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チート四人組、学校へ行く……からの婿決定戦(副題:どうしてこうなった?)  作者:


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 学校に転校することが決まった時に簡単にそれぞれ設定を決めていた。

 紫依はまず特徴的である深紅の瞳の色を、カラーコンタクトで黒に変えた。名前は少しだけ変えて、純粋な日本人で、歴史ある神社の一人娘という設定となった。

 それからオーブは、日本文化に興味を持って紫依の家にホームステイをしている貴族令嬢という設定で名前もそれらしく作った。

 ここまでならオーブも良かった。予想範囲内だったからだ。


 だが、ここで蘭雪から追加宣言が出た。


「ついでだから朱羅も転校して。設定は……そうね、日本文化オタクのアメリカ人。日本語は独学で学んでいて問題なく話せる、資産家の息子ってところかしら。それにあわせて名前もファミリーネームだけ変えましょう」


『は?』


 これには珍しくオーブと朱羅の声が重なった。驚く二人を無視して蘭雪が淡々と説明をする。


「オーブは同級生ってことで、ずっと側にいるけど、もし離れたところで何かが起きていたら、それを察知するのに他学年の生徒がいたほうがいいでしょ?朱羅なら顔を隠せば三年生として転入できるわ」


 蘭雪の無茶ぶりにオーブが手を上げて止める。


「ちょっと、待て」


「何?」


「朱羅が何か起こしても、オレはフォロー出来ないぞ。他学年のフォローはきつい」


「自分で起こしたことぐらい、自分で処理出来るでしょ?」


 蘭雪が朱羅に視線を向けると、朱羅は心外そうに頷いた。


「そもそも、何かを起こすつもりもない」


 その言葉を聞いてオーブがテーブルに突っ伏す。


「無自覚かよ、世間知らずのくせに。一番、性質が悪いパターンだ」


「と、いうわけで、私も潜入するから」


 蘭雪の最終発言にオーブが体を起こす。


「なんで!?どこから、どう繋がって、というわけで、になったの?しかも潜入?どうやって?蘭雪の外見だと生徒は無理がある年齢だろ?どう見ても大学生ぐらいにしか見えないぞ」


 オーブの叫びに蘭雪は妖艶な微笑みを浮かべた。


「それは、お楽しみよ」


 ウインク付きの良い笑顔なのだが、オーブは背筋が凍った。






 その時の状況を思い出したオーブは、両手で腕を押さえて軽く震えた。


「初日から、こんなんで、これからどうなるんだ?」


 そんなオーブを紫依が少しだけ首を傾げて見る。

 三人は部室にある小さな舞台の前で椅子に座っていた。これから紫依が主役を演じる予定である劇が始まるところであり、幕開けを待っているのだ。

 先ほどまで劇の準備をしていた部員たちは、裏方に回っているため周囲に生徒はいない。


 オーブは小声で紫依に耳打ちした。


「さっき、朱羅がドアに来る前から入り口を見ていただろ?あれは、するな。普通の人はドアの向こうに誰が来ているかなんて分からないからな」


「そうなのですか」


 無表情で淡々と頷く紫依にオーブは心の中で頭を抱えた。


「一般常識を教えておくべきだった。いや、そもそも学校に転入しなければ……」


 顔は笑顔のままで、まっすぐ舞台を見ているオーブだったが、心の中では後悔と葛藤している。


 その隣では紫依が朱羅の髪を触っていた。


「こんなに前髪が長いと目にかかって邪魔ではないですか?」


「前髪は鬱陶しいが困るほどではない」


「そうですか。ところで、どうやって髪の色を変えたのですか?」


「蘭雪がわざわざ染髪剤を作ったからな。それで染めた」


「不思議な感じですね。今度、私も髪の色を変えてみましょうか」


 紫依の発言に前髪で隠れた朱羅の瞳が丸くなる。そして、どこか優しく微笑んだ。


「そうだな。面白いかもしれないな」


 そこに葛藤していたオーブが可愛らしい声で忠告した。


「劇、始まる。静かに」


 静かに曲が流れ始めて、ナレーションとともに幕が上がった。


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