ゲームをする理由
デルタは俺たちの返事を待たずに、テーブルにあるものを置いた。
それは普通に生きていたら目で見ることが無い物。
拳銃だった。
「ひっ⁉︎」
空華は驚きつつも、声に出さないようにしていた。まぁ、声は出ているのだが。
「おい、これはなんだ?」
陸斗は陸斗で怖気付く事もなく冷静だった。
見れば見るほど、2人の性格は真逆だった。
『こちらはリボルバー式の拳銃です。しかし、こちらは特別製となっていまして、弾数が33発となっております』
そう言ってデルタは一枚の紙を出して机の真ん中に置いた。
【サンセットルーレット】
~ルール~
弾数33弾のリボルバー式の銃を使い、ロシアンルーレットを行う。
順番は参加者の話し合いで決めてもよいし、早い者勝ちでも良い。
ただし、参加者、ディーラーに対して暴力行為を行った場合、罰を与える。
~進行~
目の前にある銃を手に取ったものが自分の頭に向かって引き金を引く。
撃つ数は自分で決めて撃つ。ただし、次に撃つ人は前の撃った人の数を超えて撃たないといけない。
(例えば1人目がいきなり5発撃てば、次は6発以上撃たなければならない)
リタイア者が出た場合、また初めからスタートをして最後の一人になるまでゲームを行う。
なお、銃弾は実弾を使う。
書いてある文字を読む。
「なんだよ、これ?」
つい口からこぼれた言葉が部屋に響き渡る。
『どうかしましたか?海里様』
デルタが聞いてくる。
「どうかしたかじゃない!こんないきなり意味の分からない所に連れてこられたと思ったら、なんだよこのルールは⁉︎」
「そ、、そうですよ!このルール通りだったら、、、ふ、2人は死ぬじゃないですか!」
「そもそも、こんなことしなくていいんじゃないか?そうだよ、ゲームなんてしなくてもいいんだよ」
俺は立ち上がった。
この場から出て行くために。
その時に響いた音を聴くまでは。
鳴り響く銃声の音を聴くまでは。