第2部 第2章:働き方改革の裏側
シーン2-1:突然の改革発表
翌週の朝礼で、部長が書類を片手に宣言した。
「来月から“働き方改革”を導入する。休憩時間を増やし、残業削減を徹底する」
職場がざわつく。
森川が小声でつぶやいた。
「なんだよ急に…うちの会社がそんな善意あるわけないだろ」
リアナも別の違和感を抱いていた。
(この部署が、急にここまで大規模な改革を?
背景が気になります…)
部長は続ける。
「それに伴い、生産ラインの管理方法も一新する」
その言葉に、リアナは胸に冷たいものを感じた。
改革が良い方向に進むとは限らない。
「これは…何かが仕組まれています」
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シーン2-2:組合の疑念
昼休み、組合事務所に集まったリアナたちは、改革案の資料を読み込んでいた。
小林が眉をひそめる。
「やはり来たな…“改善”という名の合理化だ」
佐藤が資料を指さす。
「これ見ろよ。休憩時間が増える代わりに、実質的に作業密度が上がる」
ルカは不安そうに声を上げた。
「つまり…休憩は増えるように見えて、実際は皆さんもっと大変になる、ということですか?」
「そうです。現代社会の“魔物”のようなものですね」
リアナの声は真剣だった。
改革の裏側にある数字の矛盾。
そして、それを仕掛けた“誰か”の狙い――。
組合はその真相を掴む必要があった。
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シーン2-3:現場の混乱
数日後、改革に向けた“試験運用”が始まった。
現場では混乱が広がっていた。
「え!?この作業ここまでに終わらせなきゃいけないのか!?」
「休憩増えたのは嬉しいけど…作業スピード上げろって無理だろ!」
ルカも巻き込まれる。
「ど、どうしたら…!」
リアナはすぐに駆け寄り、手際よくフォローした。
「落ち着いて。作業順番を変えれば負担は減ります」
周囲の仲間も次々にリアナに助言を求めてくる。
この混乱は偶然ではない。
リアナは確信した。
(これは“誰か”が意図的に現場に無理を押しつけている)
そして、組合を弱らせるための策略かもしれない――。
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シーン2-4:不自然なデータ
夕方、組合事務所で小林が報告書を机に叩きつけた。
「見ろ。生産性の数字が“操作されてる”」
リアナが資料に目を通すと、明らかな不自然さが浮き彫りになっていた。
「休憩増加による影響が…なぜか“プラス”に書かれている?」
佐藤が唸る。
「上がこっそり数字いじって“成功してますよ”ってアピールしてるんだ」
ルカは震える声で言った。
「こういうの…止められないんですか?」
リアナは深く息を吸い、言った。
「いいえ。止められます。
でも――証拠と、仲間の力が必要です」
全員が頷いた。
“改革の裏の不正”という新たな敵が姿を現した瞬間だった。




