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6 約束だよ

お待たせしました!最新話です。

更新が遅くなってごめんなさい・・

6 約束だよ


「・・・・・・・・・・どういうこと??」

私は今までにない衝撃を受けていた。

さっきまで涼香と一緒にいた一樹が別の女といることが分かり言葉にならない涼香。

信じたくない、これは嘘だ。そう信じたいが確認をしないと何も始まらない。

私は勇気をだしてさっき一樹と一緒にいると送られてきた麻里へ確認をすることにした。

しかし―――――――――――


「ダメだ!そんな勇気が出ない」

『何で?何で一樹くんと一緒にいるの?』

という分をスマホに打ち込んだがなかなか送信ボタンが押せない。

(どうしよう・・・)

涼香の思いは悪いことばかり浮かぶ。

(もし・・・これを送ったら・・・・・・)

「何で?何で一樹くんと一緒にいるの?」

『は?別にあんたに関係ないでしょ』

「い、いやだって一樹くんは私と付き合ってるし・・」

『はあ?だから何?別にあんただけの一樹くんじゃないでしょ?それともまた、いじめにあいたいの??』


涼香の頭は悪いことばかりが浮かびますます確認しにくくなる。

しかし

「でも、真実をはっきりしたい」

そう決心し覚悟を決めて先ほど打った文を麻里へ

『送信!』

ついに送信ボタンを押した涼香。

するとするに既読になる。

「麻里のやつ読むの早いな」

そう思いながら返信を待つ。

しかしいくら待っても返信は来ない。

刻一刻と時間だけが過ぎていく。時計の針も夜12時を指した。

「遅すぎる!」

送ってから既に30分、しかも既読になっていた。

あきれてこっちから何か送ろうとしたその時

~ピロリーン~

「あ」

やっと麻里からの返信がきた。

「遅かったな。文を打つのに何分かかってんだよ」

少しイラつきながらLINEを開く。

画面の1番上には

「まり」の表示。

すぐさまトーク画面を開く。すると

「うっ」

そこには長文で言葉が書かれていた。

「な、長っ・・」

そこの長い文にはこう書かれていた。

『涼香ちゃん。ごめんね勘違いさせて。さっき送った一樹くんは涼香が付き合っている野田一樹くんとは違って他校の一樹くんだよ、その子は川島一樹くんで私と付き合っているの。しかも送る相手を間違えてね、間違えて涼香に送っちゃったの。本当は別の女友達におくるつもりが。だから決して野田くんじゃ無いから。安心してね、でもこんな勘違いをさせちゃってごめんね。じゃあもう夜遅いから、おやすみ!』


私は驚きよりもただただ呆れていた。

要するに麻里は他校の別の一樹くんと付き合っている、偶然名前も漢字も一緒。そしてそれを間違えて涼香へ送ってしまったみたいだ。

「よ、良かった~」

私は一樹くんの誤解が晴れて安心感に浸っていた。

「まあ、言われてみれば一樹くんが浮気とかするわけないよね」

すっかり安心した涼香はそのまま床についた。



月曜日の朝

いつものように学校へ行く。

私が教室に入るがまだ一樹は来ていない。

「一樹・・・くんはまだ来ていないな。珍しいな」

一樹はいつも涼香より早く来るが今日はまだ来ていなかった。早くしないとHR始まるのに・・・

涼香は自分の席に座り登校してくる一樹を待つが何故か来ない。そして、

キンコーン。

HRが始まるチャイムが鳴った、このチャイムが鳴ってから来ると遅刻扱いになってしまう。

「一樹くんが遅刻とか珍しいね」

近くにいた女生徒も呟く。

「はい。ではHR始めます。」

担任の先生が呼びかけた。するとその時、

「今日は野田は欠席だ、理由は聞いてないがさっき電話があった。」

「え!?」

私は思わず声を出した。

「け、欠席!?何で?」

普段は元気な一樹が欠席とは本当に珍しい。しかしその理由は先生もまだ聞いてないらしい。

「それと来月11日から学年末考査始まるからしっかりと勉強しておけよ」

先生がさらにプレッシャーをかける。

(そうだ、すっかりと忘れていた。来月から学年末のテストが始まる。私たちの3年生進級が掛かっている大事なテストだ。こればっかりはしっかりと勉強しよう!)


