97話 虚灯
「な、何が凄いんだ・・・?」
そ、そりゃ・・・凄いよ
『あの雪の女王とだよ?命知らずにも程があるよ・・・』
・・・
(そ、そんなにゆっき〜って・・・)
ヤバい奴だったのか・・・?
・・・あっ
(そう言えば・・・)
佳観阿は、東京都.国立競技場で戦った相手「久我柳昇」戦での時の雪女の時を思い出した。
(あの時・・・ゆっき〜はずっと目が♡になってたし、息も荒かった・・・)
・・・別に、何時も通り・・・
おい、アスアシナ、まだ終わってへんのか?
前方から、扉を開け、全裸のアフィヤードが入ってきた。
んあ?
『まだだよ、今、話しをしていたんだよ』
ふ~ん
『Hな話しか?』
まあ・・・そんなとこです
(そんなとこなんだ・・・)
・・・まあいい
『それより、魔王はどうなっとる?』
『魔王だったら、まだ研究室にいる』
そうか・・・じゃあ
『俺は其処に行くわ、アスアシナも後で来いよ?』
ああ・・・
シュッ!
アフィヤードは、扉を開け、何処かに戻った
・・・?
(だ、誰だったんだ?あの人───)
はぁ゙ぁ゙・・・
『クソッ、何だよ彼奴・・・僕に偉そうな態度で話してきやがって・・・マジきしょいんだよ』
!!?
『・・・佳観阿もそう思うよな?』
!?
佳観阿は突然話しを振られ、驚いた。
お、俺は・・・
「あの人とは初めて会ったし、まだ何も知らないので、まだ、そうは思えないです」
真摯と、佳観阿は言った。
・・・そうか
『お前・・・優しいんだな』
アスアシナは、悲しそうな顔で言った。
・・・?
「ど、どういう事ですか・・・?」
『そんなに他人に対して、優しくすると、それが悪い事になって返ってくるぞ、だから・・・その優しさは程々にしろよ?』
スッ・・・ポンッ
アスアシナは、ゆっくり、優しく、佳観阿の頭に手を置いた。
・・・え?
「ど、どういう意味ですか・・・?」
佳観阿がそう聞いても、アスアシナは無視をした。
✡✡✡
もういい
『私だけで行く』
ち、ちょっと待ってください!!
「そ、それなら・・・私も行きます!!」
一人で勝手に外に出ようとする雪女の手首を掴み、迅姫亜沙波は大声で言った。
・・・
『絶対に貴方は足手まといになる・・・それなら、私の一人行動の方が、効率がいい』
「そ、そんなこと言わないでくださいよぉ〜、私も一応、佳観阿さんの仲間なんですよ?」
私にした事、言った事・・・全て報告しますよ?
・・・
(ご主人様に、私の愚行をチクられるのは良くない、ご主人様からの信頼を失うかも知れない、それなら・・・)
此処は大人しくした方がいい
雪女はそう考えた。
・・・分かった
『じゃあ・・・私の邪魔をしないでくださいね?』
勿論よ!絶対に邪魔しないから!!
・・・はぁ
雪女は溜息を付きながら、歩いた。
ちょっと!溜息付かないでください!
亜沙波も、後を追う様に走った・・・
・・・
『私は・・・どうしたらいいんだ?』
リキューラ・スペクラムは、その場で立ったまま、困惑していた。




