表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート四人組、学校へ行く……からの婿決定戦(副題:どうしてこうなった?)  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/70

兄登場

 桜葉の化粧を終えたオーブは学校から出ていた。

 家に向かって通学路を走っていると携帯電話が鳴った。


「何かあったか?」


 オーブの問いに電話の相手である朱羅が答える。


『紫依の携帯電話を見つけた。壊されて捨てられていた』


「場所は?」


『住宅地の中にある公園の植木の中だ』


「すぐに行く」


 オーブが朱羅に指定された場所に着くと、朱羅が壊された携帯電話を分解していた。


 朱羅はオーブを見て地面を指さした。


「状況が分かるか?」


「聞いてみる」


 オーブは屈むとコンクリートの地面に手をつけて目を閉じた。


「……男……三人組。紫依と知り合い。抵抗した様子なし」


 それだけ言うとオーブは立ち上がった。朱羅が分解した携帯電話から無傷だったメモリーを取り出す。


「知り合いということは、だいぶん絞れるな」


「あぁ。早く家に帰って、それを分析しよう」


 二人は人目に触れることなく素早く走り出すと真っ直ぐ家に帰った。そして玄関に入ると同時にガレージのシャッターが自動で開く音がした。


 ガレージには車が数台停められる広さがあるが、現在は蘭雪の愛車が一台停車しているだけだ。そして、その運転手は家の中にいるためガレージのシャッターが開くような状況ではない。


「どうしたんだ?」


 オーブが首を傾げて玄関ホールからガレージに繋がっているドアを開ける。すると一台の車が勢いよく突っ込んできた。


「おわっ!危ないな!」


 驚くオーブの前で車が停車して運転席のドアが開き、一人の青年が慌てるように下りた。


「紫依はいるか!?」


 そして目の前で顔を突き合わす形となったオーブの姿を見て青年は固まった。


「……どちらさまですか?」


 青年からようやく出た言葉にオーブが苦笑いをする。


「いや、どちらさまも、なにもオレだよ、オレ。オーブ・クレンリッジ」


 その言葉に青年の黒い瞳が丸くなったが、納得したように頷いた。


「オーブ……やっぱり女性だったのか」


「その、やっぱりってなんだよ!オレは生まれてから、ずっと男だ!」


「では、その恰好は?」


 青年がどう見ても女子の制服にしか見えない服を指さす。オーブは軽く手を横に振った。


「詳しいことは、後で説明する。今はそれどころじゃないんだ」


 オーブの言葉に青年も用事を思い出して叫んだ。


「そうだ!こちらも、それどころではないんだ!紫依はいるか?」


 二度目の質問に朱羅が淡々と答える。


「行方不明中だ」


 朱羅の姿を見て再び青年の黒い瞳が丸くなる。


「その髪はどうしたんだ?それに伊達メガネまでかけて」


「後で説明する。それより先にすることがあるだろう?」


 朱羅の言葉に青年が再び目的を思い出す。


「そうだ!行方不明とは、どういうことだ?」


「現在、分かっていることは、紫依の知り合いが、紫依をどこかに連れて行ったということだ」


 朱羅の回答に青年が項垂れる。


「くそっ!遅かったか」


「何か知っているのか?」


「こちらの問題だ。失礼した」


 そう言って再び車に乗り込もうとする青年をオーブが羽交い絞めにする。


「知っているんだな?」


「き、君たちには関係な……」


 青年の言葉が不自然なところで切れる。足元から殺気混じりの暗い気配が漂ってきたのだ。


「誰が関係ない、ですって?」


 声がした方に青年が恐る恐る視線を向ける。すると、そこには背後に数十匹の蛇の幻影を背負い、メデューサと化した蘭雪がいた。その姿をもろに見てしまった青年が石化する。


 オーブは動かなくなった青年から離れて蘭雪に声をかけた。


「何か分かったか?」


「隠れ里の連中が動いているみたいだから、風真に訊ねたんだけど、結果がこれよ」


 朱羅が呆れたような視線を石化した風真に向ける。


「何も言わずに直接ここに来たというわけか」


「役に立たないなぁ」


 オーブの言葉に自力で石化を解いた風真が怒る。


「役に立たないとは失礼だろ!」


「じゃあ、役に立つ情報を持っているのか?」


 オーブの問いに風真が言葉を詰まらす。その様子に朱羅は風真の腕を掴んで歩き出した。


「知っていることを全て話してもらおう」


「だ、だから、君たちには関係……」


 蘭雪が風真の視界に入って妖艶な笑みを浮かべた。


「ない、と言うの?」


 絶世の美女の笑みであり目に麗しい姿のはずなのだが、風真には畏怖の象徴にしか映らなかった。


 蘭雪の脅迫に負けて大人しくなった風真は、市場に売られる子牛のように大人しくリビングに連行された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