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4  HAPPY LIFE

4  HAPPY LIFE


「みんなおはよー」

「おお、涼香おはよう」

「おはよ!」

私が学校に行き始めて1週間。私はすっかり学校へいくのが楽しくなっていた。

今でも何故今まで家に引きこもっていたのかが謎のようだ。

でも私をここまで変えてくれたのは・・・・・

その時、

「涼香おはよ!」

一樹が声をかけた。

「きた♥」

「一樹くん。おはよ」

涼香が校門で待っているとそこに一樹がきた。私たちは付き合ってから毎日

一樹と一緒に学校に通っている。だから毎朝いつもこの校門前で待ち合わせをし、2人が来てから揃って登校している。玄関に向かっていると唐突に一樹が

「なあ涼香。聞きたいことあるけどいいか?」

いきなりの訳ありな質問に多少動揺したが

「え??何何?どうしたの?」

「あのさ、涼香が今一番欲しいものって何だ?」

「え?」

私は耳を疑った。

(そんなこと普通に聞けばいいのに何故こんな所で??)

「わ、私の欲しいもの?今は特にないけど強いて言うなら可愛くて白い腕時計かな?」

私はずっと前から綺麗で素敵な可愛い自分専用の腕時計が欲しかった、ずっと憧れていたが金銭などの問題もありほぼ諦めていた。

(一樹くん、そんなこと聞いてどうするのかな?)

「分かった。どうもありがとう」

そう言い何にかにメモをとっていた。

(何だろう・・・??)

涼香にとってはよく分からなかったがとりあえずそのまま玄関へ入る。

涼香たちの学校は校門から玄関まで50m以上ある。とても長いため毎日疲れるが一樹と話しているとそんな疲れも吹っ飛ぶ。

「だって、一樹くんは最高の彼氏だからね!☆☆」

(あ・・・!)

思わず声に出てしまった。

「え?何か言った?」

「べ、別に何でもないよ。さあ行こう」

涼香は口を滑らせた事を少し後悔した。





相変わらず授業は退屈で暇だ。

今は日本史の時間、これほど眠くて怠い授業はあるのだろうか。

「・・・・だからこの年に開かれた新たな政策、それは・・・・」

先生の話が頭入っては抜けていく。

涼香は聞いているのか聞いていないのか微妙な表情で授業に臨んでいた。

私は少しヒマそうにしていると隣の飯田夏()()が話しかけてきた。

「ねえねえ、涼香。ちょっといい?」

「え?え?何が何が?」

だるい授業の中、話す相手が見つかって少しテンションが上がった涼香。

すると夏穂からこんな話を聞かされた。

「実は昨日ね、涼香がテレビに出てたよね。何か警察系のテレビに?」

「はあ?」

私は思わず大きな声を出した。

「え?警察・・系?そんな番組私出てないよ?」

夏穂は明らかに疑った顔をしている。

「いやいや、あれは涼香に似てたから。一体何をしたの?」

「え~。マジで私知らないよ。誰かの見間違いじゃないの?ほら、世の中には自分と似ている人が何人かいるっていうし。」

「そ、そうかな?まあいいや。何かごめんね。   あ、それより・・・どう、最近?」

いきなり最近の事を聞かれたものの何と言っていいのか分からない。

「最近・・・と言うと?」

夏穂は少し呆れた感じで

「だーかーらー。最近の学校の様子だよ。楽しくやってる?」

「うん、まあま・・・・」

言いかけた瞬間ふと思った。

(そういえば他のクラスメイトは私と一樹くんが付き合っていることは知らないよね。大丈夫......だよね。)

「うん。とても楽しいよ、毎日充実してる!」

「そう、それなら良かった。」

「「ウフウフ(´∀`*)」」

仲良く話していると先生から怒りの声が。

「おいそこ!授業中だぞ。私語は慎め!」

さっきまで楽しかった2人の気分は一瞬で萎えた。

((やっぱり授業って退屈だね))

今の夏穂と涼香は同じ事を思っているに違いないと確信した。



授業終了直前私たちのクラスは驚きの事実を告げられた。

「じゃあ今日の授業はこれで終わりだが君たちに1つ発表がある。今始めて聞かされると思うがな」

一瞬で静まりかえる教室内。

クラスの8割は嫌な(悪い)想像しか出来なかった。こんな空気の中でいい発表な訳がない。そう確信した。そして先生が口を開く。

「実はな、来週の水曜日の授業は拡大の2時間だ。しかもテストを3枚!どうだ嬉しいだよ?」

冬が来たかのようにほぼみんなが固まっている。それほど寒く無いのに何故か寒く感じる。

(やっぱり)

(どうせそんなことだと思った)

(あの先生が言う事でろくな事ないから)

(まあ長い説明の授業よりはマシか)

いろいろ思う事はあるが口にできる状況ではない。

「じゃあ授業は終わり。はい、ありがとうございました」

先生はそのままそそくさと教室を出て行ってしまった。

「テストとか最っ悪!!!」

まあ来週だしね。まだまだ大丈夫!

