表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

最初の犠牲者

あれからどれぐらいの時間が過ぎたのだろうか?

1人目の死亡者、田嶋陸斗はこの世にはいない。

今この場にいるのは俺と空華、そしてデルタ。

陸斗を撃ったデルタはその後、銃をシャッフルして机の中心に置いた。

ただ一言、『ゲームスタート』と言って。

空華も俺も一言も話さない。話せない。

沈黙をすることしかできなかった。それぐらい衝撃的だったのだから。


目的、理由、意味、

その全てが謎だった。

いや、解決する方法はあったのかもしれない。

田嶋陸斗

彼は何かを知っていた。このゲームのことも、このゲームの目的も、、、


しかし、それも不可能になっている。

今できることと言ったら、目の前の銃を頭に向けて引き金を引くことぐらい。それがこのゲームなのだから。


空華を横目で見る。彼は下を向き表情を見ることは出来ない。

今なら銃を手に取ることができるのではないのか?

このゲームはただのロシアンルーレットではない。

違うのは三つ。

一つ目は、順番は決まっていないこと

二つ目は、33分の1ということ

三つ目は、2回目からは1つ前の撃った数を超えなければいけないこと


俺が今1発撃つだけで、空華に対してプレッシャーをかけれる。

今まで見てきた彼の様子からして小心者のように見える。

どちらかは絶対に死ななければいけない。今日初めて出会った空華を助けようとは思えない。そこまでの優しさを持つことは出来ない。

それが出来るのは少年漫画の主人公ぐらいだろう。

残念ながら今は現実。フィクションではない。


俺は悪くない、、、悪くない、、不可抗力なんだ。


目の前の銃を手に取る。

空華もそれに気づいて驚きの目を見せたが、すぐに何かを考え出した。

それを横目で見ながら頭に銃口を向ける。

1発。ただ1発でいい。

指に力を入れる。震える指を。


「ま、待ってください!」

「っ⁉︎」


空華の声に驚き銃を机に投げてしまった。

投げ捨てられた銃は目の前に転がり、銃口をこちらに向けていた。


「さ、さささっきの見ていなかったんですか⁉︎」

「さっきのって?33弾の内、1発目で銃弾が出たことか?」

「そ、それもです」

「それ“も”?」


空華の言っていることは分からないが、多分陸斗を撃った時のことだと思う。

「さっきのは偶然で、今回も1発目とは限らないはずだけど、、、」

「いえ、偶然なんかじゃない、、、、と思う?」

そして、空華は空華なりの考えを伝える。

「机を撃つ前も、陸斗さんを撃つ前もデルタは弾丸をシャッフルしていました。すなわち、2回ともシャッフルした上の1発目だったんですよ、、、、、多分」

「それはつまり?」

「2回ともシャッフルしているフリをして1発目に弾丸が出るように細工をしたんだと思います。デルタはそれが出来るから、陸斗さんを撃つ前も堂々としていた。だから目の前にあるこの銃の1発目には、、、、」

「弾が込められている?」


もし、それが本当なら話が変わってくる。

この最初の1発目をいかにして相手に撃たせるかに変わってくる。


空華の話を信じるならば、、、、


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