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肉骸都市(ニクガイトシ)  作者: キロヒカ.オツマ―


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第二十一章「崩れゆく仮面」


大阪・西成。地下シェルターの作戦本部には緊迫した空気が漂っていた。ミカ、猪飼、イチノセ、そして石川らが集まり、次の作戦のために情報を共有していた。全国に広がった「カストリ」計画の暴露は、政府にとっても看過できない事態となっていた。


「情報戦は激化している。だが、奴らも焦っている。内部からの亀裂が見えてきたぞ」イチノセが言った。


「具体的には?」ミカが訊く。


「厚労省と財務省の間で、責任のなすりつけ合いが始まっている。黒岩の独断専行も一部で批判されているらしい」


猪飼は腕を組み、険しい表情でうなずいた。


「国家の中枢も揺らいでいる。だが、それは同時に混乱の増大を意味する」


一方、永田町の政界では政権交代の波が迫っていた。新たな政権は、カストリ計画の全面的な見直しと徹底調査を公約に掲げていたが、既得権益を持つ勢力はそれを阻止しようとしていた。


その中でも、野党第一党のリーダー・桐原真一は、強硬な改革派として知られていた。彼は自らのSNSで政府の隠蔽工作を糾弾し、支持者を集めていた。


「この国の未来は、腐敗した政治家どもに委ねられてはいけない」と桐原は演説で叫んだ。


そんな中、ミカの元に匿名の内部告発者から接触があった。


「あなたに渡したい資料がある。だが、場所は秘密だ」


指定された場所は、かつての大阪市役所の地下資料室。そこでミカは大量の隠蔽文書と改竄された証拠を発見した。


その中には、カストリの副作用として発症した未報告の精神疾患、複数の謎の死因、不正な資金流用の痕跡が含まれていた。


ミカは震える手で資料を抱えた。


「これが本当の地獄だ……」


同じ頃、津市ではトクリュウとヤクザの抗争が激化していた。街宣車を使ったデモ活動や威嚇行為が日常化し、市民の不安は増大していた。


「俺たちは、この街を守る」リュウジは固い決意で部下に命じた。


しかし、その背後には、政権内部の影響力を持つ官僚や政治家が暗躍し、利権の奪い合いが続いていた。


西成の作戦本部に戻ったミカは、猪飼たちと共に次の一手を練っていた。


「この資料を公開すれば、政府の隠蔽は明るみに出る。だが、同時に我々も狙われる」


猪飼が言った。


「覚悟はできている。これ以上、犠牲者を出させないためにも、全てを曝け出そう」


ミカは決意を固め、端末の電源を入れた。


「全国に真実を届ける」


だが、その瞬間、作戦本部の扉が激しく叩かれた。


「公安だ! 全員、身分証を出せ!」


銃声はすぐにでも鳴り響きそうな緊張感を生み出していた。


ミカは深く息を吸い込み、仲間たちを見渡した。


「これが最後の戦いになるかもしれない……」


しかし、誰も逃げようとはしなかった。

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