98話 点描
・・・と、取り敢えず
『私は此処で待っとこうかな・・・』
そう言いながら、リキューラ・スペクラムは、背後にある氷の椅子に座り、雪女と迅姫亜沙波の帰りを待った・・・
✡✡✡
・・・パチッ
ムクッ
・・・
[此処は・・・何処だ?]
ダーリングラードは目を覚ました。
其処は、リキューラ・スペクラムが現在居る、氷のお城の中に居た。
隣には、衿間阿嘉都、久遠鎮華が居た───
・・・!!?
[な、何だ・・・]
死んで・・・いる?
ダーリングラードの隣には、剣.槍.斧等の武器で、椅子ごと、身体を貫かれ、血塗れになり、死んでいるスペクラムがいた。
[ど、どうして、スペクラムが死んでるんだ?そんな簡単に死ぬ様な奴じゃ・・・]
・・・?
[何か・・・落ちてる?]
スッ、ひょいっ
ダーリングラードは、氷の椅子の右に落ちている、何かを拾った。
世界葬送の魔王の宝石を獲得しました。
[世界葬送の魔王の・・・宝石?何故ここに・・・]
・・・まあいい
[取り敢えず、持っとくか]
ダーリングラードは、ズボンの右ポケットに、その宝石を入れた。
✡✡✡
ペタペタ
・・・ピタッ
【研究室】
スッ・・・ガチャッ
ペタペタ
・・・あれ?
『おらへんやん、ルルデーア・・・脱走したか?』
アフィヤードは、辺りを見渡す。
・・・破壊の痕跡、機械壊れ・・・何も無し・・・
『瞬間移動か?』
そう思いながら、アフィヤードは研究室から出ようとした・・・
・・・ピクッ
(誰かの・・・気配か?)
・・・バッ!
ドゴッ!
背後から、何者かの気配を感じ取り、アフィヤードは後ろを振り向いた刹那、相手の腹に前蹴りを食らわせた。
・・・?
(何だこの感触・・・柔らかいぞ?)
アフィヤードは、じっくりと前を見た・・・
・・・なんや
『ただのスライムかい』
・・・スライム!!?
アフィヤードの右脚には、蒼色のスライムがべっとりと付いていた。
ちょっ!離れろ!!
アフィヤードは脚を左右前後に振り回し、スライムを取ろうとしたが
・・・ズル、ズル・・・
『や、辞めろ!!来るなぁ!!』
少しずつ少しずつ、アフィヤードの脚を伝い、アフィヤードの身体を包み込む様に、大きく広がり
・・・!?
う、うぐぐっ・・・
(い、息が・・・出来へん!)
た、助けて・・・
アフィヤードの口の中.鼻の中.耳の中・・・身体中にある、穴という穴に、入っていった。
この際、アフィヤードは、息苦しさと快楽の狭間に立っていた。
✡✡✡
スッ・・・バダァン!!
えっ・・・!?ちょっ・・・
「ど、どうしたんですか?アスアシナさん!?」
佳観阿の頭に、アスアシナが手を置いた時から約1分程が経ち、何やかんやあり、現在、佳観阿を椅子ごと地面に押し倒され、その上に、馬乗りをしているアスアシナがいた。
・・・なあ、佳観阿
『男同士性行為って・・・気持ち良いのか?』
・・・?
「そ、それは・・・分かんないです」
「実戦形式にやらないとだし・・・」
佳観阿は、甘い声で、小さく言った。
・・・?
(い、今・・・佳観阿・・・俺の事を誘ったのか?普通に言ったのか?)
ど、どっちなんだ・・・?




