表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/44

第2部 第5章:敵は社内にいる

シーン5-1:不正の核心へ


翌朝。

組合事務所に小林が飛び込んできた。


「リアナ! とんでもないものを見つけた!」


机に叩きつけられたノートPC。

真っ黒な画面に映し出されるのは、見慣れた生産管理システムに似ているが、どこか歪んだ画面だった。


「これは…?」


佐藤が唸る。

「本来アクセスできない“裏データ”だ。生産性の数字を自動操作するプログラムが走ってる」


リアナは眉を寄せた。

(やはり数字は捏造されていた…)


小林は声を潜める。

「しかも…この改変を許可してるのが“コンプライアンス室”だ」


空気が凍りつく。

白峰。

改革の裏で何をしようとしているのか――

その核心がようやく姿を現し始めていた。



---


シーン5-2:消えたログイン記録


「見ろ、ここもおかしい」


佐藤が別の画面を開く。

システムログは穴だらけだった。

不正アクセスの記録だけが“きれいに消されている”。


リアナは目を細める。

「これは…普通の社員ではできません」


小林が頷く。

「そう。ログの完全消去ができるのは、管理権限を持つ部署だけだ」


つまり 内部の誰か が、意図的に不正を隠している。


ルカが緊張した面持ちで言う。

「白峰さんが…ですか?」


「可能性は高い。ただ…奴は一人じゃない」

佐藤が重い声で言う。

「コンプラ室全体が、“改革成功”という結果を作るために動いてる」


リアナは拳を握った。

(改革そのものが“現場を疲弊させるための計画”なら…)

(これは単なる職場問題ではありません)


敵は組織的。

そして――冷徹だ。



---


シーン5-3:裏切りの兆し


夕方。

リアナは資料室で、白峰とばったり出会った。


「リアナさん。あなた、何か…余計なものを調べていますね?」


白峰の声は丁寧だが、奥に鋭い刃が潜んでいた。

リアナは表情を崩さず言う。

「社員の安全を守るための情報です。

職場に不正があれば、改善しなくては」


白峰の目が細くなる。

「“守る”…ふむ。あなたは本当に優しい」


一歩、白峰が前に出る。

その瞬間、空気が冷えた。


リアナは魔力の感覚に似た“異質な波”を感じ取る。

(やはり…あなたは普通の人間ではありませんね)


白峰は囁くように言った。

「あなたのような人は――組織には不要なんですよ」


その言葉は、警告でも脅しでもない。

“宣戦布告”だった。



---


シーン5-4:動き出す内部告発計画


夜。

組合事務所に再び皆が集まった。


小林は深刻な表情で話し出した。

「このままじゃ現場は壊される。

だから…内部告発をする」


佐藤が頷く。

「証拠はほぼ揃ってる。数値改ざん、ログ消去、労働実態の悪化。

全部まとめれば、労基署だって動くはずだ」


リアナは静かに言った。

「ただし、相手は白峰。

動きが遅ければ先に処分されます」


ルカが小さく手を挙げる。

「私…やります。

白峰さんは私を気にしてますから…

注意を引きつけられるかもしれない」


リアナは驚いた。

「ルカ、危険です」


だがルカは震えながらも言葉を続けた。

「…もう逃げたくない。

リアナさんに守られてばかりじゃ…嫌だから」


その眼差しは、はっきりと覚悟を宿していた。


リアナはゆっくり頷く。

「わかりました。

なら、私もあなたを守りながら戦います」


内部告発計画

それは、現代社会という巨大な敵に挑む第一歩だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