二天一流
さて、勇者として転生したわけだけど、勇者って事は魔王を倒すって事かな?
まずは拠点になる村探しから始めようかな?
しかし装備がひのきのぼうと、旅人の服ってつくづくレトロゲームのテンプレだよなあ。
こんなんで敵倒せるのか?
まあスライムプチプチ倒してレベル上げていきますか!
・・・10分後
「死んでしまうとは何事だ!」
「死んで怒られるって理不尽すぎません?」
「いやー、一度行ってみたかったのよね」
「雑魚モンスターの定番のはずなのにスライム強すぎません?」
「そりゃ強いわよ。あなたよりは」
「堀井雄二さんが鳥山明先生に送ったラフくらいヌメヌメぐちょぐちょだし、想像以上に早いし、触れれば溶かしてくるし、あげくに顔に張り付いて窒息させてくるんですよ!」
「まあ、スライムの戦闘力は500Kはあるからね昆布500枚分の強さ。一般男性より強いのに一般男性より弱いあなたじゃ勝てないわよ」
「スパウザーの例え余計わかりにくくなるんでやめてもらっていいですか?」
「大体ひのきのぼうと旅人の服ってなんですか!殴った瞬間溶けましたよ!ジュって!あんなのどうやって倒せばいいんですか?」
「いきなり攻略本開くような真似はいただけないわねー。あなたにはチートスキルがあるんだから倒せるはずよ」
「死んでも蘇るってやつですか?何度も死んでパターン覚えて倒すってダクソですか。ドラクエの世界観統一していくださいよ」
「そうじゃなくてもう一つの方」
「賢者の印ですか?知識をそのまま体現できるようになる。より詳しい知識を得る事により精度・威力が向上するってやつ」
「そうそれ。とりあえず剣術に関する知識はあるかな?
「五輪書なら読んだことありますけど」
「宮本武蔵の書いた兵法書ね。その知識を引き出してみて」
「朧げにしか覚えていませんよ」
「君は覚えていないんじゃないの。忘れてもいないの」
「記憶というのは全て刻み込まれているのよ。あなたは記憶をどこですると思う?」
「やっぱり脳じゃないですかね?」
「前世の体を失った君がなぜ前世の知識を持っているの?」
「あっ」
「そう、記憶は魂に刻まれているのよ。脳は記憶を引き出すきっかけづくりのスイッチにすぎないの」
「自身の魂に問いかけて。剣術の記憶を」
そうすることが当たり前のように自然と言葉が溢れた。
魂の深淵に眠る知恵の欠片よ・・・解き放て!
詠唱を終えると五輪書が頭から突き抜けページの1枚1枚が全身に張り付き染み込んでいく。
体に宮本武蔵が憑依したような感覚だ。
「取りなさい」
オモイカネは太刀と小太刀を倫悟に放り、右手を前に突き出すと瞬時に薙刀が現れ塚を握りかまえた。
倫悟は2本の刀を握ると、足幅を大きく開き重心を落とした。半身となり二天一流の構え一重身を取った。
「参る!!」
オモイカネは鋭く踏み込み喉元へ鋭い突きを放った。
「後の先!」
小太刀で切っ先を払い、肢に這うように体を滑らせ太刀を喉元に突きつけた
「お見事!」
五輪書が体に染み込み何百、何千と反復し体に染み付いた動きが自然に出ているような感覚だった。しかしその分負担が大きく魂が疲弊している。
「物質世界ではもっと制限がかかるでしょうけど、神界でこれだけ動けるなら十分やっていけそうね。」
「制限ってどんなものでしょう?」
「動きはステータスに比例するって事よ。しっかり鍛えなさい。ステータスの開閉だけでも結構鍛えられるわよ」
「ジャンプ・ジャンプ・ダッシュ・・・カツアゲされた時の動きですね・・・・」
「久々に動いたらお腹すいちゃった。何か作ってよ」
「自分料理なんて作れないですよ」
「スキルがあるでしょう。スキルが」
「あなたは剣豪にだって、一流シェフにだってなんだってなれるのよ」
そういうと食材やキッチン用品が現れた。
「なんでも良いけど、あなたが美味しいと思うもの作ってちょうだい」
「スキルって本以外の知識からも使えるんですか?」
「知識・経験あなたが知ってる事ならなんでもできるわよー」
オモイカネは寝転び、ビール片手にテレビを見始めた。週末のお父さんかよ。
倫悟にとっての美味しい料理。その知識に集中しスキルを使った。
魂の深淵に眠る知恵の欠片よ・・・解き放て!
