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チート四人組、学校へ行く……からの婿決定戦(副題:どうしてこうなった?)  作者:


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学校生活~保健室編~(後編)

 蘭雪が妖艶な微笑みを浮かべてオーブの制服についているネクタイ型のスカーフに手を伸ばした。そのままスカーフを解き、オーブの白く小さな顎に手を添える。


「え?まさか……オレ、巻き込まれるの?」


 顔をひきつらせるオーブを無視して、蘭雪が顔をゆっくりと近づけていく。


 そこにタイミングよく保健室のドアが開いた。


「失礼します。先生、膝を擦りむいたのですが……」


 そう言って入ってきた男子生徒二人はそのまま立ちすくんでしまった。


 保険医の黒髪に隠れるように金髪の美少女の顔がある。その二人の距離はとても近く、ほとんど重なっている。


 男子生徒の存在に気が付いた美少女が、保険医に取られていたスカーフを奪うと、口を押えて顔を真っ赤にして走り去っていった。


 突然の光景に茫然としている男子生徒に、保険医がいつもの妖艶な微笑みを向ける。


「怪我をしたの?傷口は洗ってきた?」


「……あ、はい」


 こうして保険医は何事もなかったように通常業務に戻った。そして、巻き込まれた美少女は……


「新しい噂のネタを提供して古い噂を揉み消すなんて、そう上手くいくかよ!」


 と、一人屋上で叫んでいたとか、いなかったとか。





 だが、実際はオーブが予想していたより新しい噂はすぐに広まっていった。そして古い噂が消えかけていた頃、太った男子生徒は登校をしてきて一番に保健室に現れた。


「先生のおかげで助かりました。病院の先生からも、あと一回発作を起こしていたら命が危なかったと言われました」


「これに懲りたら、もう少し食生活を改善しなさい」


「はい。今はダイエットしています」


 そう言うと同時に二週間前より少しだけ痩せた男子生徒のお腹が鳴る。


「まあ、気長にね。半年から一年ぐらいかけて標準体重を目指しなさい」


「そんなにゆっくりでいいんですか?」


「いきなり体重を落としてもリバウンドするだけよ。それに今も結構、食事量を減らしているんじゃない?」


「はい。カロリー調節をしているんですが量が少なくて……」


「カロリーで計算しているの?」


 少し驚いたように言った蘭雪に男子生徒が当然のように頷く。


「はい。カロリーが高い肉や油を減らして野菜や果物を増やしています」


「野菜はいいけど、果物の取りすぎはダメよ。一日にバナナ一本とかリンゴ半分とかにしなさい。あと、肉もそんなに減らさなくていいわ。脂肪が多い肉はあまりとらないほうがいいけど、お腹が空くなら脂肪が少ない赤身肉や鶏肉を食べなさい。あとは魚や野菜を増やして、もう少し空腹感を感じないようにしなさい。でないと、続かないし、返ってストレスになるわ。あ、でも芋は炭水化物だから野菜と思って食べないように」


「え?でも、それだとカロリーが……」


「人間はカロリーだけで生きているわけじゃないわ。カロリーが高い油ばかり摂取していても生きられないでしょ?ちゃんと必要な栄養を取らないと。特に良質のたんぱく質は重要なのよ。それにビタミンとミネラルを含んだ野菜ね。その代わり炭水化物はあまりとらなくていいから。と、いうか今の量より増やさないように」


「は、はい」


 明らかに戸惑っている男子生徒に蘭雪が微笑む。


「ダイエットをするのは、あなたよ。あなたが続けられると思う方法で続けたらいいわ」


「……わかりました。ありがとうございます」


 少し悩んだ後、はっきりと礼を言った男子生徒は足取り軽く保健室から出て行った。


 その姿を見送った蘭雪がベッドをしきっているカーテンに声をかける。


「いい加減に出てきたら?と、いうか、別に姿を見られても良かったんじゃない?」


 蘭雪の声に応えてカーテンの後ろに隠れていたオーブが出てきた。


「あんな噂が流れるように仕向けといて、よく言うな!保健室に二人でいるところは絶対に見られないようにするからな!」


「噂ぐらい別にいいじゃない。ちゃんと寸止めしたんだから、事実は噂とは違うし」


「そういう問題じゃない!」


 蘭雪が意図的に流れるように仕向けた噂のせいでオーブは一部の女子生徒からもラブレターをもらうようになっていた。


「この噂が消えるような出来事が起きないかなぁ……」


 オーブの願いは少しして叶えられるが、そのことによってオーブがもう一苦労することになるのは、もう少し先の話である。


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