亡骸
「あーくそ、また亡骸だ」
「運が悪いねえ」
俺たちは亡骸堀りに来ている。ただの亡骸ではない。レアな亡骸を求めている亡骸収集家は全世界探しても俺らしか居ない。今ここにいる場所は昔戦争が起きた場所であり様々な
亡骸が眠っている。亡骸を漁り宝を盗って行くのは俺らの仕事ではないのであしからず
「これ、いい亡骸じゃない?」
相棒が俺に亡骸を見せてくる。この亡骸は1940年代の亡骸で死因は毒死だ。
「40年代」
「レアじゃないねえ」
相棒は亡骸を40年代と雑に書かれた箱に置く。俺らが探しているのは3桁代の亡骸、この前違うところを掘ったら首塚だったみたいで沢山首が埋められていたのはびっくりしたがおかげでコレクションが増えたというもの。
「私もレアな亡骸欲しいなあ。」
「そのためにも探そう、亡骸を」
相棒が元気良く頷くと、私達は疲れも忘れて亡骸を掘る。こんなことをしても私達を注意する者はこの星には存在しない。二人はいずれ星中の亡骸を見つけ、掘り起こすだろう。それがいくら貴重な亡骸でもそれが貴重とわかる人がもう存在しないのだから躊躇いは無い。この男があくまで貴重と言うのは収集家として見てということであるだけなのだ。
「ここら辺は終わりだね」
「じゃあ掘り起こした亡骸は再度と燃やして粉上にして地面に埋めようか」
勿論墓も何もないのでこの亡骸がどういう亡骸なのかもわからない。貴族だったのかもしれないし庶民だったのかもしれないし罪人なのかもしれない。死因はわかるといっても綺麗な亡骸のみで古い亡骸は死因などわからない。とうの昔に眠りに付いた人が再び起こされ、二人の玩具にされる。いつまでも解放されることなく。未来永劫囚われ、地に帰ることも出来ずに保管される。彼等の唯一の幸運は死した後には感覚が全くなくなり何をされてもわからないということだろう。二人の亡骸収集は、止まることなく続いて行く。終わる時はこの星に亡骸が無くなる時か彼等が死してこの者たちと一緒になることであろう。
雨も降らないこの星で、掘られていざ燃やさんとする少女の手に持たれた頭部の亡骸の目から一滴の水が滴り落ちたが少女は気付くことなく、炎の中に入れられ水ごと蒸発する。気のせいかその炎はいつもより消える時間が少し長かった。まるで最後に自らの存在を示すかのように。




