プロローグ
ある晴れた日曜日のこと。
春の日差しが暖かく、色とりどりの花が庭を埋め尽くす一軒の家。
そこに住む一人の女の子は、ちょうど今日で7歳になる。
誕生日というものは、子供にとって一大イベントであり、そんな日は、朝からいてもたってもいられなくなるものである。
もちろんこの女の子にとっても、それは例外ではなく、いつもの日曜日なら11時か12時くらいまで寝ているはずなのだが、この日はなんと、5時に目が覚めたのだ。
まだ、太陽すら完全に姿を現していない時間帯。親が起きているはずもない。
お腹が減ったので何かを食べようとしたけれど、ご飯を作るのは親だ。かといって二度寝もできそうになかったので、女の子はしばらく考えたあとに、とりあえず着替えることにした。
クローゼットから一番気に入っている服を選び出し、寝巻きを脱いでもぞもぞと着替え始める。
その服は、リボンやレースがところどころに散りばめられていて、色は女の子らしい薄めのピンク。しかし、異常なまでにふわふわとフリフリのついた、いわゆる『ロリータ』だった。
女の子の母親が、我が子を溺愛するあまりに買ってきた代物であった。
7歳の女の子ですら、常識から少し外れていると直感するその服。
しかしその服は、まるで童話に出てくるお姫様が着ているような服で、見ているだけでも女の子をファンタジーの世界へと連れて行ってくれる。
普段は恥ずかしくて絶対に着れないそれも、誕生日だと何故かごくごく自然に着れてしまう。
それほど女の子の気持ちは昂ぶっていて、外の庭だけでなく、思考回路もお花で埋め尽くされていたのだ。
そうして、かなり手間がかかったものの、なんとかロリータを着たその女の子は、何故か無性に外に出かけたくなった。
特に行く宛はないのだが、散歩気分でそこら辺を歩いてみたくなったのだ。
両親に見つかるとなにか色々言われそうだったので、女の子は必要以上にこっそりと動く。
自分の部屋を出て、静かに、物音一つ立てずに両親の寝室の前を通り過ぎる。階段をゆっくりと降りて、短い廊下をこそこそと歩く。そしてなんとか玄関までたどり着いた。
あとは、ドアを開けて外へ出るだけだ。
ロリータとお揃いで買ってもらったピンクの靴を履き、女の子はウキウキ気分でドアを開ける。
外へ出て、ドアをゆっくりと閉める。そのとき、僅かではあるが小さな音を立ててしまった。
女の子は少し慌てたが、外へ出ればもうこっちのものだ。
朝の清々しい空気をめいっぱい吸い込み、女の子はスキップをするように歩き始めた。
家の前の道を過ぎ、広い道路を渡る。
ちょい保留
続けることが苦手な私…(ーー;)
なんかこのあとに書いてる
話が繋がってないやつは、
書き直す前のやつだから気にしないでね