結局その日、涼香は一樹のいない学校生活を始めて体験した、涼香にとってこの日は本当に時間が経つのが長く感じた。


放課後

「一樹くん家に行って見ようかな~」

涼香は心配になり一樹の家に行くことにした。

何故今日突然休んだのかを確認するためだ。

一樹の家には数分で着いた。

勇気をだしてインターフォンを鳴らすが・・・・・

誰も出てこない。

「もしかして・・・留守??」

(どうしよう?)

迷っている涼香の元へ1人の住人がやってきた。

「もしかして、そちらの家に用があるのかい?」

見るからに中年のその女性が涼香に尋ねる。

「え、ええ。今日は何か留守みたいで・・・」

涼香が答えると

「確か今日は親戚の結婚式とか言ってたよ」

「え??」

「確か広島の方に遠い親戚がいて今日から明日は結婚式のために出かけるって言っていたよ。」

「ああ、そうなんですか。ありがとうございます」

涼香はお礼をいいその場を後にする。

家路に着く途中

「じゃあ明日も会えないのかな??今日電話したら出てくれるかな」

急に一樹の声が聴きたくなった涼香。

恋人が居ない時に限って無性に声が聞きたいのは何故だろう?

そんな葛藤に迷いながら家につく。

「ただいま~」

と同時に部屋へ直行する。

LINEを開き一樹へ通話する。すると意外なことに一樹はすぐに出た。

『もしもし?涼香??』

「一樹くん!?今時間大丈夫かな?」

『うん。どうかした?』

「いや、何か今日一樹くんが学校を休んでいたから・・・」

『ああ、ごめんね、伝えるのを忘れてたよ。実は俺今日と明日は広島で親戚の結婚式に参加してるから学校休むわ。ごめんな言うの忘れてて』

「うん、全然いいよ。で?いつごろ帰って来るの?」

『そうだな、水曜の夜ここを出るから鳥取には木曜の朝ぐらいに着くよ。だから木曜から学校には行けるよ。』

「ああ、分かった。また逢いたいね2人で!」

『おう、そうだな。それと・・・』

「え?何か言った?」

『いや別に、ただ俺たちも・・・・こうして結婚できたらいいな~ なんてな!』

「もーう。一樹くんったら!!」

『じゃあ俺、もう時間だから・・・』

「うん、じゃあね」

(約束だよ)

一樹は小さな声で涼香との結婚を誓った。


何て楽しいんだろう。離れていてもこうして電話出来るなんて。最高だなあ~

感動の余韻に浸っていると突然私は何か嫌な予感を感じた。

「なんだ!?この予感は・・・??」




そして月日は流れ土曜日。一樹も帰ってきてきた。この日一樹はバイトの面接を受けるため出かけている。私は朝からゆっくりと家でくつろいでいた。

すると涼香の部屋にノックがかかった。

=コンコン=

「はーい」

ガチャ

「なあ涼香」

「なんだ智樹(ともき)か」

「なんだとはなんだよ!」

実は涼香には5つ年上の兄がいた。

智樹はバスケのプロで県の選抜に選ばれたほどの腕前だ。しかも超イケメンでスタイルもいい智樹は周りの女子から憧れの存在となっていた。しかし一樹はこの兄の存在を知らなかった。

「実は今度クラスの友達が誕生日を迎えるから何かプレゼントを買いに行きたいと思うけど何がいいか分からなくてな、女子のお前(涼香)の意見を聞きたいんだ。だから一緒に買い物付き合ってくれないか?」

