巫女と付き神
「わぁ!意外に広いね!」
裏屋に入ると、事務所のような空間が広がり、ひんやりとした空気が流れ込んだ。
「観察は後。依頼は明日なんだから、それまでに慣れるのよ。まぁ、座って」
サラはソファーに腰掛けた。あたしも同じように、向かいのソファーに腰をかけた。
「サキ、あなたは神に選ばれた巫女なの。私も巫女だから、あなたと同じ。この世界はミラーワールドと言ってね、地球とそっくりなの…。でもね、ココには選ばれた人と罪人しか入れないわ。罪人は、牢獄にしかいられないけどね」
「あの…もっと簡単にして…?」
「簡単…に言えば……」
サラの言った事はこうだ。
ミラーワールドは罪人を裁くための世界。ここには大きな牢獄があって、地球での罪人、依頼の内容にもよるがお願いされた人を麻酔銃で打ち、牢獄へ飛ばす。それを行うのはどうやら能力のある選ばれし巫女。
それがあたし、と言う事らしい。
巫女に選ばれた場合、地球では死んだ事になる。
あたしは何死かな…?
「あなたは魔術を使えるわ…。基本巫女は、物を操る事はできるはずなんだけど…」
「あたし、何も出来無いよ?」
「今はね。あ、付き神がまだね」
「つきがみ?」
「そう。私の付き神は、リリー。出てきて、リリー!」
サラが叫んだ。その時、ボンっと煙が現れた…
「ケホッ…何これ~!」
「リリー、演出いらないから」
「うにぃ~。サラ、つめたいにょ~」
煙がはれると、小さいウサギみたいな、まるい生き物が現れた。
「んに⁈サラ…知らないのがいるにぃ…」
「新人の巫女、サキよ」
「ありゃ、巫女さんだったんに。リリーですにぃ。サラ、付き神はつれてくるに?」
「えぇ、お願いね」
「りょーかいですにぃ!」
…ポワン
小さな煙と共にリリーは消えた…
「何なにあの子~!可愛い‼」
「あれが、付き神」
付き神って言われたから、人かと思った。…まさか、動物だったなんて…!
…ボンッ
再び煙が吹き出した。
「ひゃっ…」
三度目でも驚いた。理解の難しい世界だ。
「プニ二ィ!」
煙がまた晴れた、と同時にあたしに抱きついてきた生き物…
「…アザラシぃ⁉」
「アザラシじゃないプニ~!マリンだプ!」
マリンはあたしの肩に乗ると、まんまるのカラダをぴょこぴょこと動かした。
「マリン?あたしはさつ……サキ。サキだよ!よろしくね!」
「サキ。よろしくプゥ」
可愛らしいマリンを撫でているあたしに、サラが声をかけた。
「マリンに、わからない事があったら聞いて…。明日またくるわ。いくわよリリー」
「んにぃ~!」
裏屋にはあたしとマリンが残された。
「サキ、今日はもう寝た方がいいプ二」
「え?」
「寝れば能力が出るニィ!何かあったら呼ぶプニ。じゃあまたプ二」
ポワン…
「…ってもう寝るの⁈」
あたしは部屋回りをすると、寝室のような所を見つけ、ベッドに入った…。
寝れるわけないと思ったが、目を閉じるとフと意識が遠のいた……
内容が浅いかもです。
感想まってます。