96話 春華幻燈
「な、仲間・・・?」
和香は、首を傾げながら言った。
はい
『実は俺・・・物凄く壮大な計画を立てているんですけど、生憎仲間が現在、4人しか居なくて・・・』
俺の計画には、最低でも六人以上が必要でして・・・
マルクス・K・アルファラインは、少し、顔を俯けながら言った。
・・・
「私がもし、貴方の仲間になるとして、私に得があるんです?」
和香は、強い口調で聞いた。
う~ん・・・
『まあ、5:5かな?』
アルファラインは薄ら笑いを浮かべながら、答えた。
へぇ〜・・・
「じゃあ、辞めときますわ」
!?
『え!?な、何で・・・?』
アルファラインは滅茶苦茶驚いた。
何でって・・・
「私は10:0で、完全に私が得をする様な形にしたいの、何もせずとも、途中からでも、私が100%得をしたいの」
和香は淡々と喋った。
・・・
(な、何だよこの女・・・)
凄え面白えじゃん!!
アルファラインは、沢山の女性と会い、全てを振ったが、初めて出会ったタイプの女性で、楽しんでいた。
分かった!!
『全ての功績は貴方にあげます!!』
・・・ふふっ!
「乗った、今から私は、貴方の仲間になります」
スッ
宜しくね
はい
『宜しくお願いします』
ガシッ
二人は、固い握手を交わした。
じゃあ、早速・・・
『着いてきてください』
そう言いながら、アルファラインは東南東の方角に、歩いて向かった。
・・・
(まあ、少し怪しいけど、仲間になるって言っちゃったし・・・)
取り敢えず、今は着いていこっと。
タタタッ
少し間をおいて、和香は歩き出した・・・
✡✡✡
・・・パチッ
(あれ・・・?此処・・・何処だ?)
佳観阿は、見知らぬ場所で目を覚ました。
其処は、辺り一面が石レンガの壁で造られ、土の地面の部屋だった。それ以外は何もなかった。
そして、佳観阿自身は、部屋の中央で、椅子に、縄で身体中を縛られていた。
・・・!!
(や、ヤバい・・・!声が・・・出ない!?)
佳観阿は、声帯を切られ、声が出せない状態にいた・・・
スッ
やっ
『始めまして、黛佳観阿、僕は、ルセフィールド・アスアシナ、宜しく』
佳観阿の背後には、白髪ロングヘアの男が、佳観阿の両肩に手を置き、馴れ馴れしい口調で言った。
・・・!
・・・あっ
『そうでしたそうでした、ちょっと待ってくださいね?』
固有スキル発動 春華幻燈
ドスッ!
!?
ぐあっ!
突然、アスアシナに後頭部を殴られ、佳観阿は前に倒れた。
ドスーン!
はぁ・・・はぁ・・・
「な、何なんですか・・・いきなり・・・」
・・・あれ!?
「声が・・・出てる?何で・・・」
春華幻燈
『このスキルは、負傷している相手に、殴ったり蹴ったり、まあ・・・そうやって、相手を傷付ける事に成功したら、相手を回復させることが出来る、良くある回復スキルだ』
・・・それは分かったんですけど・・・
「何で、負傷者を攻撃しなきゃいけないんです?下手したら、もっと重傷化するかも知れないのに・・・」
・・・
『それより、佳観阿・・・』
あの雪の女王と、一体どういう関係なんだ?
・・・?
(ふ、雪の女王・・・?)
・・・ああ!
「ゆっき〜の事か!」
「俺とゆっき〜は、頼れる相棒?と言うか・・・」
特別な・・・関係?
・・・!?
(こ、この男と雪の女王が・・・特別な関係だと・・・!?)
す、凄いな・・・あんた




