密かに膨らむ小さな蕾
チャラチャチャ~
ユイ太さんからのメール。
ユイ太さんは、話したがらない。自分のことを…
最近のメールの内容は、違和感を覚える。
1か月前ぐらいから最後の文字にあと○○日の文字があった。
○○は、日によって違う。あと21日ってのの次が。15日ってなっていたり、すごい不規則にカウントされていた。
ユイ太さんに聞いても答えてくれなかった。
これまであまり気にしていなかったが、なぜかこの事件にものすごくかかわりがあるような、そんな気がした。
今日からまた、学校生活がスタートする。
めんどくさい。
「サボろっかな……」はぁ~
そういいながら、ため息をつく。
「れん、おはよう!」
「おはようございます、レンさん」
「おはよう。2人で登校?仲いいんだね」
今のはちょとそっけなさ過ぎたかな?
翔の事だし気にしてないとは思うけど……
「そーなんだ!!!俺達は仲良くやっていかないとダメなんだよ!」
「なんで、そんなに熱く語ってんの?てか、誰に言ってんの?」
「ひど!レンに言ってんの!」
「秋穂ちゃん、こいつうるさいよね。どうする?無視しようか」
「えっ…わかりました」
「ちょ、れんお前なんて事言うだよ!秋穂ちゃんも答えなくていいから!」
「ごめんごめん。悪ふざけしすぎたよ」
「わかればよろしい!」
「レンさんってそんなキャラでしたっけ?私、無口キャラだと思ってました」
こんなこと言われるのは初めてで驚いた。
「レンはねー、俺に向かってだけこうなんだよ。秋穂ちゃんは学校違うから知らないかも知れないけど、文化祭のミスコンに強制参加させられるほど人気あるんだよ~普段はそっけないけどね」
思い出したくない過去をサラサラと言ってくれる。
なんでこいつは、いつもこうなんだ?不思議に思う。
「あっ!ここでお別れですね」
「そっか、じゃあね」
秋穂ちゃんはペコペコ頭を下げて歩いていった。
「秋穂ちゃんってすごいよね。百合ヶ丘学園にかよってんだよ!顔で選んでるんじゃないかって噂がたたないあそこにさ!」
「うん、すごいと思うよ。俺たちは絶対はいれないけどね。中高一貫の女子校だから……もしかしてお前あそこに入りたいわけ?」
「違うよ!レン酷い。レンのバーカ」
「馬鹿って小学生かよ」
こんな他和いもない会話をしているうちに学校についた。俺たちの通う、盟修学園に。
「席につけー。ホームルームはじめるぞ」
ガタガタガタ
全員がいっせいに座り始めた。
「今日から3学期が始まる。来年は3年生。気を引きしめて生活するように!!!」
「は~い」
全員が声を合わせて言った。
「レン~今日さ、11時半に学校終わるじゃんカラオケ行こ!!!」
「嫌だ」
「なんで?どうして!こんなに俺、楽しみにしてたのに!!!」
「どうしても何も、なんでお前にはそんなに計画性がないんだ!そんなに行きたきゃ、別の人連れて行けばいいだろう?」
「それじゃダメなんだって!!!レンとじゃないと心の底から楽しめないんだって!」
「何バカなこと言ってんの?正気?」
「正気だよ~。別の人と行くとレン何してるかが気になっちゃってカラオケどころじゃないの!!!」
ドキッ……この気持ち何があっても隠そうって決めたのに、翔の一言でゆらいでしまう。
翔に嫌われたくない。もし俺のこの気持ち翔が知ったらどうなるのか……考えるだけで怖くなる。
「やっぱり今日はやめておくよ」
「そっか。って顔赤いけど大丈夫?熱あるんじゃない?!」
「大丈夫だって!」
「そんなのわかんないよ。前、8度あったときもそういって逃げて学校休んだよね!」
「だから、そんな心配しなくても…」
コツッ……
「熱はないみたいだね。でも、今日は早くかえってちゃんと寝てよ!」
お前のせいだ!!!と思いながら、俺は家に戻った。