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絶滅危惧種

 21世紀末。人類は熊との生存競争に敗れ絶滅の危機に。当初は熊が籠る冬を狙い失地奪還を図っていたのでありましたが、地球は温暖化。年中作物が収穫できる事を学んだ熊は、冬に休む事を止め。人類を更に圧迫。その結果、残された日本人は私ただ一人。

 当初熊は、人類を敵と定め駆除の対象となっていたのでありましたが、あまりの激減ぶりを哀れんだのか?2年前から日本人は保護の対象にとなり、私は生き長らえる事ができた次第。以後私は衣食住に困らない生活を送る事ができています。ただ熊は火を使う事ができないため、与えられる食糧は全て生もの。身体の中は今どうなっているのだろうか……。

 熊が私を保護している理由は「日本人」と言う名の種の保存。しかし残されたのは私ただ一人。性別はオス。メスは既に絶滅。そこで熊たちは協議したらしく

「100%で無くても良いから。」

と海外に残る人類の輸入を試みたのでありましたが、ワシントン条約に抵触するため実現せず。

「仮に子供が生まれ、無事育ったとしても本国に帰さなければならない。」

と言う条件はあるが、中国からのレンタルを模索したそうなのでありましたが……パンダとの関係悪化に伴い頓挫。

 その結果、私の住まいには……人類に近いDNAを持つ生き物が……。

 目的は日本人と言う種を残す事でありますので、私に求められている役目は……であります。これを行っているか否かを確認するため、私は四六時中映像監視され、事あるごとに全国ニュースに流されると言う屈辱の日々を過ごしています。相手は人類に近いDNAを持つ何か。

 毎日傷だらけになりながら熊が求める任務を遂行して行く内に……。

(そいつを日本人にすれば良いじゃん。)

と自らのアイデンティティに恨み言を発するまでに追い込まれた私。しかし私に拒否権はありません。もしそれを拒否した瞬間。私の命は終わります。そして日本人は絶滅する事になってしまいます。

(せめてハーフでも。)

と懸命に試みようとするのでありましたが、当然相手は拒絶の一手。わかります。私でもそうします。ただ……。

(わかってください。)

 今日も一日が終わろうとしています。

「日本人がたくさんいた頃が懐かしい。」

そう呟きながら眠りに落ちたのでありました。

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