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チート四人組、学校へ行く……からの婿決定戦(副題:どうしてこうなった?)  作者:


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紫依の家系

 紫依はしっかりと権守の左手を握ったまま平然と言った。


「爪と指の間に刺します」


 紫依の発言に権守が咄嗟に左手を引こうとしたが、まったく動かせない。


 紫依の力の強さに驚きながらも権守は平静を装いながら質問をした。


「どうして、そんなことをするんだい?」


 紫依は床に転がっている男を見ながら答えた。


「あなたが依頼主だということは、この方からお聞きしました。私を誘拐しようとした目的を話していただこうと思いましたが、否定されるようなので話したくなるようにします。まずは、全ての指に竹串を刺していきます。あとは全ての爪を剥いで、その次は指の骨を砕いていきますので、お好きなところで自白して下さい」


 軽く微笑んだまま淡々と話す紫依の姿に権守は全身から汗が噴き出していた。


 相手に同情など一切なく、やると言ったら本当にやるという意思が伝わってくる。完全無欠なまでに整った綺麗な外見で作業のように事を進めようとする姿はまさしく人形だ。


 権守は慌てて首を横に振った。


「待って。僕が依頼主だという証拠はあるのかい?」


「あなたが、この男性を見た時に分かりました」


「な!?そ、それだけ?それじゃあ、証拠にならないだろ?もし、間違っていたらどうするんだい?」


「いえ、あなたがこの男性に指示したことは間違いありません」


 きっぱりと断言する紫依に権守は一生懸命、余裕の表情を作りながら奥の手を出した。


「き、君は龍神家の分家の家系だろ?僕を傷付けたら厄介なことになるぞ」


 権守の言葉に紫依ではなく朱羅が一歩前に出てきた。


「厄介なこととは何だ?」


 朱羅が話にのってきたことで権守は少し余裕を取り戻して説明した。


「僕は龍神家の本家の人間と親しい間柄なんだ。分家の人間としては本家の人間を敵に回したくないだろ?」


 権守からの確認の言葉に紫依が無表情になって訊ねた。


「本家のどなたと親しいのですか?」


「龍神 寛鐘だ。本家の中でも一部の人間しか許されていない長と直接面会が出来るほどの力の持ち主だ」


「寛鐘おじさまですか」


 頷く紫依に朱羅が訊ねる。


「知り合いか?」


「はい。お婆様の弟の息子になる方です」


 その説明にオーブが首を傾げる。


「たしか今は紫依のお婆さんが長だったわよね?その弟の息子って本家になるの?分家のような気がするけど?」


「私も本家と分家の境はよく知らないので、なんとも言えませんが……ただ、お婆様の弟は、寛鐘おじさまが生まれてすぐに亡くなったとお聞きしています。で、私があなたを傷つけたら寛鐘おじさまが、どうされるのですか?」


 話を振られた権守はそれよりも耳を疑った言葉について質問をしていた。


「いや、その前に君は龍神家の分家の末裔じゃないのか?お婆さんが長とは、どういうことだ?」


 質問をされた紫依が首を傾げながらオーブを見る。すると、オーブは何かを思い出したように手を叩いた。


「あ、紫依が龍神家の分家というのは私が作った偽情報だから。紫依は本家中の本家の人間。長の孫よ」


 オーブの説明に権守は何も言えずに冷や汗をかいたまま黙った。


 紫依が分家の末裔であれば家を潰されるぞ、と脅せたのだが、長の孫であれば話はまったく変わってくる。


 権守がこの危機をどう乗り越えるか頭をフル回転させていると、厨房から無情な声が響いた。


「紫依、竹串あったわよ」


 そう言って蘭雪が竹串を持って厨房から出てきた。


「ありがとうございます」


 紫依が微笑みながら、躊躇いなく竹串を受け取る。そして権守の左の小指に竹串を当てた。


「では、さっさとしていきますので、自白する気になりましたら言って下さい」


 淡々とした紫依の姿に、権守は脱力して床に座り込んだ。

 左手は紫依にしっかり握られているため片手だけ上げているが、顔を俯けたまま呟いた。


「僕の負けだ。全部……話す」


 その言葉に紫依があっさりと権守の左手を放す。


「では、話して下さい」


 権守はゆっくりと立ち上がるとソファーに沈み込むように座った。


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