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最後の弾丸が行き着く先は、、、


サンセットルーレット

33発の弾丸を使ってのロシアンルーレット

1人で何発でも撃って良い

次の人は相手の撃った数より多く撃たなければいけない




カチッ


その音は拳銃から聞こえた。つまり、不発。

このことにより、自分は次に2発以上撃たなければいけなくなった。

まだ、大丈夫だ。

まだ、始まったばかりなのだから。


カチッカチッカチッ


「えっ⁉︎」


空華は手を止めていなかった。


カチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッ


「お、、おい?」

「ふぅー」


満足気な顔をした空華は海里の方を向き言った。

「生きてるって素晴らしいね」

「は、はぁ?」


そして、頭に向けていた銃口を下げた。

「おい、、、今何発撃ったんだ?」

「ん?」

空華は今までのオドオドした雰囲気とは打って変わり飄々としていた。

そして、ある意味絶望的な答えを言った。


「15発だけど?」


15発、つまり海里は次に15発以上、少なくても16発撃たなければいけない。33分の1から18分の1になっただけではなく、想定していた数を大幅に超えていた。


「ねぇ?」


笑う空華。

まるで今までの空華は演技で、こちらが素のような雰囲気をだしている。

いや、多分だが素なのだろう。


「君はさ、、、俺が銃口を頭に向けた時、嬉しかったよね。自分が1発目に撃たなくてよくなったから」

「あ、、あぁ」

「嬉しそうな顔をしたよね?」


確かにあの瞬間。

顔をにやけをバレないように隠していた。空華があまりにも思い通りに動いてくれたのだから。


「俺はね、そんな顔が今は絶望的な顔をしているね」


「俺はね、その顔が見たかった」


「俺はね、君が絶望的になった時の顔が見たかった」


その言葉を言っている空華は不気味に笑っていた。

それは本当に心の底から笑っているのだろう。


「そ、、そんなもののために、死ぬかもしれないのに15発も撃ったのか?」

「うん。まぁ、死んだら死んだでいいかなって思って」

「お前、命をなんだと思ってるんだ、、、」

「俺を殺そうとしたくせに何を言ってるの?」

「うっ⁉︎」


確かに空華の言う通り、相手を犠牲にして自分は生き延びようとしていた。

でも、それは仕方ないことのはず。だって、それは人なら誰もが自分可愛さになるはずだ。


「あと、18発。海里くん、君は最低でも俺よりも多く、つまり16発撃たなければ行けない。でも、安心してね。運が良ければ最後の2発のどちらかに入っているのかもしれないから」


確率は低いが0ではない。

ただ、1発1発を自分が撃てるのかが問題だ。でも、少しでも希望があるのならそこに賭けるしかない。


「だから、頑張ってね、、、





















、、、、とでも言うと思った?」


そう言うと空華は銃口を頭に向けた。

そしてまた指に力を入れて撃った。


カチッ


またしても弾は入っていなかった。

海里は言葉が出なかった。


「あぁ、その顔いいねぇ、、、絶望的だよ、」


訳がわからなかった。

そして、もう何もかも終わりだと悟った。


「合計16発。これよりも多く撃つとなると17発撃たないといけない。、、、、あれ?今の残りの弾数は33から16を引くから、、、17発。凄いね、ちょうど全部撃たないといけないよ」


「あ、、、あぁ、、」


「さて、何発目に入ってるのかな?あ、そうそう、さっき机に撃った時にも1発目だったって言ったけど、あれは嘘だから」


「、、、、え?」


「本当はゲームが始まる前に俺が近づいて行った時にデルタは弾を入れたんだ。1発目になるように。もちろんシャッフルもしていない。俺がデルタに近づいた時、君たちはデルタというより、俺の方を見ていたろ?」


確かに見ていた。あのオドオドした動きが気になって。


「今までも全て演技だよ。だって、あのようにいかにも弱い人と思っていた相手に負けたってなると、絶望はもっと深くなるよね」


もう、終わりだった。どうしようも出来ない。

今出来ることと言ったら、目の前の銃を頭に向け引き金を引くこと。

死への階段を自分から登ること。


「さぁ、さぁ!楽しい時間の始まりだよ!楽しみだな〜、君の命の灯火が消えたとき、どんな絶望が待ってるんだろう」


不気味な笑顔で空華は言った。
















「さぁ、ゲームスタートだ」



勝者

佐久間空華


敗者

田嶋陸斗

中西海里



〜サンセットルーレット編、ゲームクリア〜

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