あくまでもポジティブに!そう自分で決めていた。


本当にいろいろあった1週間だったがついにまちに待った週末だ。

土曜日の朝、早く起きた涼香は人生最高の目覚めだった。

なぜなら今日は

「今日は一樹くんと初の1日デート!」

すっかりテンションは高まっていた。しかも今回は初のデート記念で・・・

当然経験したことのないめったにない機会だ。

思い切り楽しもう。しかしまだデートのプランは全然決めていない。前日のうちに一樹から『明日のデートプランは俺に任せて』と言われているが全然連絡が来ない。

連絡が来ない不安とさみしさが自然とこみ上げてくる。

「全く、一樹くんったら。いつ連絡が来るのかな~」

とは言ってもまだ朝の4時。さすがに連絡が来るのは早すぎるかもしれない。

それよりも涼香の起きるのが早すぎると言ってもいいだろう。

デートがあまりにも楽しみで早く起きてしまうのはよくあることかもしれない。

「もしかしたらもうすぐ来るかな?」

そんな少しの期待を抱きながらひらすら連絡を待つ。


朝5時

まだ来ない。

「まあ、さすがにまだ寝てるかな?」


朝6時15分

まだ来ない、

「うーん。でもまだ寝ているのかな?もう来てもおかしくないけどね」


朝7時30分

まだ来ない。

「どうしたのかな?」


段々と不安と焦りが大きくなる。

こっちから連絡しようとしたその時、

着信が鳴った。

一樹からだ。私は待ってました!と言わんばかりに早速通話をする。

「もしもし一樹くん!おはよ。今日のデートなんだけど・・・」

『ごめん!!!!』

「え?」

突然ごめんと言われても理解出来ない。

「ごめんってどうしたの?」

『涼香、本当にごめんな、今日のデート無理だ』

「え???」

私の聞き間違い?と思いながらもう1回聞き返す。

「今何て言ったの?」

『だから、ごめんな、今日のデート無理になった』

私は耳を疑った。

「何で?何で急に無理とか・・」

『ああ、実はな今日予約していたレストランが手違いで予約が通って無かったみたいだって。さっき確認電話をしたらそんな予約知りませんと言われてな。本当にごめん、その店は俺のイチオシで薦めていたばっかりに。お前を招待できなくて。』

「ええ?でもそれ以外は行けるんじゃないの?」

負けじと言い張る涼香。

『うん。行けるのは行けるんだけどやっぱりそのレストランがメインだからな。そこを我慢してくれたらいけるけど・・・・・いいか?』

(しょうがない)

「うん。全然大丈夫だよ。その分楽しいデートにしようね」

涼香は全然怒ることなく自然と合わせてくれた。

『え?いいの?ありがとうな涼香。じゃあ今日の9時に駅前で』

「はーい。了解!」


少しハプニングはあったものの何とか無事に家を出た。

涼香の家から駅までは徒歩で行けるくらいの距離だ。

歩いても30分あれば行けるくらい近い所に住んでいる。

駅に着くが未だに一樹の姿は無い。

しばらく駅を見渡してみると見覚えのある人影がどんどん近づいてきた。

「一樹だ」

一樹は涼香のもとに着くと

「遅くなってごめんな。そしてレストランの件、本当にごめん。せっかく楽しいデートができると思っていたのに」

私も返答する。

「大丈夫だよ。全然気にしていないから。それより今日はどこにいくの?」

既にMAXハイテンションの涼香に驚きを感じながらも

「まだ、ひ・み・つ♥」

「えーー早く教えてよ。一樹くぅーん」

「いーやーだ。着いてからのお・た・の・し・み!まずはバスにのるから。ついてきて」

周りから見たらどんな風に思われているのか、不安になりながらもバス停に向かう。

バス停に着きしばらく待っているとバスが来た。

(どこに向かうのかな)

一樹のデートプランを期待しながらバスに乗り込む。


さあ、これから楽しいデートが始まる!



~第5章へ続く~


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