「はあ?何で私が!?」

明らかに嫌そうな反応だ。

「お願い。他の同級に聞いたけどみんなバイトで忙しそうだから・・・もうこうなったら涼香でいいや。だからお願い!」

「う~ん。・・・・・って、でいいやって何!?」

「まあまあ、とにかくお願い。今はお前の意見が必要なんだ。何かおごってあげるから!」

「ん?」

智樹のおごってあげる、と言う言葉にまんまと釣られた涼香。仕方なく近所のショッピングモールへ立ち寄る。

ジュエリー店、ブランド店、ファッション店・・・など様々な意見が出た。

「そういえば。そのプレゼントをあげる女子ってどんな人なの?」

「え?」

「だから、そのプレゼントをあげる人の好みとか趣味とかわかったら考えやすいでしょ」

「ああ、実は・・・・俺の彼女なんだ」

「!!!!」

私は今日一驚いた。

「え?待って・・・・・智樹って彼女いたの!?」

「え?いたけど。あれ?言って無かった??」

いきなりの出来事で気が動転する私を尻目に

「まあ、その子は・・・誕生日が1月で、ジャニーズ系の大ファンみたいだから・・・」

(ジャニーズ系・・・・・)

「じゃあここはどう?」

涼香が案内したのはショッピングモール1Fのアイドルグッズ店。

「ここになら本当に何でもあるよ。例えばコンサート用のタオルとか、うちわとか生写真とか・・・・・ここで彼女さんの好みを選べばいいと思うよ。」

「へー。こんな店とは始めて知ったよ。ありがとな」

数十分、店内を散策し、ようやく決まったようだ。

「涼香ありがとうな。おかげでいいものが見つかったよ。本当にありがとう。彼女もきっと喜んでくれるよ。  あ、そうだお礼に何か奢るよ。何がいい?」

こういう優しい所もあるのが私の兄。本当に素敵!彼女さんの羨ましいな。

「わ、私何でもいいよ」

「おお、そうか!?じゃあ俺前からここに行きたかったんだ。ここで軽食取ろうぜ」

案内された店を見て私はぎょっとした。

「え?ここ・・・・・?」

そこは2Fにあるテレビを見ながら軽食が摂れると言う店。ここまでは普通だが内装を見てさらに驚いた。そこの内装は入口は超豪華な黄金色で店内に入ると中華店をイメージしたような感じ、さらにこの店には個室もありそこには真っ赤に塗られた壁、さらに天井には大きな龍の絵が書かれている。さらに度肝を抜いたのが床にはびっしりと数字が細かく書かれていた。全く何の意味があるのか?涼香には不明だった。さらにトドメはそこの定員が全員コスプレをしていた。アイドルコスプレもあればかわいい動物のコスプレなど。

そんな店に今から入ろうとしていた。

「な、何かカオスすぎて何も言えないや。斬新だね本当に」

「え~そうか。おれはこんな感じの店は好きだぜ」

(まさか兄にこんな一面があったとは・・・)

涼香は恥じらいもありながらカオスな店に入って言った。


何とか軽食も終わり店から出てきた、2人。

次は何処に行こうかな~と考えていた。私は思わず智樹と腕を組む。

「おいやめろよ、誰かに見られたら・・・・」

「大丈夫だよ。それより次はどこに行く?」

次は映画でも行こうかな~と決めたその時!

見覚えのある学生が目に止まった。

「ん??あの子どこかで・・・」

しかし対して気にせず3Fフロアの映画館へ向かった。



その頃例の学生は・・・

「え?今のって・・・・涼香?」

そう、その学生、実は一樹だったのだ!

一樹はその日バイトの面接が終わりこの店でゆっくり休んでいた。すると偶然涼香と智樹が並んで歩いているのを目撃。しかし一樹はこの2人が兄妹ということを知らず・・・

「あいつめ!浮気か・・・許さない!!」

そう言い何処かへ向かった一樹。

「涼香!絶対に許さない!」



~続く~




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