なんの事でしょう?わ、わ、分かりませんなぁ!」

だめだ、こいつ。優秀とかの前に人間性が・・・。



 その日の夜。ちょっと気になって俺は自分のステータスを確認した。


シウバ=リヒテンブルグ 20歳 男性

Lv 31 HP 1280/1280   MP 670/670

破壊 22  回復 24  補助 19  召喚 9  幻惑 4  特殊 0

スキル:思考加速(思考が加速する時がある)

眷属 :ノーム(召喚3、維持2)

    フェンリル(召喚300、維持30)



思考加速?ナンダソレ?っていうか、待て!いつの間に俺がリヒテンブルグになってんだ?


まだまだシウバの基礎の部分を磨くパートが続きますよ。TUEEEEEを期待している方は1か月くらい待って下せえ。・・・え?お前の事だからTUEEEEしない可能性があるって?なんの事?

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