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6年前の夢の続きを見た  作者: NUTTY
プロローグ
4/4

 「あ、あれ……?」


 突如、周りの雰囲気が変わった。少女が窓辺に手を置いたその瞬間に。

 驚いた少女は、歌を口ずさむのを止めた。

 すると、その歌を引き継ぐように、空から別の歌声が聞こえてきた。


 白い影が、遠くから近づいてきた。それは、近づくにつれ、はっきりとした形をもちはじめた。丸い耳、小さなしっぽ、まんまるな目……クマのぬいぐるみだ。


 「グルー……!?」


 少女は、泣きそうになりながらも、必死でその姿を目に留めた。そして、これは白昼夢だということを悟ったのだ。



 「……」


 

 グルーは無言で近寄ってきた。

 身軽に、全ての重荷を降ろした風のように。



 少女は窓を全開にし、隣の屋根にいるグルーに向かって叫んだ。

 


 「ごめん!ごめんねっっ!

  今まで、悲しい思いをさせて……!

  本当にごめん……!

  ……6年間、私なんかと遊んでくれて……本当に、ありがとう……。

  もっと楽しい思い出、作れたら良かったのにね……。

  ごめん、ね……」


 少女はひざをついて泣いた。もう、自分の力では、溢れてくる涙をどうすることもできなかった。  


 そのとき、グルーが寄ってきて、少女をぎゅっと抱きしめた。


 

 「……ボクは、幸せだったよ。とっても。

  だから、そんなに泣かないで。そんなに謝らないで。

  キミは、覚えてないの?

  いっぱい、ボクと遊んでくれたよね……?」


 グルーが少女の額に触れた。そのとき、少女の全ての記憶がよみがえった。

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