真っ暗な部屋で、、、
真っ暗の部屋。
2人の男と名も知らない屍。そして、拳銃を持つマスクの人物。
どうしてこうなった?
平和に暮らしていたはずなのに、自分はこのようなことは望んでいない。何ごとも起きない日常を求めているのだから。
その日常を取り戻すためには目の前の男を蹴落とさないといけない。この世界から。
事の発端というわけでもないが、まずは俺の紹介から始めよう。
俺の名前は海里、年齢は19歳。
ただの学生。
信じてもらえないと思うが、目を覚ますとここにいた。
“ここ”とは、この薄暗い部屋のこと。この部屋には中心に円形の机が置いてあり、それを囲んで俺たちが座っている。
3人。俺を含めて椅子に座っているのは3人。
右隣にいるのは、田嶋陸斗さん。
陸斗さんは、先程からイライラしているのか貧乏ゆすりが酷い。
初対面のはずなのに第一声が「タバコ持ってねぇ?」だった。割と馴れ馴れしい。
左隣は、佐久間空華さん。
空華さんは終始周りをキョロキョロしていて挙動不審。
年齢は俺と同じくらいかな?人見知りしらしくく、先程から会話をしてくれない。
男が3人。いや、4人かな。
先程からまるで置物かのように立っている仮面の人(性別は分からない)。不気味すぎて誰も声をかけれなかった。
「こ、、、ここは、どこなのでしょうか?」
空華が2人に声をかける。
「さぁ?分かんねぇけど、あいつなら分かるんじゃねぇのか?」
と、陸斗が横目で仮面の人を見る。
「じゃ、、、じゃあ、聞いてみてくださいよ」
「はぁ?お前が聞けよな」
「む、むむむ無理ですよ」
「はい?はい?なんか言いましたか?」
睨みを効かせた目つきで空華を睨む。
初対面のはずなのに上下関係がしっかりしていた。
「わ、、、わかりました、、」
肩を落とし、慎重に仮面の人に近づく空華。
「あ、、、あの、、、?」
「、、、、、」
「え、えと、聞こえますか?」
「、、、、、」
「あの、生きているなら反応してくださいよ、、」
「、、、、、」
何も反応を見せない仮面の人。もう無理だと感じたらしく、空華が振り向き助けを求めてきた。
「あの、、反応がないです」
そして、机の方に近づいて歩き出す。
『時間ですね』
「ふにゃ⁉︎」
空華が驚き地面に倒れる。
俺と陸斗も驚いていた。
今まで反応がなかったのに、急に喋りだしたのだから。
その仮面の人は机の所まで来て立つ。
空華が座るのを待つと、再び話し出した。
『初めまして。私はこのゲームのディーラーをさせてもらいます、名をデルタと言います。
あなた達には今からゲームをしてもらいます。理由などは詳しく答えることはできません』
有無を言わせない声のトーン。
まるでマニュアルを読んでるかのような語り方。
これが、俺たちの命懸けのゲームになるとは考えてもなかった、、、