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チート四人組、学校へ行く……からの婿決定戦(副題:どうしてこうなった?)  作者:


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長選定

 風真はリビングのソファーに座ると、自分を囲むように座っている三人を見て念押しした。


「全て話すが、先走るなよ。隠れ里を崩壊させたりするなよ。あんな里でも紫依にとっては自分が育った故郷だからな」


「わかっているわよ。いいから、早く言いなさい」


 蘭雪に促されて風真は渋々話し始めた。


「お婆様が次の長の選定をすると発表した、という連絡が(つむぎ)叔母さまからあった。それで僕は急いで日本に戻ってきていたんだ」


 そこでオーブが先生に質問をする生徒のように手を挙げた。


「紬叔母さまって誰?」


「紬叔母さまは母様の妹で、僕に隠れ里の情報を教えてくれる人だ」


「で、その選定と紫依がどう関係するの?」


「龍神家では長になるのは男も女も関係ない。長の伴侶、もしくは長の第一子がなることが決まりなんだ。だから、次の長は第一子である母様の予定だった。だけど母様が亡くなっているため、母様の子どもであり第一子である僕にお鉢が回ってきた」


「なら、それでいいじゃない」


 蘭雪のあっさりとした言葉に風真が眉間にしわを寄せる。


「僕は長になるつもりはない。ならないために、隠れ里の連中にはワザと悪い印象を与えてきたし、あいつらも僕のことは異国人の血が混じっていると言って、長になることは反対している」


「なら、次の候補は?」


「血統のことも考えると紬叔母さまのはずだったんだ。だけど紬叔母さまが自分はそんな器ではない、と拒否した結果、紫依の名前が挙がったというんだ」


「でも、紫依だって風真と同じで異国人の血が混じっているのよ。矛盾しているじゃない」


 蘭雪の指摘に風真が頷く。


「そうなんだ。そうしたら今度は、紫依を一族の誰かと結婚させて異国人の血を薄めるっていう話が出たらしいんだ。そして、長には紫依と結婚した伴侶の方がなる、と」


「へぇー。そうなの」


 蘭雪は普通に相槌を打ったが、その言葉の中に怒りが凝縮されまくっていた。その声色だけで、蘭雪の怒り度合が図れる。


 風真は何も考えずに言ってしまったことを後悔しながらそっと蘭雪の顔を見た。すると、美しい微笑みの後ろに般若の姿が見えた上に、その般若と目が合ってしまった。その形相に風真が本日二度目の石化をする。


 そんな光景を無視してオーブが風真に質問をした。


「つまり、紫依は次の長の嫁として隠れ里の連中に連れて行かれた、というわけか?でも、それなら大人しく連れて行かれるとは思えないけどな」


 なんとか自力で石化を解いた風真が説明をする。


「そ、それは……たぶん、お婆様のことが気になったのだろう。次の長の選定をするということは、長が自分の余命が残り少ないことを悟ったということだから」


「まずいわね」


 般若を消した蘭雪が顎に手を置いて少し俯いた。


「紫依は今、身内の死に敏感になっているわ。フラッシュバックしたことは覚えていなくても、精神的には不安定になっているところがあるわ」


「できるだけ精神を刺激しない方が良いんだけどな……そういえば、紫依の結婚相手の中に寛鐘って名前の奴はいるか?」


 オーブが知っているとは思っていなかった名前が出てきて風真が驚く。


「どうして、その名前を知っているんだ?そいつは自分の息子を紫依の婿にしようとしている一番、厄介な奴だ」


「これで繋がったな」


 納得しているオーブの隣で蘭雪が微笑む。


「あら、それは好都合ね。他人を使って紫依に手を出そうとしたお返しをたっぷりとしないと。内臓が溶ける毒を盛ってやろうかしら……それとも、全身を針で刺される痛みを一生続くようにしてやろうかしら……あ、手足が少しずつ、もげていくのもいいわね」


 不気味な笑い声とともに物騒なことを言っている蘭雪を放置して、朱羅が風真に訊ねる。


「君の父親はこのことを知っているのか?」


「隠れ里の連中が紫依を結婚させようとしていることは伝えた」


「そうか」


 リビングから出て行こうとする朱羅にオーブが声をかける。


「おい、どうするんだ?」


「やることがある。そっちは自由に動いてくれ」


 それだけ言うと、朱羅はリビングから出て行った。


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