・・・・
「できましたよー」
オモイカネが出したちゃぶ台に料理を並べる。
けんちん汁に、辛くない麻婆豆腐、キャベツの千切りの卵とじにナスの煮浸し
「なかなか渋いチョイスだねー。でも美味しそう」
「いただきます」
「いただきます」
誰かと声を重ね「いただきます」というのはどのくらいぶりだろう。
「うん、美味しい!!」
「これ、母さんがよく作ってくれた料理なんですよ」
「このスキルすごいですね。母さんが作ったものとおんなじ味だ」
母さんの味を噛み締めていると涙が溢れそうになる・・・・。
「ヒャーはっはっはっはあ」
「なんですかその世紀末の雑魚キャラみたいな笑い方は!笑える話なんてしてないでしょ!」
「ごめんごめん!テレビ見ててさあ」
「高田純次がバズーカぶっ放してる?メロリンキューってこれ山本太郎?たけし若っ!!!!なんなんですこの番組?」
「元テレ知らないの?天才たけしの元気の出るテレビ」
「知りませんよ」
「最近のテレビ規制だらけでつまんないからさー。やっぱりこの時代の番組はぶっ飛んでておもしろいよね」
「わざわざ録画してたの見てるんですか?」
「いやいやそんなことしなくても、時間戻してみれば良いだけだから。ちなみに今1998年よ」
「マジで世紀末かよ!!!テレビ見るためだけにタイムリープすんなや!!」
「ちっちっち甘いわね。この時代はタイムリープじゃなくてタイムスリップっていうのよ」
「昭和の豆知識を自慢してると若者から影で老害って言われますよ」
賢者の印というスキルはとんでもないチートスキルだと思ったけど、何もないところからテレビ出したりちゃぶ台出したり、テレビ見るためだけにタイムリープしたり。。。神様と比べるのもあれだけど、俺強ええええとはならないよなあ。実際スライムに負けて死んでるわけだから俺弱ええええなんだけど。
食事も終え、後片付けをしようとすると「ああ、ほっておいて大丈夫よ」
そいうとちゃぶ台ごと消し去った。番組も終わり、ニュースが始まるとテレビごと消してからは改めてスキルの説明を聞くことになった。
「知識っていうのは持っているだけでは出来ないことばかりだけど、このスキルがあれば本来何年もの反復で身につけるような技術でも覚えた通りに再現可能なの。」
「例えば銃を撃つという技術自体は構えて、標準を合わせて撃つ。知識としては簡単なものだけど当てるとなると、習得には莫大な時間。トップレベルになれば才能も必要になるものだけど、それらの経験をすることなく到達できるスキルなの」
「ゲーム的に言えば覚えた時点で熟練度マックスということですか?」
「そういうこと。でも万能ってわけでもないの。物質世界では肉体という制限があるのでステータス以上の動きは再現できないのよ。あとは原理のわからないものなども再現できないの。さっきのタイムリープもそうね。事象を観測するだけではダメ。理解できる形に落とし込んだものだけを知識として再現できるようになるの」
「なるほど」
「前世の記憶を持つ君にはぴったりのスキルでしょ?あなたが持つ知識があれば料理人・建築家、保育士、お医者さんなんだってなれるのよ」
前世では想像することすらしなかった。兎に角病気を治したい。未来を、夢を思い描くなど思いもよらなかった。
「でも、そうした文化的なものは平和の中でしか育まれないの。だからまず、勇者として平和な世界を作って欲しいの。それが私からのお願い」
「わかりました。頑張ります!ありがとうございました」
テレレレッテッテッテー♪
倫悟はレベルが上がった
つよさ +10
すばやさ +10
かしこさ +30
しんこうしん +30
HP +30
MP +10
「あらレベルアップ?信仰心がずいぶん上がったじゃない?やっと私の魅力に気づいたみたいね」
「そんなステータスはありませんよ」
「6と11の時は結構重要なステータスだったのにつけ忘れてたわ。えい!!」
「なんなんですか!ドラクエ仕様でステータスいじりまくって」
「あなた自身に自分の魅力を知ってもらうためよ。ステータスよくみてみて」
「みりょく100・・・これって結構良いんですかね?」
「うん、昆布361枚分くらいは」
「一般人より1枚多いだけじゃあないか!もういいですよ世界に戻してください」
「じゃあね。行ってらっしゃい。早く帰ってきてね。あ・な・た❤️」
「氏ねってことですか!残酷な神様のテーゼってことっすかぁぁぁぁぁぁ!!」
・・・・
「いっちゃった;;;」
「さっきのは冗談。相方としてコンビ組んでM-1出場したいくらい魅力的よ君は」
現在のステータス
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天田倫悟
せいべつ:おとこ?
Lv.2
しょくぎょう:勇者
HP 130
MP: 160
ちから・・・・・・・・18
すばやさ・・・・・・・21
みのまもり・・・・・・3
さいだいHP・・・・・130
さいだいMP・・・・・160
かしこさ・・・・・・・240
しんこうしん・・・・・32
せいめいりょく・・・・・3
うんのよさ・・・・・・・10
みりょく・・・・・・・100
こうげき力・・・・・・・20
しゅび力・・・・・・・・8
経験値・・・・・・・・70
呪文ーーーーーーーーーーーーーーーーー
なし
スキルーーーーーーーーーーーーーーーーー
・勇者の御霊
目的を成し遂げるまで死んでも蘇ることができる。この効果はパーティーメンバーにも付与される
・賢者の印
知識をそのまま体現できるようになる。より詳しい知識を得る事により精度・威力が向上する
・二天一流
五輪書によって覚醒した二刀流の奥義
・後の先
【武技】相手の仕掛けた技に合わせて放つカウンター
・母の味
母親の味を再現したレシピ。愛情たっぷり
装備ーーーーーーーーーーーーーーーーー
E 溶けかけたひのきのぼう +2
E たびびとのふく +5
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G: 50G




