平行宇宙のアミカナとミカ2
「ミカ、どうしたの? 今日は飲み過ぎじゃない?」
<そうかな? まあ、そうかもね>
「どうしたの?」
<あの……あのね……ちょっと聞きたいことがあって……>
「その状態で? まあ、いいけど」
<ごめん。色々考えたんだけど、この状態じゃないと聞けなくて>
「どういうこと?」
<あの……その……あなたの……あっちの機能について知りたいんだけど……>
「あっち? え?!」
<そう。そっち>
「ちょっと待って。あなたはいいけど、私、素面なのよ」
<じゃあ、飲んでみる?>
「いや、止めとく。故障するの嫌だから」
<じゃあ、私も聞くの止めとく>
「何、そこまで言っといて。具体的に、何が聞きたいの?」
<いや、だからね。その……もう一杯飲んでからでもいい?>
「ちょっともったいぶり過ぎだって。何なの?」
<だって、感度が生身と同じなの、とか、なかなか聞けないじゃん>
「いや、聞いてるじゃん。興味あるの? 志音みたいね」
<あー、つまりは、ラキシス機関の設計思想が知りたいの>
「そうね……何というか、量子頭脳が補完している感じ、かな?」
<どういうこと?>
「つまり……その……何というか、量子頭脳が錯覚してるというか」
<錯覚?>
「つまり……あの……刺激があるというよりは、刺激があるはずだと思い込む、って感じ?」
<へえ。何か、高度ね>
「言ってて恥ずかしくなってきた」
<大丈夫よ>
「何で?」
<量子頭脳に酔ってると錯覚させるの。頭がふらふらして、耳が聞こえにくくて、胸がどきどきして。で、寝たら忘れる。どう?>
「ええと、まず、私は眠れないし、忘れられない」
<酔った錯覚はできるでしょ? 昔は酔ったことあるわけだし。今、手に持っているそれは、実はお酒なの。どう?>
「う~ん、どうかな~?」
<わかった。じゃあ、私がもっと飲むわ。そしたら、私が忘れられるし>
「いやいや、私の恥ずかしさはどこに行ったの?」
<大丈夫よ。私は覚えてないから>
「いや、それおかしいでしょう?」
<それよりも……ちょっと聞きたいことがあって、あの……あのね……>
「え? まだ何かあるの?」
<あの……その……つまり、感度が生身と同じなのかな、と思って>
「……もう忘れてるじゃん……いいわね、酔えると」
また下ネタでごめんなさい。オリジナルである生身のミカと、彼女を完璧に複製したアンドロイドであるアミカナ。平行宇宙編における二人なら、こんな会話も……いや、ないか(笑)。お付き合いいただきありがとうございました。




