表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

謎の依頼


眩しい日差しがカーテンを超える。

「…もう、朝ぁ?早い…ふわぁぁ。眠っ」


華原沙月。高3で、栗色のショートヘアーが自分でのお気に入りポイント。

生まれつき茶髪だったらしい、それはお姉ちゃんのサイラと同じ。サイラお姉ちゃんは、あたしが小さい事に事故で死んじゃったんだ。

「沙月~!起きなさぁい」

お母さんの朝の決まり文句。飽きるくらい毎日聞く言葉。

「起きてる~‼」

あたしの返事も毎日同じ。

ノソッとベッドからおりる。ふと机の上に置かれた手紙。

丁寧に封筒に入ってる。


「何だこれ?」


気になって、便箋を広げてみる。


『サキさん。

初めて依頼します。私をしつこくナンパしてくる人が、今ストーカーしてきて困っています。詳しくは明日、裏屋に訪問します。お願いします。

明里』


綺麗な字で書かれた依頼。

謎がいっぱいだが、まずあたしはサキではない。人違い?にしてもなんでここに?

「沙月、起きてないでしょ~‼」

あっ、やべっ‼


「はいはぁい!」


あたしは急いでリビングにでた。




「ギリギリセーフ‼」

学校に滑り込むようにしたからか、クラスメイトには笑われたが、間に合った。

高3で遅刻は、将来響くのでヤバイ。


授業を受けても、頭に入らない。



「では、今日は終わり‼」

「終わった~」

「お前は全部寝てたろーが」


グーっと手を伸ばすあたしにすばしっこいツッコミが飛ぶ。

「アハッばれた⁇千絵は起きてたの⁇」

「当然!」


千絵は高校入った時から三年同じクラス。親友と呼べる仲になった。

結局、授業は寝た。全部。


歩き慣れた下校道。

暑い日差しに、夏を感じさせられる。


「たっだいまぁ!」

「あ、おかえり」

「ちょっと出かけるー!」

「制服で?」

「うん、いってきます!」


お母さんは仕事休みらしい。いつもは夕方に帰ってくるから、昼間にいるのは珍しい。


人通り少ない道に入った。家からも少し遠いけど、導かれるように、ここにきた。


パァァン‼


どこからか聞こえる音。

キョロキョロと周りをみると、トンネルが見えた。

「あっ…」

トンネルを覗くと、少女が銃を持っていた。銃の先には、男の人。


「さぁ、牢獄へ行きなさい‼」


ピカァァァ…


眩しい光。目を閉じると共によみがえる記憶。目を開くと、男の人はいない。

あたし、前にこんな事あった…


「久しぶり、ね」

少女が振り返る。少女と目が合って、驚いた。茶髪にサラサラヘアー……

「あっ…サラ…さん」

「思い出したのね。待っていたわ」


目の前にいるのは、昔にあった、サラさん。


「さぁ、依頼主がくるわ。行きましょう」

あたしと同じ年に見える。サラさんはあたしの手をとった。


「華原沙月さん、あなたをミラーワールドの巫女に任命します」


「み…こ?」


「沙月、あなたはこれから、サキ、として生きるの。ミラーワールドでは、本名は使えないわ。いい?」

「あの…話についてかない」

「後で話すから。目を閉じて?」

「うん…」

言われた通り、目を閉じた。


「3…2…1……」


フワッとした感覚がカラダを包む。


「目を開いて?」


そっと目を開くと、見知らぬ草原が広がっていた。


「わっ…!」


変わったのは、場所だけではない。服までが変わっていた。

ピンクのワンピは、ゆったりめで、動きやすい。

「…ここは?」


「……」


黙り込むサラさん。その目はどこか悲しげで、寂しそうな目だった。


「サラさん?」

「サラでいい」


サラの目から、雫がこぼれる。

「サラ…?」

「ごめんッ…。……あなたに、言わなければならない事があるの…」

「えっ…⁇」



「あなたは…死んだ事になったの……」



サラは目をそらさずに続けた。


「もうサキは、あそこに戻っても、誰にも見えない。依頼の時は別だけど…」


「なんで…⁉」


「裏屋はサキの家として使って?そこで、話すから…」


「う…裏屋…?」


「そう。あと、これ…」

「ひゃっ……」


「あなたの、銃よ」


ザワザワと風が草を揺する…


「銃…⁉」


サラから渡された銃…

「サキ、行こう」


「えっちょっとまって…」


「依頼はあなたの仕事だから、急がないと」



「うっそぉっ‼」


よく分からないけど、あたし、死んだ…

この銃は、何?


サラから聞かされたのは、理解の難しいものだった………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